収穫から数時間でタルトに 空輸で当日スイーツ化 静岡発の専門店が都内3店舗で限定発売
■キルフェボンの新商品「完熟イチジクのタルト」
空輸のスピードを生かした“鮮度勝負”のスイーツが登場する。静岡市に本社を置くフルーツタルト専門店「キルフェボン」が8月25日から期間限定でイチジクのタルトを販売。早朝に収穫した完熟イチジクを、その日の午後にタルトとして提供する特別企画となっている。
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新商品の名前は「兵庫県川西産イチジク“朝採りの恵み”とチョコレートクリームのタルト」。兵庫県川西市で完熟イチジクを夜明けと同時に収穫し、そのまま空輸で東京に運ぶ。数時間後には、都内の店舗に並ぶという。
なめらかなチョコレートクリームと合わせた特別なタルトは、果実本来の濃厚さとみずみずしい香りを味わえるのが特徴だ。価格は1カット1296円、ホール(25cm)が1万2960円(ともに税込)。販売は8月25日から9月7日までのうち延べ7日間限定で、都内3店舗(グランメゾン銀座、青山、東京ドームシティ)に限られる。
完熟イチジクは実が柔らかく日持ちしないため、阪神間の一部地域でしか流通してこなかった。だが、「空輸なら数時間で首都圏に届けられる」との発想から、東京でも提供できるようになった。販売当日の状況は、キルフェボン公式Instagramのストーリーズで告知される。
川西市のブランドイチジク「朝採りの恵み」は、地元農家が早朝に収穫して収穫から半日も経たずに消費者の手に届くところを強みとしている。通常であれば流通の都合上、収穫から数日経った状態で市場に出回ることが多い果物だが、空輸を組み合わせることで「まるで畑で食べるような鮮度」を都会の消費者に届けることが可能になった。農業と航空輸送、人気スイーツ店のコラボが地域振興の新しい形として定着している。
販売は天候にも左右される。雨の日は収穫ができず販売が中止になる場合もある。また販売時間も店舗ごとに異なり、銀座店と青山店は午後2時30分ごろ、東京ドームシティ店は午後6時ごろからの予定。希少性の高い商品だけに、店頭には購入希望者が列をつくることが予想される。
今回の商品は、「スイーツは鮮度が命」というキルフェボンのこだわりが、旬の果実と航空輸送によってさらに進化した形と言える。“空輸で当日タルト”という非日常体験。スイーツファンはもちろん、幅広い人を惹きつけそうだ。
(SHIZUOKA Life編集部)