伊賀ドキの人 食と農のよろず屋に
渋川萬次郎(本名・加藤友規)さん(30)
三重県名張市松崎町の旧初瀬街道沿いにある予約制弁当店「渋川萬昇店」の店主。自らを“番頭”と名乗り「食と農のよろず屋」を目指す。地場産野菜を使った弁当や総菜を販売し、キッチンカーでの出店もしている。
大阪府出身。大学進学で上京後、イタリア料理やアジア料理、沖縄料理を身に着け、有機野菜の収穫も手伝うようになった。
コロナ禍の2020年に東京を離れ、和歌山のみかん農家で働いた後、客として訪れた名張市赤目町柏原のカレー店で居候。現店舗となる古民家を見つけ、22年8月に開業した。
「食卓と農家をつなぎたい」と、農薬や化学肥料を使わない地元農家の作物を弁当に採り入れたり、加工品を作ったりと、試行錯誤の毎日だ。軽トラックをベースに廃材を活用して自作したキッチンカーを使い、台湾料理「魯肉飯」やタイ料理「ガパオライス」「パッタイ」、ラーメンなどの販売も行っている。
休日のイベントに出店したり飲食イベントを主催したりする中で、企業からの依頼や地域からの声掛けが増えたという。店の情報はインスタグラム「@shibukawaman26」で発信している。
趣味は物件探し。「山付きの古民家を購入し、ゲストハウスをしながらイベントを開きたい。身も心も安心できる桃源郷のような居場所を作りたい」と夢を語る。