【町田市】JA町田 ユズ製品を「名産品に」 商品開発進め、キャラでPRも
JA町田市がユズ製品を一押し商品として売り出している。PRのためのキャラクターを今年度誕生させ、新商品の販売も開始。ユズ製品を町田の名産品の1つに育てていきたい考えだ。
JA町田のユズ商品の開発はおよそ10年に及ぶ。加工から販売までを手がける6次産業化商品として手がけるようになり、2019年にはプライベートブランドとしてこんにゃくゼリーにした商品を発表。今年度はスイーツや、はちみつと組み合わせた新商品の販売を開始し、ユズ商品PRのため、キャラクターを誕生させた。それら商品の一部は先ごろ発表された市内の名産品が並ぶ「まちだ名産品」に認定され、商品開発を担当するJA町田市経済部次長の足立正文さんは「名産品の少ない町田の名物の1つになればと考えている。出荷する農家の所得向上につながるようにしていきたい」と話す。
「もったいない」
JA町田がユズ商品を手がけるきっかけになったのは、市内で植木の生産・販売を手掛ける横田竜雄さんからの相談だった。「寒さに強く育てやすいため、市内のどこの農家でも育てられていることが多い」というユズ。10年以上前、横田さんの農園で販売用に育てていたユズの木が大きくなり、大量の実をつけるようになったものの、「トラック1台分くらいのユズを捨てていた。もったいないと思い、JAに相談した」と横田さんは振り返る。その際はJAに紹介してもらった市内事業者と商品開発を進め、ゆずリキュールやゆずポン酢を開発。軌道に乗るとユズ商品に対して注目が集まったという。
JA町田がPRを強化するなか、発起人である横田さん自身も、ユズ商品に対して手応えを感じている。「こんにゃくゼリーのような思いがけない商品が出てきてうれしい。JAの商品はユズの香りが高く、自分のユズが使われていると思うと喜びもひとしお」と笑顔。一方で、「ユズの木には釘のような鋭いトゲがあり、取るのは本当に大変。生産者の高齢化による担い手不足という課題もある」と横田さん。今後はトゲの少ない品種のものを採用したり、市民が参加できる『ゆずもぎ取り体験農園』のような場所をつくるなど、みんなに知ってもらう取り組みを進めていってもらいたい」と期待を寄せている。
市内で販売
JAでは、これらのユズ加工品を、市内の農産物直売所「アグリハウス」各店で販売している。また、11月8日(土)・9日(日)の「キラリ☆まちだ祭」(町田シバヒロ)の農業祭や、11月14日(金)・15日(土)の「収獲感謝市」(鶴川、忠生、南、堺の各支店)では、商品の販売や試食会も予定している(実施内容は各支店により異なる)。
足立さんは「アグリハウスは組合員でなくても誰でも利用できる。町田のユズは酸味が強すぎず食べやすいのが特徴。イベントや直売所で、その魅力を知っていただければ。今度も商品化を進めていきたい」と話している。