【鎌倉市】鎌倉女子大 2029年度から共学化 少子化見据え対策
学校法人鎌倉女子大学(大船)が8月1日、2029年4月から男女共学大学に移行し、名称を「鎌倉大学」(仮称)に変更すると発表した。少子化で将来的な入学者数の減少が見込まれる中、1943年の建学以来の男女別学を転換して門戸を広げ、対策を図る。
全国的に少子化が進み、大学の入学者数は急激な減少が予想されている。同大学によると、すでに全国の私立女子大学の約8割が定員割れとなっており、短期大学では24年から27年にかけて50校が募集を停止しているという。
女子大学には特に厳しい状況だが、同大学では教員や管理栄養士等の免許取得、高い就職率などから25年度も定員充足率は108・1%で「これまでも大学の定員割れはなかった」と入学者数は堅調に推移していた。
一方で、今後の入学者数減少に対応するため25年度には短期大学部で男女共学の初等教育学科通信教育課程を設置し、26年度からは中等部・高等部を男女共学化するなど対策に取り組んできた。
29年度は、この共学化した高等部の生徒が卒業する時期と、現在大学に在籍する学生の卒業が重なるタイミングでもある。同大学では「学生の気持ちを一番大切にしたい」と、在籍している学生が卒業する期間まで女子大学の環境を維持することで大きな混乱を避けるとしている。
既に開催した学生や保護者向けの説明会でも、大きな反対意見はあがっていないという。
さらに、同大学が過去に行ってきた入学者へのアンケートでも、志望動機について「免許取得による就職率の高さ」や「立地」などが多数を占め、「女子大学だから」という回答は直近4年間の平均で3・8%だったという。同大学では「これからはどの大学でも少子化の影響が大きくなっていく。大学の教育研究では他者との協働や対話を通じて知識や技術を習得する面も大きく、学生数を保ち続けることは重要」と、共学化の意義について語る。
同大学は1943年に京浜女子家政理学専門学校として設立。89年に名称を鎌倉女子大学に変更した。家政学部や児童学部、教育学部、大学院、短期大学部があり今年5月現在で約2600人が在籍。学部の新入生定員は共学化以降も現在と同じ約500人を予定している。