てまひま惜しまず3日間かけて作る「喜味喜」のカツカレーらーめん|広島市安佐北区
広島市安佐北区の自然豊かな太田川沿いにある「喜味喜(きみよし)」。黒い船の形をした外観が印象的です。
休日は待ち時間ができるほど多くの人で賑わう喜味喜には、近所の常連さんだけでなく県外から訪れるお客さんも!
今回は、3日間かけて作るカレーを使った「カツカレーらーめん」と、一番人気の「みそ野菜らーめん」を取材してきました。
セットで注文されることが多いという、手包みの「ぎょうざ」も要チェックです!
3日間かけて仕込むカレーととんこつスープが人気「カツカレーらーめん」
喜味喜のカツカレーらーめんの特徴は、なんといっても3日間かけて作るカレーのルーとお肉からこだわったカツにあります。
煮込み・裏ごし・寝かしつけを繰り返し3日間かけて作るカレールー
喜味喜のカレーは3日間かけて仕込むため、凝縮されたうま味がダイレクトに味覚を刺激します。
店主の池田喜範(いけだよしのり)さんは「おいしさを追及していくうちに、どんどん工程が増えて、今では3日かけたものを提供するようになりました」と、話します。
まず、皮を向いた玉ねぎとにんじんを丸ごと煮込み、寝かせてから取り出した野菜をペースト状にし、裏ごししてから牛肉を入れて再び煮込みます。
さらに寝かせてお肉のうま味が十分にスープに移ってからお肉を取り出し、使うのはスープ部分のみ。
その後カレールーを入れて完成まで煮込みと寝かしつけを繰り返すのだそう。
「玉ねぎも最初はカットしてから煮込んでいたのですが、切り口からうま味が流れ出てしまうので丸ごと煮込むようになりました」とのこと。
仕込みに3日間かかるので、売り切れるとしばらく提供できません。
「店内にはカレーの香りがしていても、それが仕込みによる香りのこともあるので、お客さまには不思議がられることもあります。うちのカレーが食べたい人は、電話で事前に確認される方もいますね」と、池田さんは話します。
喜味喜のカツカレーらーめんは、こだわりのカレーととんこつスープを合わせて、濃厚だけどサラッとした口あたりに仕上がっています。
麺はちぢれ麵を採用しており、カレーとしっかり絡まります。
カツの肉は脂や形にこだわり生パン粉でサクッと仕上げる
喜味喜のカツは、島根県の精肉店から卸してもらっている国産の豚バラ肉を使用。長さや幅にもこだわっており、一般的な豚カツより細長いのが特徴です。
「豚バラ肉の脂がちょうど良いです。分厚くカットせず、細長い形のものを選ぶようにしているので、脂がしつこくないんですよ」と池田さん。お肉へのこだわりも忘れません。
さらに、薄切りにする前のブロックの状態でお肉を確認し、脂のノリなど納得したものだけを仕入れるこだわりっぷり。
衣付けもお店で行っており、生パン粉で衣付けすることで、サクッとした食感になるそう。
カツはカツカレーらーめんだけでなく、通常のらーめんにトッピングされることもあるのですが、生パン粉での衣付けのおかげでスープに浸しても衣がへたりにくくなっています。
最後の一切れまで、豚カツのおいしさそのままに楽しめますよ。
たっぷり野菜で昔ながらのやさしい味「みそ野菜らーめん」
「みそ野菜らーめん」は、お店の一番人気のメニューです。
みそ味のらーめんに使う味噌は、大豆を挽く粗さをオリジナルで発注しており、喜味喜ができた当初から変わらない味として守り続けられています。
また、炒めた野菜を一旦スープで煮込んでいるため、スープに野菜のうま味も加わって、定番の「みそらーめん」とは異なる味わいに仕上がっているのだそう。
「昔は男性の方がよく注文していましたが、最近は女性のお客さんも増え、多くの方に食べてもらっています。年配の方からも好評なんですよ」と、池田さん。
一度食べたらクセになる「ぎょうざ」
お好みのメインにプラスされることが多いのが「ぎょうざ」。単品ながらもお店で三番目に人気のメニューです。
ひと口サイズと小ぶりなので、メインに追加でつけやすいのも魅力ですね。
ぎょうざも餡から手作りにこだわっており、1日に60人前出ることもあるのだそう!
大きめにカットされたニラは食べたときの食感のアクセントにもなります。
餡の中には、たっぷりの青森県産にんにくが使われており、食べるとにんにくの良い香りが鼻を抜けます。
皮も薄くて小さめのものを注文してオリジナルで作ってもらっているそう。
薄い皮はパリッとして、すぐに餡のジューシーさが感じられます。
ぎょうざは、テイクアウトのほか、冷凍の購入もできるので、自宅でお店の味が楽しめますよ。
喜味喜メニュー
店主の想い「こだわりの味を細く長く続けていきたい」
今、主にお店を切り盛りしているのは、二代目の池田喜範さん。先代の父からお店を受け継ぎ、今もご両親と姉と一緒にお店に立っています。
元々は安芸太田町加計で15年ほど営業しており、その後、現在の場所に移転したそう。
約40年お店を続けてきた中では、順風満帆な時期だけではありませんでした。
池田さんは「今は開店前からお客さんがたくさん来てくれていますが、過去には苦しい時期もありました。大きな目標は立てず、細く長く続けられるように目の前のことに取り組みたい」と、話します。
黒い船を目印に
インパクトのある船の形の外観ですが、お店を移転する前からあった建物なので、船にゆかりはないのだそう。
「喜味喜が入る前のお店のときから船の形をしていました。当時は茶色だったのですが、カッコ良さを出すために黒塗りにしたくらいで、私たち自身が船に思い入れがあるわけではないんです」と、池田さんは笑います。
自然が多い場所なので、お店の目印に黒い船を覚えておくと良さそうですね。
喜味喜(きみよし)の基本情報とアクセス
広島北ICから加計街道を西に向かって進み、太田川を左折。壬辰橋すぐの県道177号線沿いに喜味喜はあります。
喜味喜(きみよし)の基本情報
住所広島市安佐北区安佐町大字毛木241-1TEL082-837-3789営業時間11:00~15:00(LO.14:30)
17:00~20:30(LO.20:00)定休日月曜・第一第三火曜駐車場あり公式Instagramhttps://www.instagram.com/kimiyoshi_asakita/
アットホームな雰囲気の喜味喜は、おいしさと国産にこだわったお店です。
メニューのほとんどが店内手作りとなっており、ほかのお店では味わえないおいしさがあります。
また、お店からは太田川をはじめとした自然が望めます。
秋の紅葉や春の桜など、季節の移り変わりを食事と一緒に楽しんでみてくださいね。
ライター/丸山希
※紹介している内容は2024年10月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。
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