伊賀警察署だより 特殊詐欺被害の防止
副署長 中村哲也
伊賀警察署副署長の中村でございます。3月18日付で警察本部の組織犯罪対策課から転勤してまいりました。前任では、暴力団対策業務に従事しておりました。
伊賀署での勤務は初めてですが、伊賀市は古くから大和と伊勢を結ぶ要衝の地で、伊賀上野城を中心として栄えた歴史ある町であり、この地で勤務できることを大変光栄に思っております。
私からは、大きな社会問題となっている、特殊詐欺被害についてお話しします。県内の特殊詐欺被害は2022年中、142件、約3億7630万円であったところ、23年中は274件、約7億760万円とほぼ倍増し、認知件数、被害額ともに過去10年で最多となりました。
本年4月末で既に83件、約1億2880万円(数値は暫定)の被害を受けており、予断を許さない状況です。ある日突然、犯人から「利用料金が未納です」などと電話がかかり、不安をあおって現金をだまし取る「架空料金請求詐欺」が突出して多く発生しています。
また、犯人が市役所職員などになりすまし、「医療費の過払いがあります。還付金が受け取れます」などとうそをつき、ATMコーナーに誘導されて犯人から指示されるまま送金操作をさせられ、現金をだまし取られてしまう「還付金詐欺」も依然として多く発生しています。
特殊詐欺の被害者に高齢者が多いのは事実ですが、最近ではSNS型投資詐欺やロマンス詐欺などの新しい手口も急増しています。年齢に関係なく、投資で簡単に利益が出ると投資話を持ち掛けたり、被害者の方に恋愛感情を抱かせたりして多額の現金をだまし取る手口で、本年4月までに県内で96件、約9億1千万円の被害(数値は暫定)が出ています。
便利なアイテムであるスマートフォンなどの通信手段が悪用され、全く面識のないまま、多額の現金をだまし取られていますので、十分注意して頂きたいと思います。
最後になりますが、伊賀署は署員一丸となって安全で安心な伊賀のまちづくりに邁進する所存ですので、引き続き警察活動へのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。