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沖縄移住Uターン者に洗いざらい聞いてみた。子育てにはオススメ!?「ココが良くて、ココがダメ?(糸満編)」

OKITIVE

糸満の海(満潮時)

沖縄本島の最南端に位置する糸満市。漁業の町として知られ、伝統文化を守り続けながら、昨今は商業施設も充実した街として注目を集めています。 今回は、広島県で4年間暮らした経験を持ち、現在は、妻と2歳のお子さんとともに糸満市で暮らすUさん(31歳)男性に、沖縄県への移住先としての糸満市の魅力を根掘り葉掘り聞いてみました。

糸満の海(干潮時)

県外と沖縄で生活するのとで大きな違い

いかにも沖縄!って感じる晴れた日のさとうきび畑

Uさん:沖縄移住をすることで一番大きいのは、やっぱり雪が降らないことですね。広島に4年間住んでいたんですけど、雪が降る地域だったので、交通の便など雪が降ったときの大変さをすごく感じていました。なので、雪がないことの「ありがたさ」と言うと失礼かもしれないんですけど、そこはやっぱり県外で暮らした後に沖縄に戻ってきたからこその実感です。 あと、沖縄は朝と夜での温度差があんまりないので、服装に関しては結構、楽に過ごせるんですよ。独身時代もそれは感じていたんですけど、子どもが生まれてからはなおさら思うようになりました。夜寝るときの温度管理とか、暖房・冷房の調整とかも、県外ほどは気を遣わなくて済んでいます。 広島では山間部に住んでいたので、日によっては北海道より気温が低くなることもあったんですよ。気温がマイナスに割り込む日もあるので、沖縄に一度住んでしまうと、僕はもう戻れない気がします(笑)。

居住先として、糸満市を選んだ理由

海人(うみんちゅ)の漁師町 糸満の旧正月やお祭りで見かける大漁旗

Uさん:実は糸満市は私の地元でもあるんですが、沖縄に戻ってきた当初は糸満市に住むつもりはありませんでした。でも、広島から戻った後、那覇市に住んでいても野菜や魚を買いに行ったり、公園に遊びに行ったり、キャンプしたり、水遊びしたりと、糸満市に行く機会がすごく多くて。 糸満市って確かに沖縄で暮らしながら子育てするのにすごくいい街だなって感じ始めて。ちょうどそんな時期に良い中古の戸建て住宅を見つけたんです。実家も糸満市にあるので、子どもの送り迎えの時間が合わなかったりしたときに親に頼みやすいということもあって、糸満市に住むことを決めました。

あと、自然の中で遊んだり、地域の人たちと交流したりといったことを子どもに経験してほしいなという思いがありました。街がほどよく狭くて、お互い顔見知りが多くて、そういう環境が子育てにいいなと思いました。

沖縄での休日の過ごし方

糸満市 西崎親水公園の巨大滑り台を子どもと一緒に

Uさん:糸満市には公園がいっぱいあるので、朝の暑くなりすぎない時間に子どもを連れて公園に行きます。めいっぱい遊んだ後、子どもが昼寝したら、イーアス沖縄(隣接する豊見城市豊崎にある大型商業施設)などに行って買い物をしています。 イーアスのようなショッピングモールが近くにできたのはすごく便利ですね。

イーアス沖縄豊崎
イーアス沖縄豊崎

あとは、糸満市に住んでみて、実は沖縄自動車道へアクセスしやすいことに最近気づきました。那覇市に住んでいたときよりも、むしろ本島の中部や北部に自動車道を使って行くことが増えました。 那覇市に住んでいたときは自動車道に乗るまでがすごく混雑していたんですけど、糸満市からだとサクッと乗れるんです。それで、名護市に泊まりに行ってみたり、子どもが遊べるところに行ったりすることが増えましたね。

仕事環境の面から見たときの糸満市

Uさん:糸満市の西崎という地域に工業地帯があり、市内には飲食店が多くあり、観光地も多い。南に行くと農業をされている人も多いです。一次産業から三次産業まで幅広くいろんな産業に糸満市民は従事している印象です。地元の同級生の場合、糸満市内で働いている人も多いですね。県外と比べると、給料の水準は高くないかもしれませんが、職業自体はいろんなジャンルがあるんじゃないかなと思います。 あと、沖縄全体の特徴だと思いますが、職業として、公務員の人気がすごいんですよね。僕の両親は二人とも5人兄弟で、親戚がどちらの家系にも20人ぐらいいるんですけど、半分以上が公務員なんです。田舎ほど公務員志向は強い気がします。

糸満市に移住してからの交通手段

Uさん:糸満市は皆さん、マイカーで通勤している人が多いですね。市内でも市外でも。僕は沖縄県では珍しいタイプで、家庭に車が1台しかなく、妻が那覇勤務なので、妻に車を使ってもらって、僕はバス通勤です。 バス通勤だと、最寄りのバス停から那覇バスターミナルまで50分ぐらい、そこから勤務先までプラス10分で所要時間は約1時間です。糸満市在住者だと、バス通勤は少数派だと思います。 周りを見ていると大人1人につき1台の車を持っている家庭が多いですね。そのせいか、糸満市内では駐車場不足が深刻で、住んでいるアパートの駐車場だけじゃ足りなくて、近所の空きスペースを借りて停めている家庭もあるんです。

沖縄県内でよく行く海はどこ?

潮崎ビーチの浅瀬で遊ぶ様子

Uさん:一番よく行くのは糸満市潮崎の潮崎ビーチっていう所です。人がいないことが多く独占状態のタイミングによく遭遇しています。潮崎ビーチはしっかり浅瀬で子どもと一緒でも心配が少なくて済みます。そこで子どもを遊ばせて、トイレで体を丸洗いして帰るみたいなのはよくやっています。 他には糸満市名城の北名城ビーチにもよく行きますね。北名城ビーチは管理されていないんですけど、野営ができるんです。車で乗り入れられるので、テントを張って、海を眺めてキャンプしています。 その北名城ビーチのすぐ近くにある、沖縄産海ぶどうの施設「海ん道」もすごくいいです。キャンプ場もカフェもビーチもあります。そこもすごく好きで、そこにも行っています。 海以外でも、西崎市民プールや親水公園があって、水遊びができます。そういう考えると、糸満市は水遊びの選択肢が多いかもしれないですね。

西崎レクリエーションプールの子ども用プール

湿気対策は必要ですか。

Uさん:あんまり対策してないかなと思っていましたが、考えてみたら結構やっていました。 湿気取り(除湿剤)は全ての押入れという押入れに入れていますし、除湿機も持っています。家では一部屋をファミリークローゼットのように使っていて、その部屋に除湿機を入れたり、ベッド・マットレスの下にはすのこを入れたりと言われてみれば、対策しているな、と。 以前、那覇に住んでいた時は、スーツにカビが生えたこともありましたね。クリーニングに出した後、ビニールを取り忘れていて、ビニール内が蒸れて、悲惨なことになった経験もありました。

沖縄県糸満市の家賃相場はどのくらい?

沖縄県糸満市潮崎

Uさん:地域差よりも、建物の築年数の差が大きい印象です。割と不便な地域でも、新しいアパートは家賃も比較的高いですし、利便性が高い地域でも古いアパートなら割安で住めます。 アパートならファミリー向けで7万〜8万円前後、独身だったら3万〜4万円では住める物件が結構多いと思います。アパートの家賃相場はそのぐらいの感覚ですね。 地域によって雰囲気が合う/合わないみたいなのがあるかもしれないので、安めのアパートを転々としてみて、気に入ったところに長く住むのがいいかもしれないですね。

生活費や水道光熱費、物価について

Uさん:外食に関して、沖縄は高いなと思っています。特にファミレスとかがすごく分かりやすくて、同じメニューなのに沖縄の方が県外より100円高いということがあったんです。沖縄に帰ってきてすぐのころ、広島でも良く行っていた全国チェーンのファミレスで、ランチメニューが県外より全部100円高く設定されていて、メニュー表を見たとき「うそーっ」って思ってしまいました。 ※U-ターン当時の記憶なので現在は異なる可能性があります。 水道、ガスとかはそこまであんまり気にならなくて、両方合わせて6000円ぐらいなんですけど、電気代は高くつきがちですね。さっき言った除湿機などを一日中付けていたら、めちゃくちゃお金かかります。 冷蔵庫とかも、沖縄って家族が多い家庭が多いので、1台じゃ足りなくて2台持っている家があります。うちも家族少ないのに2台あるんです。県外だったら冷蔵庫に入れなくても大丈夫なものも、カビ対策で冷蔵庫に入れることもよくあります。クーラーも各部屋に付いていて、夏の暑い時期は月の電気料金が2万〜3万円に達しますね。

買い物や外食で困ることはほぼない

Uさん:買い物に関しては、近くにマックスバリュもあればサンエーやかねひで(いずれも地元資本の大型スーパー)もあるので、買いたいものによって使い分けています。隣の豊見城市まで足を伸ばせば、ドン・キホーテもあります。 外食については、わが家は少し特殊な事情があって、子どもに卵アレルギーがあるので、大体のものが食べられないんですよ。糸満は個人店からチェーン店までいっぱいあるんですけど、個人店だとアレルギー表記が無いお店が多くて。行きたい個人のお店はたくさんあるんですけど、本気で行きたかったら電話して全部確認していくんです。 糸満市に住むようになってからはお店を開拓しつつあるので、どの沖縄そば屋さんは大丈夫とか、あそこのパン屋さんはアレルゲン不使用とかが分かってきて、大丈夫なお店には足しげく通っています。

糸満市「ここが最高〜!」3つのポイント

名城ハーレーの様子

Uさん:ひとつめには糸満市は伝統行事や文化が魅力的で、行事で言うと、糸満大綱引や糸満ハーレーが有名です。あと、お正月は暦通りの1月(新正月)には何もしなくて、旧暦の旧正月にお祝いするという風習が面白いなと思います。糸満市は漁師の町で、旧暦と漁師の生活はすごく結びついているので、そういう点に触れられるのは面白いと思います。

ふたつめは、お店が充実している点です。ショッピングモールも近くにありますし、那覇市に住んでいたころに行っていた飲食店はほぼ糸満市にもあるんです。 県外の人たちも、糸満市に来てみたら「知っているお店、たくさんある」って驚かれると思います。

地域の盆踊りで老若男女が楽しそう!

みっつめは地域がお互いに守り合っている町の温かさです。 糸満市は長く定住している人が多いんですよ。だから、地域の人がお互い顔見知りになりやすいし、子どもたちも放課後、友達の家に上がって遊んでいます。児童館にも子どもがいっぱい集まっていて、そういう風に地域で子育てしている感覚があるのはとてもいいなと思います。

正直「ここだけは改善してほしい〜」ポイント

Uさん:通勤時の那覇市に向かうルートの混雑はどうにか改善してほしいですね。 糸満から那覇市に入るためには交通量の多い沖縄南部では通勤時・帰宅時渋滞が発生しやすく、とくに雨の日は30分ぐらい余裕を持って行動する必要があたっりします。 また、旅行シーズン繁忙期の平日はとくに交通量が多いので移動に苦労します。

あとは…「長男の嫁負担」(※1)問題ですかね。。。糸満市と言えば「糸満の長男とは付き合うな」みたいな風評被害がまことしやかに言われていて(笑)。 昔ほどの負担はなくなってきているとは思うんですけど、県外から移住する女性の方はそういう慣習の名残が強い地域であることは一応知っておいた方がいいかもしれません。 (※1:「家を継ぎ、両親と同居」「位牌や墓の管理」「年中行事や催事の準備・実施」などを長男世帯が担う慣習があることから、長男にあたる男性と結婚する女性は負担が大きい、と言われてきた)

地元の人しか知らない糸満の穴場スポット

Uさん:糸満市役所の横に「シャボン玉石けん くくる糸満」という施設があって、お気に入りです。定期的に面白いイベントをやっているので、よく行きます。

絵本カフェにて友達家族とのんびり

「えほんCafe樹希」というカフェは絵本がたくさん並んでいて、ゆっくりコーヒーを飲みながら子どもと絵本をいっぱい読めるので、個人的にすごく気に入っています。

他の市町村の方にあまり知られていないスポットで、山巓毛(さんてぃんもー)の展望台もおすすめです。 糸満市糸満の糸満ロータリーのすぐ近くに青い展望台が見えます。その展望台の見晴らしが良くて、僕は子どもと一緒に行って、おにぎりを食べながら風に当たっています。心地よい時間の流れを感じられますよ。 

あとはおじさん向けになりますけど、糸満市西崎6丁目の居酒屋街が実は楽しいんです。居酒屋もスナックもカラオケもあって、しっかり飲めるお店がギュッと凝縮されているんです。「糸満飲みって意外と楽しいよ」っていうことが広まってくれるといいなって思っています。

沖縄(糸満市)への移住を検討している方に

道ジュネ―という旧盆の伝統行事 街中でエイサーが見られます

Uさん:県外の方がイメージする「沖縄らしさ」みたいなものは、糸満市は割と詰まっている町なんじゃないかなと思います。歴史、伝統、自然はすごくたくさんありますし。

那覇空港へ飛行機を見にお出かけ

加えて、アクセスも悪くないし、お店も施設もいっぱい揃っています。ちょうどいいバランスというか、沖縄っぽさと利便性を両立しながら暮らせる感じです。僕自身、糸満市に住んでからの方が週末が楽しみになりました。 特にファミリーが過ごすのにすごく最適な場所だと思います。ファミリーが多い地域って、ファミリーが暮らしやすいように街が変わっていっているというか。徐々に歩道が広くなるなどしていって、本当に住み心地がいいです。 地域の交流も結構あるので、ぜひ糸満市に住んでみて、ご近所さんとして、一緒に交流しながらいい街を作っていきませんか。 家族で沖縄移住を検討している方、田舎とは言えませんが、沖縄の歴史文化を含め、地元の人々と交流を楽しみたい方に糸満市を沖縄の移住先に検討してみてはいかがでしょうか?

川沿いをお散歩する息子

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