妊娠の仕組みについて知る!妊娠の流れとは?【12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育】
妊娠の仕組みについて知る
男性も女性も、体の中に赤ちゃんの「もと」を半分ずつもっています。男性の「精子」と、女性の「卵子」がそれです。精子は長さ0.05mmほど、太さは髪の毛1本ほど、おたまじゃくしのような形をしています。卵子は女性の卵巣という臓器にある細胞です。0・15mmほどの大きさ・髪の毛3本がぐらいの太さで、丸い形をしています。
女性には、尿道口と肛門の間に「腟」という赤ちゃんの通り道があります。膣は赤ちゃんの出口であると同時に、精子の入り口でもあります。男性は性器(ペニス)を使って膣の中に射精することで、精子を送り込みます。この行為を「性交」といいます。
精子が卵子まで届き、卵管の中で合体して正真正銘の赤ちゃんの「もと」になることを、「受精」、赤ちゃんの「もと」を「受精卵」といいます。
ちなみに、1回の射精で数千万から数億もの精子が出ていきますが、このなかで卵子まで辿り着き、受精卵になれるのはたったひとつの精子だけです。
受精卵はその後、細胞分裂をくり返しながら子宮へ移動し、赤ちゃんを育てる部屋である子宮内膜にたどりつきます(着床)。このタイミングが「妊娠」です。順調にいけばそこで約10ヵ月間成長し、再び腟を通って赤ちゃんとして生まれてくるのです。
なお、妊娠すると女性はまず、生理がこなくなります。「だるい」「吐き気がする」「ねむい」など、体調が悪くなる人もいます。これを「つわり」といいます。
月経のある女性と射精ができる男性が性交をすれば、小学生や中学生でも妊娠する可能性はおおいにあります。実際に、小学6年生で出産したという例もあります。
「セックスしたい」という思いが高まったときには、ちょっと考えてみて。自分や相手が妊娠した場合、子どもを育てることはできますか?そのためのお金や時間はありますか?赤ちゃんのお世話のために、勉強やスポーツなど好きなことに熱中できる時間がかなり減ってしまっても大丈夫ですか?
赤ちゃんが生まれることは、とてもすばらしいことです。生まれる前、精子が卵子に辿り着くということすら、奇跡のような確率でもあるのです。ただ、生まれた赤ちゃんがすくすくと育って大人になるまでには、たくさんの人の力と、お金と時間、自分自身の気持ちの強さが必要です。
まだ、自分のことを「子ども」だと思ううちは興味本位での性交はしないこと。一時の気持ちの高まりに流されず、本当に妊娠・出産をのぞんでいるのか、赤ちゃんを育てていく生活が本当に実現できるのかをしっかり考える必要があります。もし、「妊娠したかも」と感じる状況になったときは、すぐに信頼できる大人に相談しましょう。
妊娠するまでの流れ
赤ちゃんのもとになる精子膣から入った精子が卵子を目指して進む卵子に辿り着き受精卵になる子宮の中で10ヵ月育ち赤ちゃんとして生まれる
ONE POINT
【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子