会場全体でPerfumeを体感 ― TOKYO NODE「Perfume Disco-Graphy」(レポート)
今年9月にメジャーデビュー20年目に突入する音楽ユニット・Perfume。2007年にシングル「ポリリズム」がブレイクし、個性的な楽曲・歌詞・ダンス・MCなどは国内外から熱狂的な人気を集めています。
あ〜ちゃん、かしゆか、のっちの3名がこれまで作り上げてきた表現への挑戦と、ステージの数々を再現する展覧会「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」が、TOKYO NODEで開催中です。
虎ノ門ヒルズ駅の改札前にも巨大な広告が
展覧会は大きく3章構成で、Chapter 1「We are Perfume」から。エントランスから進むと、3600球の球体とレーザーからなる巨大な光で、Perfumeのポーズの代名詞である“Aポーズ”の3Dシルエットが浮かび上がります。
ひとつひとつの球体にレーザーを照射するという、極めて手間がかかるこの作品を手がけたのは、2010年の東京ドームライブからPerfumeのステージ演出に携わる真鍋大度と、クリエイティブ・コレクティブのRhizomatiksです。
“Aポーズ”の3Dシルエット
続いてPerfumeの数々のシルエットが並ぶコリドー(回廊)。さまざまな楽曲の象徴的な振り付けやポーズがくりぬかれたパネルはPerfumeの身体性を感じるとともに、フォトスポットとしても楽しめます。
「Perfume Silhouette Corridor」
Chapter 2の「軌跡と奇跡」の冒頭は、幅7m、高さ5mの巨大映像。
Perfumeの過去の楽曲の歌詞と、身体表現である振り付けを解析し、さまざまな手法を用いて可視化したオーディオ & ビジュアルインスタレーションです。
「歌詞と身体表現の同期 | Reframe」
そのインスタレーションに続くエリアが、展覧会のメインといえる60メートルのギャラリーです。
ここには最新のテクノロジーを用いたインタラクティブな展示が多数用意されており、体験者が手に持った小型マーカーで無数の光線を集めたり、ステージ上の体験者の動きをビデオデータに変換して合成したりと、どれもユニーク。自分の身体を使いながら、Perfumeの世界が体感できます。
Chapter 2:軌跡と奇跡
またChapter 2では、およそ25分おきに1回、別々の展示をしていたギャラリーの空間全体が同期します。
メンバーによるカウントダウンの後に、彼女たちが「勝負曲のひとつ」という楽曲「edge」をテーマにした、25周年のスペシャル映像が投影されます。
「edge | 25th Anniv. Year Special Live Edition」
長い通路状のエリアでは、Perfumeのメンバーが生まれてから現在に至るまでの軌跡を、長さ50メートルの巨大な年表で紹介。
会場で販売しているVOICEツアー(別料金)を使うと、メンバー3名が年表を見ながら当時の思い出を語る様子を聞くこともできます。
「Perfume Chronology」
続く展示室の中央には、メンバーがライブで実際に使用した200足を超えるハイヒールを展示。
壁面では、Perfumeがブレイクしたきっかけである楽曲「ポリリズム」の過去のライブ映像が、3方向・270度のシアター空間に投影されます。
「軌跡と奇跡 : ポリリズム | tribute to Perfume(2007-)」
最後のChapter 3「IMA IMA IMA」は、この秋に発売される、Perfumeのコンセプトアルバム「ネピュラロマンス前篇」収録曲で、本展のテーマソングでもある新曲「IMA IMA IMA」を紹介。
展示室は『架空のテレビ局の歌番組スタジオ』がテーマで、体験者はスイッチングの操作も可能。モニターには、Perfumeのメンバーが新曲にあわせてダンスをしている様子も映されています。
Chapter 3:IMA IMA IMA
展覧会の総合監修にはPerfumeの振り付け・ライブ演出を手掛けるMIKIKO、インスタレーションには真鍋大度、クリエイティブコレクティブ・Rhizomatiksなど、“チーム・Perfume”に長年携わるメンバーが参画しています。会場全体でPerfumeを体感できる、ファンにはたまらない展覧会です。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2024年8月8日 ]
記者発表会に登壇した、Perfumeの3人