春の高校バレー県予選 楊志館 高校生審判の先駆者となった氏川あおい(3年) 【大分県】
第1試合は副審として他校の試合をジャッジし、第3、5試合はキャプテンとしてプレーした。春の高校バレー県予選に出場した楊志館の氏川あおい(3年)は、高校最後の大会もフル稼働。「選手としても審判としても充実した3年間だった。審判をするようになってバレーを客観的に見られるようになった。選手としては最後までバレーを楽しむことができた」とすがすがしい表情で語った。
氏川は今夏の全国高校総体で、公益財団法人日本バレーボール協会の「C級審判員」として、交代記録やスコアなどをチェックする記録員(アシスタントスコアラー)を務め全国デビュー。大会後はより高度な知識、技能を身につけたいと「B級審判員」を目指し、猛勉強した。このほど筆記試験に合格し、大分県バレーボール協会が主催する試合で主審や副審を務め、実務経験を重ねている。
キャプテンとして勝利に貢献した氏川あおい
選手ではチームキャプテンとして、先陣を切って戦う姿勢を示し、勝利に貢献した。初戦の津久見・佐伯豊南の合同チームにストレート勝ち。2回戦では臼杵に敗れたが、「力を出し切った。いろいろ大変なこともあったけど10人全員で最後まで諦めず、元気よくバレーができた」と歩んできた日々に思いをはせた。
昨年8月にC級審判員を取得し、バレーボールの知見を広げた。審判をすることで「ポジショニングや、相手の選手が何を考えてプレーしているのか理解できるようになった」という。その年の10月に新チームが始動した際はキャプテンになった。部員6人、試合にギリギリ出場できる人数で、練習は限られたメニューしかできずに苦労した。高校から競技を始めた選手には氏川自ら指導することもあった。山口新太郎監督は「責任感が強く、面倒見がいい姉御肌。誰よりも声を出し、言動でチームを引っ張った」とねぎらった。
氏川に憧れ、C級審判員を目指す部員は多く、他校でも審判希望者は増えているという。高校生審判の先駆者となった氏川は「今後も社会人クラブでプレーしながら、審判としてバレーに関わりたい」と目標を語った。
今後も選手、審判として活躍する
(柚野真也)