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声優・結那アーティストプロジェクトLustQueen初のインタビュー、ベールに包まれた深い部分に迫る

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LustQueen

2024年4月1日に「ラブライブ!スーパースター!!」Liella!のメンバーとしても活躍する声優・結那が、アーティストプロジェクトLustQueenの始動を発表した。4月と6月にはライブハウスでの対バン形式のイベント出演、1st EP『LustQueen』のリリースと、アーティストとしての全容がベールに包まれた中、異例の動きを見せている。そんな中、9月と11月には初の主催イベントとして『Stairway to Queen』の開催を発表、ますますその存在に注目が集まるLustQueenの結那に、メディアとして初めてその深い部分に迫ってみた。

──今年4月1日にLustQueenが始動したことが発表されましたが、まず最初に結那さんからこのプロジェクトの成り立ちを説明していただけますか?

私がこれまで作り上げてきた結那のイメージの延長っていう感じではなく、いちアーティストとして、私がもともと好きだったガールズロックバンドのテイストを通して皆さんに思いを届けたいなっていうところから始まったのが、このLustQueenっていうプロジェクトなんです。振り返ると、私の人生ってめちゃめちゃストレートに歩んでますっていうよりは、いろんな挑戦や苦戦を繰り返すことが多くて、そんな中で音楽に助けられることがすごく多かったなと改めて感じていて。そういう日々を経てやっと出会えたのが、このLustQueenなんです。なので、ここまでいろんな場所で培ってきたもの、それはうれしさだけじゃなくて悔しさとかも含まれているんですが、そういった感情を改めてちゃんと表現したいですし、自分の奥底に眠っている熱さみたいなものも魂込めて歌いたいなっていう思いから始まっています。

──結那さんは音楽のみならず役者や声優など、ここまでさまざまな経験をしてきましたが、自分の気持ちをもっともストレートに表現できるのがロックだったんですね。

そうですね、間違いなく。この世の中とか言ったらちょっと大袈裟かもしれないですけど、今は周りを気にして自分が言いたいことを言葉にするのって勇気がいることだし、どちらかというと私もそういう感情を隠して生きてきたのかなって。。でも、歌でなら結構際どいことや攻めたことも言えるし、それを音楽で発することで誰かにとってはすごく響くこともある。LustQueenを始めてまだ数ヶ月ですけど、そういう経験を少しずつ得られていると実感しています。

LustQueen

──なるほど。にしても、LustQueenっていうユニット名はものすごく強く響きますよね。

スタッフさん含め、みんなでいろいろ話し合って決めたので、すごくいいなって純粋に思っていて。逆に、今はLustQueenっていう名に自分が合っているか不安すら覚え始めていて……、やっぱり自分ひとりじゃまだ弱いし。私は周りから自信があるタイプに見られがちなんですけど、実際にはそういうタイプじゃなくて、どちらかというとひとりで戦いに挑むことが苦手で怖いと思っちゃうんです。だからこそ、こういう名前を最初に付けておくことで、それに見合った人になりたい、カッコよくて強くて情熱を持った女性になりたいという意思が常に働くし、そうなれるように頑張ろうっていう決意表明にもなるから、すごくいい名前だと思っています。

──ステージに立つ際の鎧じゃないですけど、この名前に助けられていると。

ありますね。LustQueenとしてはまだ2回しかライブをしたことはないんですけど、この名前のおかげでステージに立つ前からちょっと強くいられるというか、そういう気持ちを作ってくれてる気がします。

──僕はここまでのライブを2回とも拝見させてもらいましたが、ステージに登場した瞬間から“女王”の風格が感じられました。そして、いざライブが始まると非常に情熱的で、激しいロックサウンドを通してご自身の思いをストレートに届けようとする。そのバランスも素敵だなと思いました。

ありがとうございます。音楽的には本当に自分が好きなものなので、いろんな感情をさらけ出しやすいんです。もともと疾走感のあるロックがすごく好きで、歪んだギターが鳴っていると無条件に興奮してしまいがちなので、好きなことを突き詰めて思いを伝えるほうが相手に届くかなと思うので、今後もそういう私の好きな音楽を続けていきたいなと思っています。

LustQueen

──実際、今回リリースされた1st EP『LustQueen』には前のめりでカッコいいロックチューンが揃っていますよね。

楽曲制作に関しても、私も最初からいろいろ意見を出させてもらいました。沢山楽曲デモも聴かせてもらいましたし、その中から曲に合った世界観だったり「こういうことを歌いたいです」みたいことを自分からも伝えて、それをプロの方々に具現化していただいたら、自分の好きなものが凝縮された1枚に仕上がりました。

──全体的に「抑圧された現状から飛び出したい」という意思が込められた歌詞が目立ちます。

私は過去にバンドをやっていた時期があったんですけど、その頃の自分はあまり意見を言わないタイプでした。その頃の私は、自分の考えを否定されるのが怖かったんです。だったら、言わないでおけば自分が傷つかないし、楽に生きられるのかなって、ちょっとだけ周りに流されていたところもあったんです。後悔していることもありますけど、その経験も今となってはすごく活きていて。過去の自分が鳥籠にとらわれた状態だとすると、今は失敗してもいいし傷ついてもいいから自分の殻を破って飛び出したいし、そうすることで自分の人生が鮮やかなものになると信じている。そういう今の想いを作家さんにお伝えして、全部歌詞に取り入れていただきました。

──そういう意味では、気持ちを込めて歌いやすいのでは?

本当に自分の等身大な楽曲ばかりで、めちゃめちゃ歌いやすいですし、いつも力が入っちゃいますね(笑)。

LustQueen

──ライブを拝見すると主人公を演じているというよりは、結那さんご自身の中から沸々と沸き上がるものをそのままステージ上で爆発させているんだろうな、爆発させやすいメッセージなんだろうなっていうのを観ていて感じました。

本当にそうですね。それこそ「Changing future」とか「Moonlight」とかは、まさにそんな楽曲で。「Moonlight」はあえて厳しい道を選ぶことで、その先に見える何かっていうのがめちゃめちゃ心に響いて。本当に自分の人生を歌っているかのような楽曲なので、すごく思い入れの強い楽曲です。

──レコーディングをした当時と比べると、ライブを2回経験したことでよりそれぞれの楽曲やメッセージも深く理解できた?

理解が深まりましたし、だからこそより「伝えたい」って思うようになりました。レコーディングの時ももちろん伝えたいって思いは強かったんですけど、やっぱり応援してくれる皆さんとすごく近い距離で歌を届けていくことで、「ちゃんと受け止めてるよ!」って気持ちがすごく伝わってくるから、それを糧にさらにここから頑張るんだ、ちゃんと一人ひとりの目を見て歌うんだって思えるようにもなりました。

──そこに「ReadySteadyGo!」みたいにコール&レスポンスが含まれた曲があると、お客さんの生の声をダイレクトに感じられますし。

最初のライブのときは、特に不安が大きかったんです。久しぶりのライブハウスだし、LustQueenとして初めてのステージだし、ボーカリストとしてひとりでステージに立つのも初めてだったので。もちろんサポートメンバーはすごく心強くて頼りがいのある方々ばかりだけど、自分が先頭に立って引っ張っていかなきゃみたいな気持ちもあったので、「どうしよう……」ってずっとステージ袖で……、それこそ“クイーン”っぽくない感じでそわそわしていたんですよ。でも、いざステージに出ていってみんなの声を聞いたら、私も負けてられないなと思ったし、その熱量を吸収して逆にもっとすごい熱を発したいと思えて、一気に不安がふっ飛んだんです。それくらい、みんなと声を一緒に出し合えるのが楽しかったので、もっとライブをやりたいって気持ちがどんどん強くなりました。

──その一方で、「カゲロウメモリー」のような、じっくり聴かせるバラードナンバーも用意されています。

ほかの楽曲は自分自身の内面を歌っているから、どちらかというと「私を見て!」みたいな感覚が強いんですけど、「カゲロウメモリー」に関しては私からも皆さんに向けて思いを届ける歌なので、そこがほかの4曲とは全然違いますよね。本当にファンの皆さんには感謝しかなくて、CD発売日も0時を過ぎた途端に「ありがとう!」とか「楽しみにしてたよ!」「待ってたよ!」っていうコメントがSNSを通じて届いて、それを目にしたら私も「次のライブ、もっと頑張らなくちゃ!」って気持ちになりましたし。そういう感謝の気持ちはSNSを通じても伝えられるんだけど、文字だけでは伝わらない想いっていうのもたくさんあるので、そこは歌を通じて届けられるんじゃないかなと信じているんです。なので、この曲をライブで披露するときはみんなのことを考えながら、強い想いを込めて歌っています。

LustQueen

──ライブは現時点では2回のみですが、その2回を通してそれぞれの楽曲がちゃんと育っていることも感じられましたよ。

ありがとうございます! でも楽しいだけじゃなくて、見えてきた反省点もちゃんと活かしていかないと次のステップには進めないと思っていますし、そういう成長過程も全部見てもらえるのがLustQueenというプロジェクトの魅力だと思うので、真の“クイーン”を目指して頑張っている姿をさらけ出しながら前進していけたらと思います。

──そういえば、これまでライブを行ってきた会場はそれぞれ、結那さんにとって思い出深い場所なんですよね。

そうなんです! 1回目の渋谷STARLOUNGEは、私が人生で初めて行ったライブハウスで。その頃はギターとベースが一緒に見えるくらい、まだバンドというものをよく知らなくて(笑)。そんな状態でも、音楽って楽しいなっていうことをそこで実感したんです。確か一番後ろで観ていて、恥ずかしくて手を挙げるとかできなかったんですけど、それでもボーカルの方がお客さんに向けて指をさす姿がカッコいいなと思って、ちょっと憧れを抱いたのがあの会場でした。いざステージ側に立って自分があのときと同じような状況にいることに気づいたときは、昔の自分が後ろのほうで観てくれているような感じがして、ちょっとジーンと来ました。

──2回目は渋谷eggmanでした。

私は高校生のときにeggmanのステージに立っていたので、6年ぶりだったんですよ。あのときはお客さんもあんなにいっぱいはいなくて空いていたので、ステージから観る景色は全然違っていました。実は当時のバンドを観に来てくれてた方も数名いらっしゃって、それに気づいたときは感慨深かったですし、最近新しく出会った方ともそうやって関係を作っていきたいので、やっぱりどんどん進化する自分を見せていきたいし、そうならなきゃいけないなと。応援してくれるみんなに恩返しすることが、私の使命のひとつだとも思っているので、そういう意味でも改めて忘れられない1日になりました。

──あの規模感だったからお客さん一人ひとりを目視できたし、結果的に正解でしたね。

本当に。でも、本番数日前にeggmanでのライブの夢を見たんですけど、私の出番の前にお客さんが誰もいなくなっちゃったんですよ(笑)。すごく切なかったので、それが正夢にならなくて良かったなと思いました。

LustQueen

──9月11日、11月13日には下北沢シャングリラで初の主催ライブ『LustQueen presents Stairway to Queen』が控えています。このライブでは何を見せたいと思っていますか?

今まではイベントに出演させていただく側だったので、何か頼れるものがあったと思うんです。だけど、改めてLustQueen主催となると背筋がピーンとなるというか。もちろん頼れる方は周りにもいっぱいいるけど、それよりもまず私自身が軸となるものを持っておかないといけないし、それが崩れるとライブ自体が崩れてしまうので、そこはちゃんしておきたいです。ゲストの方々から力をお借りしながらではあるんですけど、来ていただいた皆さんが楽しかったとか最高だったとか、観に来てよかったとか思ってもらえるライブにするのが一番大事なので、そうなるように試行錯誤して頑張りたいなと思っています。あと、これもたまたまなんですけど、会場の下北沢シャングリラは私も思い出がある会場でして。当時は下北沢GARDENという名前でしたけど、こちらに出演するのも6年ぶりになるので、また新しい思い出を描き加えられるよう楽しみたいです。

──このライブでは新曲披露の予定もあるそうですね。

はい。まだ制作途中ではあるんですけど、これまでより長い時間のライブになるので、何曲か用意しているところです。今までのLustQueenらしさを残しつつ、でもまた新たな違った一面も見せられるような楽曲ばかりで、すごく耳にも残るものばかり。まだお伝え出来ないことも多いのですが、ぜひ楽しみに待っていただければなと思います。

──曲がどんどん増えればライブの雰囲気も少しずつ変わっていきますし、見せ方のバリエーションが広がる。と同時に、既存曲もさらに成長していくことになるでしょうし、進化するLustQueenをお届けする絶好の機会にもなりますものね。

そうですね。今のLustQueenが持つイメージとか今後なりたいイメージはもちろんあるんですけれども、最終的には応援してくれる皆さんと一緒にいろんな経験をすることで、そこもどんどん変わっていくと思うんです。なので、その過程も一緒に楽しみながら、LustQueenを最高の形に作り上げていきたいです。あ、それと……新曲とはまた別に大きな報告もできそうで、早くそれを伝えたくてウズウズしているんですよ(笑)。LustQueenとして皆さんと一緒によろこべることも、これからどんどん増やしていきたいので、そこも楽しみに待っていてください。

──では、LustQueenとして掲げる大きな目標や夢となると、どういったものになりますか?

夢……めっちゃ大きいことを言います。武道館に立つことです! 私の周りにはファンの方だけじゃなくてスタッフさんを含め、いろいろ支えてくださる方がたくさんいるんですけど、武道館に立つことはそういう人たちに対する恩返しにもなると思っていて。もちろん、まず私自身が立ちたいといのは大前提としてありますけど、そういう皆さんの笑顔を見たいっていう意味でも立てたらいいなと。そのためにはまだまだまだ実力とかいろんなことが足りていないですし、今いる以上にたくさんのお客さんが必要になってくるから、いろんな人たちを取り込めるような存在にならなくちゃいけない。そのためにもまずは今一番身近に、一番目の前にいる人たちに向けて自分の思いを最大限に乗せて歌うことを大事にしていきたいです。有限実行するためにも一歩一歩、着実に進んでいきたいし、そのためにももっと頑張ろうと思っているところです。今回の『Stairway to Queen』っていうライブタイトルも、皆さんと階段を一歩一歩登っていく過程を一緒に共有したいという意味で付けたので、まずはその第一歩になるように頑張りたいと思います。

取材・文=西廣智一 撮影=大塚秀美

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