ALAN SHIRAHAMA クラブ&ダンスミュージックで世界デビュー「いつか日本人代表として戦える存在に」
白濱亜嵐さんが世界進出の夢を語りました。
GENERATIONSのリーダー、EXILEのパフォーマー、PKCZのDJ、そして、俳優と多彩な顔をもつ白濱さんが、ALAN SHIRAHAMAとしてソロデビューします。
12月8日に世界配信される1st DIGITAL EP「null」は、クラブ&ダンスミュージックを中心とした全6曲で構成。
EP制作にいたった経緯やDJとしての野望、さらに、12月半ばということで、クリスマスの思い出や年末の予定などを聞きました。
<ALAN SHIRAHAMA インタビュー>
――ソロEP「null」はどのような作品に仕上がりましたか?
普段、LDHやGENERATIONSの音楽を愛してくださる方たちは歌ありきで曲を聴いていると思いますが、「null」はクラブミュージックやダンスミュージックが中心。
ひとりのDJ、ひとりのプロデューサーとしてのデビューなので、これまでLDHの音楽を愛してくださった皆さんに新しい刺激を与えたいと思って、このEPを制作しました。
パフォーマーや俳優の活動をしながら、DJや楽曲制作を続けてきたので、一つの作品になったことがとても嬉しいです。
――特にこだわった部分について聞かせてください。
「Ultra Japan」などダンスミュージックのフェスがたくさんある中、自分がステージに立ったときのことをイメージし、「歌ものはぜひ入れたい」と思ったので、収録曲6曲の中に2曲の歌ものを入れたことが最大のこだわりです。
「Unstoppable」はコペンハーゲンのチームとリモートでやりとりして、遠隔で作業しながら作った曲。「gnite」は、LDHが主催したオーディション「iCON Z」でボーカルトレーナーをしているEmyliさんに制作を手伝っていただきつつ、その場でお願いして、歌唱もしていただいて完成した曲です。サウンドに負けないエッジの効いた声に“くらわされ”ました。
――なんといっても世界配信が話題ですね。
ダンスミュージックは、ヨーロッパへ行けば、日本でアイドルが流行っているのと同じように当たり前に存在しているけど、日本ではロックなどに比べるとまだまだマイナーな存在。
僕もクラブでDJをしながら「このスタイルは盛り上がりづらいだろうな」と感じることがありますが、それでも、続けることに意味があると思うんです。
DJを始めたときからスタイルは変わっていませんし、やりたい音楽をもっと突きつめたい、そして、僕がシーンを変えていかなきゃと強く感じたんです。
海外の大型フェスに出る日本人DJはそうそういませんし、そこの立ち位置になれたら。そして、世界中の人たちに僕の音楽が届いたらという願いを込めての世界配信です。
――「null」というタイトルについて聞かせてください。
「null」は、プログラミングなどの用語で「存在しない」「0ですらない」という意味です。僕は海外のレーベルから曲をリリースしたり、EXILEやGENERATIONSの曲を作ったりした経験はあるものの、ダンスミュージックシーンにおいてはまだ存在すらしていない。
また、GENERATIONSとして成功体験もしていますが、DJとしても新たな成功をつかみ取りたいという願いを抱えています。このEPを世に出すことでやっとスタートラインに立てたと思っているので、このタイトルに決めました。
パフォーマー、俳優、DJ…活動における顔の使い分け
――多くの顔をもつ白濱さんですが、それぞれどんな姿勢で取り組んでいますか?
GENERATIONSのときはリーダーであることを意識して、EXILEのときはこのグループに僕がどういう居方をしたらファンの皆さんが喜んでくださるのかを考えています。そして、PKCZでは、マイクを持つフロントマンとして、音と一緒に自分の声で盛り上げたいという思いでステージに立っています。
15歳から活動してきて、僕ならではの魅せ方も知っていますし、それなりに引き出しも増えたと思うので、そこはきっちり分けるようにしています。
――今夏は月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ)に出演しましたね。
俳優業に関しては、オファーをいただいたものに対し、「今、これはやったほうがいい」「いや、今の自分がやるべきことではない」と直感で判断して、出演を決めています。
今年の夏、実はものすごく忙しかったんですけど、反響も大きかったですし、出演してよかったと思っています。
俳優が自分で自分のキャラクターを作って演じるように、僕も音楽活動において自分をどう表現するのか、そこには俳優としての活動が生きてきますし、今回のEPもすべてセルフプロデュースなので、ある意味、楽曲の中の人物を演じているような心境で臨みました。
――いろんな活動をしていると、スケジュールもタイトになりますよね?
ライブがつまっていて自分の時間が確保できないときはやはりキツいですし、昼間はグループ活動やテレビ出演などがありますから、曲づくりとなると、基本、深夜にホテルの部屋で行うしかありません。常にPCやヘッドフォンなど作曲に必要な最低限の道具だけ持ち歩いて、自分のクリエイティブな時間にあてています。
自分の曲のように、世界中のDJたちに料理してほしい
――体力的、精神的にキツイいこともあると思いますが、モチベーションになっているものは何ですか?
シンプルなことですが、「やりたいから」という思いだけです。ダンスにしても、演技にしてもそう。自分がやりたくてやってきたものなので、続けることができています。
――「いつか世界のステージで日本人代表として戦える存在になりたい」と発言していますが、戦略は考えていますか?
とにかく楽曲を貯めていくしかないと思っています。僕を応援してくださるファン層と、ダンスミュージックや洋楽が好きな層とはまったく違うので、そういった皆さんにもしっかり刺さる楽曲を発信していきたい。そのためには自分の音楽で納得させていくしかないので真っ向勝負です。
――どんなシチュエーションでこの「null」を楽しんでいただきたいですか?
いろいろなパーティで流してもらえたら嬉しいです。僕がプレイするわけじゃなくても、東京のクラブだけでなく日本中、あわよくば、世界中のDJに、自分の曲であるかのように好きに料理してほしい。
僕が作った曲ではあるけれども、そのDJの手にかかれば「もうあなたの曲だよ」という心境。ドライブにも合うと思いますし、EXILE TRIBEの楽曲と比べて“音”っていう感じなので、盛り上がりたいときにぜひ聴いてほしいです。
教会で過ごした忘れられないクリスマスの思い出
――時期的な話も聞きたいのですが、白濱さんにとってクリスマスはどんな日ですか?
「もれなく働いてる日」ですね(笑)。子どものころは、愛媛の小さな教会に皆で料理を持ち寄って過ごしていました。うちはカトリックで、まわりにも外国の文化が当たり前に存在していたので、クリスマスがとても大事な日で。教会だから、サンタクロースも外国人のおじいちゃんですごくリアルなんですよ。楽しかった思い出がありますね。
――印象に残っているクリスマスプレゼントについて聞かせてください。
プレステ1の「ハリー・ポッター」のゲームが「欲しい、欲しい」ってずっと親におねだりしていたんですけど、ある日、教会のパーティで、サンタさんがまさかのそのゲームソフトをプレゼントしてくれたんです。
「サンタさん、何で僕の欲しいものを知ってるの!?」ってビックリしましたが、よくよく考えたら、うちの親が仕込んでいたらしくて(笑)。当時の僕はピュアな少年だったので、サンタさんからもらったと信じ込んでいました。
――今年のクリスマスの予定は?
おそらく仕事ですね。年末は特番が多く、メンバーと過ごす機会も多いので、「みんなで食事とか行けたらいいね」と話していて、もしかしたらGENERATIONS会になるかもしれません。
――2023年はどんな年でしたか?来年の抱負とあわせて聞かせてください。
GENERATIONSがデビュー10周年を迎えたので、グループで日本中を飛びまわった1年になりました。そして、2024年はグループとしても、僕個人としても叶えたい夢やチャレンジしたいことがたくさんあるので、成長できる1年にしたいです。
撮影:河井彩美