「黒色のプラスチック」から有毒の化学物質 最新の研究で判明
ものを燃えにくくする「難燃剤」が検出される
難燃剤(なんねんざい)とは、ものを燃えにくくさせる添加剤のこと。電化製品などに使われており、火災になるリスクを減らす一方で、ハロゲン、リンなどの有毒な成分を含む。
子どものおもちゃから、食品用持ち帰り容器、台所用品など、黒色のプラスチック製品について調べた最新の研究で、そんな難燃剤が検出された。しかも、含有量は危険といわれる水準で、多いものでは重量の3%にも相当する量が含まれていた。
黒いプラスチック製品には、食品用トレイや子どものおもちゃなどがある。また科学者が警鐘を鳴らしたのは、安全性への懸念から使用が禁止されている難燃剤も見つかったことだ。
難燃剤は、テレビ、スマートフォン、コンピューター、ゲーム機、タブレットなどの電化製品によく使われているという。だがこれらを使用後にリサイクルする工程で、今回の調査で判明したような安全性が懸念される難燃剤が付着したプラスチックがつくられた可能性があるそうだ。
また電化製品から難燃剤が空気中に放出され、ほこり、食べ物、水などに付着して、人間が摂取することも考えられるという。
黒いプラスチック製品があったらどうする?
この結果を受けて、科学者は「黒いプラスチック製の食品用容器やおもちゃなど、黒いプラスチック製品を購入しないことをすすめる」と述べている。
もし黒いプラスチック製の容器に食品が入れられていたら、その容器から別のセラミックやガラス製の皿に移しかえ、黒いプラスチック容器に入ったまま食品を電子レンジ等で加熱しないことも大切だ。
また、今回の研究では黒いプラスチック製品についてのみ調査が行われたため、黒以外の色のプラスチック製品についての影響は不明だ。だが、子どもが長時間手にしたり口に入れたりするおもちゃ、さらにキッチン用品などには、できるだけプラスチックフリーのものを選ぶのがいいだろう。
そして電化製品については、定期的に掃除機などを使ってほこりをはらうことで、難燃剤などの化学物質の汚染を防ぎやすくなる。これらに加えて、頻繁な手洗いと換気も有効であると、科学者は述べている。
私たちの健康に静かに影響を与えているプラスチック製品。自分自身と家族の安全のために、できるだけプラスチックフリーの生活を心がけたいものだ。
※参考
Black-colored plastic used for kitchen utensils and toys linked to banned toxic flame retardants|CNN