2025年6月の総括(万博)|青山吉能『みずいろPlace』#100
皆さんこんにちは、元気ですか?
わたしは元気です。
青山吉能です。
基本的にプライベートは鬼の無気力人間で、なににも興味が生まれないときがあります。フラット、凪、水平線。好きなものの好きだった理由すら分からないときだってあります。
ただ、帰宅に関してだけは最短距離最適効率を叩き出したいという情熱が毎日燃えたぎっている不思議な習性もあります。
別に自宅にこれといった魅力やセールスポイントがあるわけではありません。
寝室の照明はずっと無いままで真っ暗だし、完パケの斜塔がいつかわたしを飲み込んでガリレオがまた何か新発見を発表するのではなんていうわくわくした気持ちと、あーあ早く帰りたいなーという、毒にも薬にもならぬ気持ちがずっとぐるぐると輪廻しているだけの家。
より早く帰られるものならと競歩しては案内アプリを超越した乗り換えをこなし、最寄駅にすら辿り着いていないのに家の鍵なんか握りしめちゃったりして、ぬるりと滑り込みながら玄関に駆け込んで、ああなんだか達成感。あのとき任せてもらえようもなかったアンカーを走り切った気分。
「休みに予定がない」ことって寂しいね、よりもどこか安心しちゃう心持ちなほど消極的に全力投球なわたし、で!し!た!が!
“”終電まで万博“”
アゲ↑
やってきちゃいました。
先日、大阪・関西万博へ行ってまいりました。
お友達の田中美海ちゃんがどうやらこの日に万博に行くらしいと聞いて、なんかなんかなんとなーくあたしもついて行こかな〜の灯火がポ。この灯火を逃すとなんかなんかなんとなーくあかん気がしてメッセージピョコ。
今思えば、なんだこの図々しい誘いはと驚愕です。みにゃは計画絶対完璧人間だから、きっとすでに色々旅程を立てていただろうし、ひとりで回った方が変な気を遣わずに好きな国のパビリオンを楽しめたり行きたいこと食べたいものの自由がきいたよなとか、そもそもついてくわー!⭐︎←これ無遠慮すぎ親しき仲にもうんちゃらやなんですケロ とか色々考えてました。送信後に。
だけど、だけどみにゃは「なぬ。うれぴい」と即レスし、当たり前かのように工程にわたしを組み込んでくれて、それぞれのお仕事先の方にばらばらに手配していただいてた新幹線の座席も機転をきかせて隣同士になるよう工夫してくれたりも。
ありがとう、みにゃ・・・。
当日。
2ヶ月前抽選からしっかり参加してきっと楽しんでいるであろうみにゃを夢洲に感じながらイベントを終えて電車に乗り込みます。すでに電車内は万博行きのうきうきに満ちているように見えて、その他人一味に自分が混ざり込んでいることにもわくわくします。
思えば、大阪の街をひとりで電車に乗る機会って今までなかったかもしれません。いつも誰かの背中を追って歩いてばかりでその歩みに責任感などなく、いまは己の一歩一歩が未踏の地を切り拓いていくのだという成長と覚悟すら感じられます。
そして14時ごろ到着し合流。日傘にハンディファン完備、大きな荷物は配送済のみにゃ、前乗りちゃやまちそのまま駆けつけデカ荷物よぴ。歴然の差です、これが田中美海なのです。
まず初めに、行ったことのない国たちのブースが立ち並ぶ共同館(コモンズ)というところに向かいました。この身朽ちるまで生き続けるつもりですが、多分この世に存在する全ての国に足を運ぶことは不可能に近いよね、という理由からです。
あらゆる国の民芸品や特産品、伝統的な衣装たちがずら〜〜っと並んでいます。
特に好きなお衣装。「よぴちゃん好きそうね」という美海に、にやり、韻刻み。
そしてさまざまな楽器試奏ブースもありました。おおよそが打楽器で、特に楽しかったのはトリニダード・トバゴ館のスティールパン。どこをどう叩いても何故だか不穏な音が鳴り、わたしたちの後ろに並んでいた子供が鬼を見るような顔でこちらを見つめていました。
そのあとはなにか腹を満たすかと彷徨い歩きますが、レストランは当然のように満席です。キッチンカーもそのほとんどが1時間待ちで、もう、わたしが無計画なばかりに、ごめん・・・と思いながらふらふら歩き、ふと見つめた先にあれ「食堂」の文字が。
おい!食堂!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チェバピ・・・?ピタ・・・?プロヤ・・・ヴァニリツェ・・・・・・???
分からん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うんめー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!にゃー
そりゃあこの顔にもなりますわ。
本当に何を食べても美味しくて、知らないカタカナに怯えていた自分たちのことを一瞬で大気圏まで飛ばすことができました。
ありがとう、セルビア・・・。
敬意を表して、食後はセルビア館の方に並びます。約1時間ほどでしょうか、みにゃと話していると本当にあっという間です。待ち時間、なぜかそれぞれがバチェラーと板東さんを演じていて、女性参加者0人なので誰にも薔薇を渡せず番組としては壊滅的な展開でした。
いざ入場すると、愉快でユニークな展示がわたしたちを出迎えてくれます。
テーマは「Society of Play(遊びの社会)」。セルビアの歴史や文化の歩みを、ひとつのビー玉に託して行く先々を照らして回る仕掛けや、自分だけのマスコットキャラクターをメイキングできるところも!
わたしは偶然を装って黄色と水色の髪色の子を選びました。たまたまね、うっかりですよ。
なんと2027年に、セルビアの首都ベオグラードで万博が開催されるそうです。カウントダウンの数字の大きさにたまげながらも、2年後の自分は一体何をしているんだろうと、凪のその先を初めて思い描いてしまいました。
この大阪万博も、きっとみにゃが行っていなければ蚊帳の外にいたと思います。それで全く構わなかったし、きっと何の問題もなくわたしの人生は続いていたでしょう。
しかし、一瞬だけ生まれた小さな灯火が、わたしを全く知らない世界に連れ出してくれて、さまざまな感情に出会わせてくれるのです。
こんなに素敵なことってありません。これまでの出会いにも、これから起こりうる事象にも、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
なので感謝のビール。
大屋根リングに登り、薄浅葱色をした空を眺め、なまあたたかい潮風に吹かれながらいただきます。
アー
ありがとう、ベルギー・・・。
そのあとは大急ぎでお土産を買って、ミャクミャク様の圧を五感すべてで感じながら帰路につきました。これまでミャクミャクのミの字も興味がなかったのに、たった数時間あの空間に居ただけなのに、いま大トリコ。売り切れで買えなかったあらゆるミャクミャク様に想いを馳せながらいまも生きています。
帰りの新幹線も一睡もせずひとときも間を空けず語り尽くしていました。しかし、緑一色の窓辺がだんだんとネオンに包まれるほどに、足が棒を超えるほど遊び尽くした充足感と、これからあの虚無虚無タウンに帰るのかという寂寥感がぼとぼととわたしを襲います。
重い荷物と腰を上げ、えいやと新幹線を降ります。降りた途端ああああいつもの競歩競歩競歩競歩!そうだ!わたしってばそう簡単には変わりません!虚無部屋!?結構結構!真っ暗な寝室にもわたしという太陽が帰れば照明なんてなくてもそれでよいということ!
いまのわたしにはかけがえのない経験とお土産がありますからね。次の日の筋肉痛すらも、大阪からもらった思い出のかけらと言えるでしょう。
本当に本当に楽しい時間でした。改めてみにゃ本当にありがとう!
皆さんもよかったら万博行ってみてください。10/13(月)までの開催ですよ。わたしはあと3回は行きたいです。だって、ほら、フィンランドとか、ねえ。
それではこの辺りで終わります。
そういえばついに今回が第100回更新でした。ちょうど5年前に始まったみずいろPlaceもこんなに続けられるなんて当時は考えてもいなかったでしょう。未来のことを考えるのは昔から苦手でしたから。
でも、未来は明るいのかもしれないといまは少しだけ思えています。行動するって大事だ!
ありがとう、万博・・・。
さようなら。
青山吉能
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編集担当:川野優希