中村勘九郎が初役で主人公・髪結新三を勤める『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』の特別ビジュアルが公開
2024年8月4日(日)より歌舞伎座にて開幕する『八月納涼歌舞伎』。第二部では『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう) 髪結新三(かみゆいしんざ)』が上演される。この度、公演に向けて特別ビジュアルが完成した。
『納涼歌舞伎』は、十八世中村勘三郎(当時 勘九郎)と十世坂東三津五郎(当時 八十助)らを中心に、平成2(1990)年から始まり、花形俳優が活躍する夏の風物詩として人気を博してきた。今年の『納涼歌舞伎』第二部にて上演の『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』は、中村勘九郎が初役で主人公・髪結新三を勤める舞台。
手練れた髪結の仕事から一転、悪の本性で魅せる髪結新三は、勘九郎の曾祖父にあたる名優・六世尾上菊五郎が当り役とし、その芸は六世菊五郎の娘婿で、勘九郎の祖父・十七世中村勘三郎へと継承された。そして十七世勘三郎から教えを受けた十八世勘三郎(当時 勘九郎)は、昭和63(1988)年4月に初めて新三の役を勤めるが、公演の最中に父・十七世勘三郎が他界。その後、十八世勘三郎は大切に上演を重ね、平成17(2005)年の十八代目中村勘三郎襲名披露興行や、平成24(2012)年の平成中村座ロングラン公演でも新三を勤め、好評を博した。十八世勘三郎最後の新三となった平成中村座公演に下剃勝奴役で出演し、父の間近で舞台を共にした勘九郎が、この度、父・十八世勘三郎らが立ち上げた『納涼歌舞伎』にて、中村屋が大切に受け継いできた髪結新三を初役で勤める。
勘九郎は公演に向け、「祖父(十七世中村勘三郎)、父(十八世勘三郎)ともに大事にしていた演目ですし、大好きな役。新三ができる役者になれて嬉しい」と喜びを明かし、「平成24年の平成中村座公演で、父が勤める新三の一番近くで勝奴を演じました。呼吸や間、息遣い、そして空気感を体験できたことが今となっては大きな財産。父の新三をもっと見たかったですし習いたかったという思いもありますが、叶わないからこそ色々と研究し、これから自分自身で見つけていかなければいけないと思います」と話した。