渋谷からバス2時間! 御殿場プレミアム・アウトレットにある温泉「木の花の湯」に行ったら新時代を感じた
誰にだって日々の鬱屈はあると思う。生活の摩擦で生まれる心の垢。温泉は体の垢以上に心の垢を洗い流せるのが良いところだ。特に、生活圏から離れた場所の温泉は、1人で行ったら繰り返しの毎日から抜け出したような感覚が得られて最高。
とは言え、追いかけて来る日々。遠くに行くのは大変なので、東京から2時間くらいで手を打つことにした。今回行ったのは静岡県の「御殿場プレミアム・アウトレット」にある日帰り温泉『木の花の湯』だ。なんと、ここ、渋谷や新宿から直通バスが出ていて2時間で行けてしまうのである。
記事内で紹介しきれなかった「木の花の湯」の写真 / どのスペースからでも富士山が見えたなど
・リクエスト
以前、伊豆の絶景温泉『赤沢温泉ホテル』の体験取材をした際、「東京から2時間圏の温泉宿シリーズ続けてください」という声をいただいていた。で、そのリクエストの中の1つで届いたのが以下の声である。
「御殿場アウトレットに併設されているホテルがあるのですが、そのホテル内にある木の花の湯に入ってきて欲しいです。ランチバイキングのセットがあるとか?新宿バスタから高速バスが出ています。いつもアウトレットでの買い物に全力投球してしまうので、是非!お風呂の感想をお願いしたいです。よろしくお願いします」
──とのこと。そこで『木の花の湯(このはなのゆ)』に連絡を取ってみたところ、日帰り温泉の体験取材をさせていただけることになったわけだ。ありがとうございます!
・直通で行ける
御殿場プレミアム・アウトレットは名前しか知らなかったけど、調べたら新宿バスタだけでなく、渋谷マークシティや東京駅からも直通バスが出ている。
鉄道駅から離れているから漠然と行きにくさを感じていたけど、渋谷とか新宿から直通だったらむしろめちゃくちゃ行きやすい。そんなわけで渋谷マークシティ10時30分発のハイウェイバスに乗り込んだ。
多少道が混んでいたけど、現地に到着したのは12時34分だったので、約2時間くらいの道のりと言って差し支えないだろう。これが御殿場プレミアム・アウトレットかあ! まず、異国情緒のあるストリートが街みたいな規模で広がっていることにテンションが上がる。テーマパークみたいだ。
・世界観がある
私(中澤)はブランドものとか服とかはあまり興味がないけれど、このテーマパークみは歩いているだけで楽しい。買い物に全力投球してしまうというリクエスト主さんの気持ちも分からんでもないなあ。
そんな御殿場プレミアム・アウトレットを見下ろす丘の上にリゾートホテルの『ホテルクラッド』が建っていて、ホテルに併設されているのが『木の花の湯』である。
その丘目指して御殿場プレミアム・アウトレットを抜けると、ビル型のパーキングの最上階から渡り廊下を通って『ホテルクラッド』に行けるようになっていた。御殿場プレミアム・アウトレットだけじゃなく、御殿場市を一望できる!
・露天風呂
今日は曇ってるけど、晴れてたら確実に富士山が見えるロケーションだ。ホテルクラッドのロビーからの眺めも大パノラマ。
したがって、『木の花の湯』の露天風呂からの景色も当然……
大パノラマ!
……う~む、他の全てから景色のポテンシャルがビンビンに伝わってくるだけに、返す返すも天気が惜しい。自分の持ってなさで読者のリクエストに応えきれてない気がするので、広報さんにもらった晴れている時の写真も掲載しておこう。同じ視点で晴れていたとしたらこうなります。
富士山が思ってたよりデカイ! まさしくロケーションに期待するものが詰まっている絶景である。見たかった~!! ただ、曇ってたからいまいちだったのかと言うと全然そういうわけではなかった。実はここ、景色だけじゃなくて……
・曇りでも最高だった理由
湯舟やサウナ室、水風呂など1つ1つにこだわりが感じられるのである。まず、サウナ室(90度)は3段あって綺麗で広い上、ここからも富士山が見える大きい窓がついていた。
続いて、水風呂(16度)は深さが90cmあってこれもまた広いからビシビシ来る。
さらに、露天風呂は見晴らしの良い場所だけあって風通しもグッド。ゆえに、梅雨の湿度の中でもととのいまくった。むしろ……
ととのいすぎて5時間くらいいた。
サウナをキメるのに最高なだけでなく湯舟も凝っているところが良い。自家源泉の露天風呂には浅瀬と深めの立ち湯があってサウナ後の体に染みる。このサウナと温泉が良すぎて、1度出たけどまた入ってしまった。曇りでも風呂に沼ってしまう『木の花の湯』に温泉のポテンシャルを見た気分である。
・ランチビュッフェ
最後に、リクエストにあったランチバイキングについても取材させていただいたので触れておくと、これは1階の「ダイニング花衣(はなごろも)」のビュッフェとなっている。ランチは12時~15時(ラストオーダー14時)で大人3300円。
ここはホテルクラッドのレストランも兼ねているため、内容としては良いホテルのビュッフェという感じだ。野菜は新鮮だしクロワッサンはパリパリだし、ライブキッチンで肉を焼いてたりする。12時になったらほぼ満席状態になっていて人気スポットであることが垣間見えた。
特徴的なのは、そんなホテルの質ビュッフェの中に、富士宮やきそばやみしまコロッケ、みくりやそば、遠州焼きなどのご当地グルメが紛れていること。
ただのコロッケなのにじゃがいものふかふか幸せ食感が段違いだと思っていたら、みしまコロッケって箱根西麓で収穫された「三島馬鈴薯(メークイン)」を100%使用していることが特徴のコロッケなんだそうな。
ビュッフェメニューは全部ウマかったんだけど、特にコロッケをはじめとしたじゃがいも系の料理の風味が段違いだった。ホテルビュッフェの中でも抜きんでるじゃがいも料理はぜひ味わってみて欲しい。
また、会場も富士山側が一面ガラス張りになっていて景色が素晴らしい。その眺望の素晴らしさは2階の休憩処も同じで、帰る頃には、もはや見えなくても富士山の霊圧を感じるレベルになっていた。いる。確かにそこに富士山はいたのだ。
・感じた新時代
そんな『木の花の湯』の入館料は平日1700円で、土休日・特定日は2100円。御殿場プレミアム・アウトレットの楽しみ方は買い物だけではないことを知ったのであった。
帰り道は小田急のハイウェイバスで新宿に帰ったのだが、1時間2本くらいと本数が多く、出発時間も12時から20時までと幅広い。また、ハイウェイバスセンターに聞いたところ、「予約がなくても席が空いてれば乗車できる」とのこと。料金は片道1940円だった。
他にJRバスとか色んなバス会社の便もあったのでガチで東京から日帰りも余裕だと思う。事実、東京からのバスはそこそこ埋まっていた。アウトレットに観光に行くという時代が来ているのかもしれない。
私が育った田舎にもアウトレットがあったけど、全然こんなんじゃなくただのブランド店の集まりだった。ゆえに、その癒しをも設計されたアミューズメント色にはカルチャーショックを受けずにいられない。ソロでも良い1日だった。そんなわけで、情報ありがとうございました!
・今回紹介した店舗の情報
店名 木の花の湯
住所 静岡県御殿場市深沢2839-1
営業時間 10:30~最終受付21:00(22:00終了)
定休日 メンテナンスによる休館あり(不定期)
参考リンク:木の花の湯
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.