【レンチン6分】料理スキルゼロの人間が初めて作ったアクアパッツァvsキユーピー「アクアパッツァの素」
魚介の消費量が年々減少している日本、とくに家庭料理では「めんどうだから」と魚離れが進んでいるという。わかる。すごくわかる。筆者など「下ごしらえが大変」「くさい」「苦労の割に上手くできない」などの理由で、新品未使用の魚焼グリルが10年以上も温存されているというありさまだ。
そんな折、都内で行われた試食イベント「おいしい博覧会」で紹介されていたのがキユーピー「アクアパッツァの素」だ。なんと混ぜて蒸すだけでアクアパッツァが完成し、レンチンでもOK!
が、ちょっと調べてみると、アクアパッツァとは魚介から染み出す旨みを活かし、白ワインで豪快に蒸し焼きする料理だという。あれ、思ったよりも簡単そう。キユーピー使わなくても普通にできるんじゃないの……?
※本記事では材料の一部にキユーピー株式会社からの提供品を使用しています。
・生まれて初めてアクアパッツァを作ってみる
筆者は普段「時短」かつ「失敗しない」料理に命をかけており、アクアパッツァなんて “ホテルのビュッフェで出てくる洋風の魚” くらいの認識だ。家で作ろうなどと人生で一度も考えたことがない。胃腸が元気だった若い頃は毎晩のように外食していたので、料理スキルもゼロに等しい。
いくつかのレシピサイトで「一般的な作り方」を調べて材料を揃えてみた。家庭向きにアレンジされているだろうから「本式」とまでは言えないだろうが、これがなかなか大変だった。
一番苦労したのが「ケッパー」だ。響きが「ペッパー」と似てるし、たぶん香辛料のたぐいだろう。もしかして、ちょっとお高い店に行ったときステーキに載ってる赤い粒かな(それはピンクペッパーだった)と思ってスパイスコーナーを探したが、一向に見つからない。探すべきは瓶詰めコーナーだったようだ。「ケーパー」って書いてあるけど、これでいいんだよね?
あと、ブラックオリーブも少し苦労した。本当は丸ごとの種なしオリーブが必要らしいのだが、最寄りのスーパーでは売っていなかった。仕方がないのでサラダ用のスライスオリーブ。
これあれだ。海外で味噌汁作ろうと思っても、豆腐とか鰹節とか当たり前の食材が手に入らなくて苦労するのとたぶん同じだ。日本に住むイタリアの人は「なんでケッパーないのかしら?」と思ってるのかな。
・「一般的な作り方」の調理
「一般的な作り方」で調理開始。今回は砂抜き済みの解凍アサリを買った(それしかなかった)のだけれど、砂抜きが必要なら1時間前には準備しないとだ。魚介は「使える状態にする」までが大変なんだよなぁ。
レシピに従い、ニンニクは使い慣れたチューブじゃなく生のものをみじん切り。我が家に生のニンニクが降臨したのは何年ぶりだろうか。ちょっとめんどうくさいけれど、フレッシュな香りがキッチンにただよう。あとはトマトなりパプリカなり、好きな野菜を用意する。
魚の切り身には塩胡椒で下味をつける。
焼いていこう。アクアパッツァとはイタリア語で「狂った水」という意味だそうで、たっぷりのオリーブオイルがポイント。この時点でかなり美味しそうな匂いがする! そりゃそうだ、オリーブオイルとニンニクの組み合わせがマズいわけないもんな! 期待がふくらむ!!
キモになるのが白ワイン。筆者は下戸なので、普段から家に調理酒やワインの備蓄はない。適当に小瓶を買ってきた。
フタをして10分ほど蒸す! さあ、存分に狂うがよい!! 食材の下ごしらえに30分くらいかかったけど、作業としては本当に簡単だ。たぶん本場では気軽な料理なんだろう。
途中、洗剤でも入れたのかと思うほどフライパンの中が泡立って心配になったが、無事に10分が経過した。アサリもぱっくり口を開けて、美味しそう~~~!!
・「アクアパッツァの素」の調理
待っているあいだに「キユーピー3分クッキング」ブランドから登場した「アクアパッツァの素」も試してみた。
2回分が入っていて、1回分で切り身2~3切れに使える。魚と野菜は自分で用意する。
水でスープを溶く。今回は1切れだけなので半量に加減する。調理はフライパンと電子レンジ、どちらでもOK。
ものぐさな筆者はレンジがよかったので耐熱容器に材料を並べる。後からわかるのだがスープがかなり沸騰するので、写真よりももっと深くて大きい容器推奨。
あとはレンジで加熱するだけ。材料は前半と同じで、すでに野菜も準備済みだったので、ここまでの所要時間3分。おおっ、これぞ「キユーピー3分クッキング」!
・お手製アクアパッツァvsレンチンアクアパッツァ
両者が同時に完成! 食べ比べてみよう。
見た目はアサリやケッパーやオリーブの入ったお手製のほうが断然ゴージャスで具だくさん! 手をかけただけのことはある。アクアパッツァ自体がかなり写真映えする料理で、スキルゼロの人間が作ったとは思えない。スープたっぷりの蒸し焼きだから、フライパンが焦げたりしないのもいい。
手づくりのほうを食べてみると……
なかなか美味しい。心配だったワインのアルコールもきれいに飛んでいる。火もしっかり通っているようだ。
ただ……
ちょっと塩が足りなかったなぁ! よく言えば「素材の味が活きている」けれど、全体的に淡泊でパンチに欠ける。
「塩加減」の見極めって、初心者には本当に鬼門。レシピには適量としか書いていないが、切り身の大きさは一定じゃないし、ほかの具材から出る塩分もあったりする。生の魚や肉だと味見するわけにもいかんし……。経験に相当左右される部分だ。
似たものに「焼き加減」「茹で加減」「揚げ加減」もあって、20代の頃に自宅に遊びに来た恋人に手料理を振る舞おうとし、油のバチバチいう音におびえて半生の唐揚げを食べさせたのは苦い思い出だ。2人とも無事でよかった。
もうひとつ、キユーピーのほうも食べてみよう。
んんっ、これは……!
塩加減も含めて、ばっちり味が決まっている! 爽やかなレモンの風味が最初に届き、味つけの核は塩こうじ。どことなく和のテイストも感じられる。
スープとして単品で飲んでも美味しい。素材の旨みというよりは、あらかじめ完成された味。
逆にいうと作り手がオリジナリティを発揮するような余地はなく、固定された既製品の味になると言ってもいい。素材と味つけが奇跡的にかみあった傑作、みたいな冒険はできないけれど、安定した美味しさが保証されている!
・コスパ&タイパは圧倒的にキユーピー
自炊にはいろいろな材料を揃えなければならない、というハードルを一挙に飛び越え、なんなら切り身を1パック買ってくるだけでメインディッシュができるキユーピー「アクアパッツァの素」。
本当にレンジで数分、材料を並べたりする時間を入れても10分もかからない。手順が少ないということは洗い物も少ないということで、使うのは耐熱容器と菜箸、包丁くらい。
ラインナップは「鮭のアクアパッツァの素 3種のハーブ&ガーリック」と「白身魚のアクアパッツァの素 塩こうじ&レモン」の2種だ。
ガチで料理好きな人には物足りないかもしれないが、とにかく手間なく、かつ間違いなく美味しいものを食べたい人には十分! 一人暮らしの人にもいい。魚料理との距離がぐっと縮まり、「これなら魚、食べてもいいな」となりそうだ。
参考リンク:キユーピー株式会社
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.