【愛川町】犯罪被害者の安心確保へ 条例と協定で支援充実
愛川町は、犯罪被害者等の権利利益の保護と被害の軽減・回復を図り、安心して暮らせる地域社会を実現するため、10月1日に「愛川町犯罪被害者等支援条例」を施行した。それに基づき9月30日、厚木警察署との間で「犯罪被害者等支援の連携協力に関する協定」を締結した。
協定締結式は、愛川町役場で実施され、小野澤豊町長と阿部勇・厚木警察署長が協定書に署名した。この協定は、条例に基づく支援を円滑に行うため、町と厚木警察署が被害状況などの情報を共有し、必要とされる支援を迅速に提供できる体制を整えることを目的としている。これにより、有事の際に警察と行政が連携し、犯罪被害者等への迅速かつ的確な支援を提供する体制が整った。
小野澤町長は、防犯カメラの増設や青パトでの啓発など、地域の安全・安心のための取り組みを進める中で、今回の協定締結に感謝しつつ、「犯罪被害者の方々にとって、さらに大きな安心につながっていくものと確信している」と話した。
阿部署長も「愛川町との協定締結を機に、可能な限り情報交換や共同施策を行い、町民の皆様が心穏やかに安全・安心を実感できるような社会にしていきたい」と、今後の連携強化への意欲を示した。
相談窓口を設置
1日に施行された「愛川町犯罪被害者等支援条例」は、犯罪被害者等の個人としての尊厳を重んじ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されることを基本理念としている。
支援は、町と関係機関等が相互に連携・協力し、犯罪被害者等が再び安心して暮らせるよう、途切れることなく行われることが定められた。特に、犯罪被害者等の名誉や日常生活を害する「二次被害」および「再被害」の防止について十分配慮することが強調されている。
町は、この基本理念に基づき、総合的な支援のための相談窓口を設置し、様々な施策を推進していく。具体的な支援内容として、犯罪被害による経済的負担の軽減を図るための見舞金の支給や、法律相談、心理相談を実施する。また、従前の住居に居住が困難となった場合の転居費用の助成、就労や勤務への配慮を事業者に促すための支援なども盛り込まれている。今後は意見や要望を把握し、施策に反映させていくとしている。