なでしこリーグ1部の静岡SSUボニータに米国帰りの即戦力ボランチ万力安純が加入!「シュートの威力だけはあります。空手をしていたからかも」
サッカー女子プレナスなでしこリーグ1部が8月30日、2カ月ぶりに再開しました。静岡SSUボニータはアウェーでASハリマアルビオンに0−1と敗れましたが、磐田市のヤマハスタジアムで行われる次節9月7日の岡山湯郷Belle戦、続く9月14日の愛媛FCレディース戦とホーム連戦で巻き返しを狙います。
ボニータは現在勝ち点26で3位。残り6試合で首位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋との勝ち点差は10、2位の伊賀FCくノ一三重とは勝ち点差5。一方で4位ヴィアマテラス宮崎と勝ち点で並び、5位ASハリマアルビオンには勝ち点差1と迫られています。
本田美登里監督「かつてない成績で終わりたい」
-2カ月の中断期間はどのような調整をしていましたか。
練習試合は(朝日インテック・ラブリッジ)名古屋とホーム&アウェーの形でやらせてもらって、あとは2部のふじざくらとか、VONDS市原などとやりました。名古屋は最初のアウェーが1−2で負けて、こっち(ホーム)は1−1。
リーグが中断する前の14節、15節のところで得点が取れないという、ウチとしてはちょっと、うんっ?ていう、常に点を取っているチームだったので、それが横山のけがも含めてだんだんと。
なので中断期間のところでもう1回、得点を取るというところ、バイタルエリアを崩したいなという、その組み合わせをいろいろと試しながらというところの2カ月になりました。
-改善の手応えはいかがですか。
シュートでは終われるようにはなっているので、あとは個々のシュートのクオリティーを。自分自身の練習は比較的ボールを動かす練習が多くなってしまって、シュート練習というのがないので、そこはもう個人で、自主トレでやってもらうしかなくて。なのでそこのところが最後ちょっと気になるところではあります。
-現在は3位につけています。
優勝できるチームではないと思っていますけど、ただ注目をしてもらうためにも、ボニータの今までかつてない成績で終わりたいなと思うので、できれば上位入賞で終われたらいいなと思っています。
-中断期間中の補強で万力安純選手が加入しました。
非常に大きな戦力で、即戦力です。アメリカ(クレイトン大)から帰ってきた選手で、パワフルだし、サッカーIQも低くない(笑)
ちょうどウチの中で、本当にへその部分だったので、いろいろな他の選手が補強できない中では非常に大きな補強になりました。(ポジションは)ダブルボランチの一枚です。本人は謙遜して、「いやいやそんなまだまだ」と言っていますけど、でもパワフルだし、見えるものが多いので、彼女からの(FW陣の)横山(久美選手)とか、佑津季(土屋選手)へのパスもこの期間は多かったので、それをちょっと期待しています。
-ホームページの得意なプレーの項目で「力強いシュート」と記しています。
アメリカでやっていたので、中盤を使わないアメリカサッカーだったので、それはまだ残っているみたいです。ただ短いパスとかキラーパスも出せる選手なので、非常に後半戦は楽しみにはしています。
我々のところに最初に練習に来てくれて、その後関東のチームとか、どこかにも行く予定だったんですよ。本人がここで2日間やって、「もう横浜行くの面倒くさいな」、「お金もかかるし」、「ここで、ここでいいよ」って言ったら、関東のチームの人と会ったときに「彼女すごいいい選手で、映像も見てて、ぜひ獲得しようと思っていたんですよ」と。うちが最初(の練習参加)で良かったっていうぐらい。高島(絢音選手)が同じ広島でというので来たんですけど、非常にラッキーでした。
DF塩沢優主将「万力選手、新しい味を出してくれる」
-中断期間中のチームの状態などは。
数々の練習試合をこなしてきて、いろいろうまくいくことだったり、いかないことだったりというのがたくさん見えた中で、全員が高い意識を持ってやれていたとは思います。
-今季は序盤、高い攻撃力を生かして首位を走っていた中で、中断前の2試合は無得点で敗れるなど失速しました。
攻撃のところはよく監督も言っているのは、バイタルを崩し切れないところ。そういうバイタルを崩したいというのがウチのチームでもあるんですけど、それがまだ完全に形になりきれていない。形になっているところももちろんあるんですけど、なりきれてない部分だったりとか。守備は基本のところの連係だったりとか、あとは対人の力だったりとか、そういうところに課題はあると思っています。
-残り試合に向けての意気込みは。
この順位で前期折り返すのも、ボニータ史上初めてのことなので、ここにいるからにはやっぱり上を目指していきたいし、たくさんの方に期待をしてもらっていると思うので、一番いいところに最終的にいられるように、それで最後みんなが笑顔で終われるようにしたいと思います。
-新加入の万力選手について。
早くチームになじんでくれている選手だと思いますし、海外でやっていたこともあるので、その強さだったりとかは光っているものがあると思います。守備のところだけじゃなくて、攻撃でも光るものがたくさんある選手なので、新しい味を出してくれると思っています。
-ご自身の抱負を。
中断中にいろいろなところを挑戦していて、自分の中でもチャレンジですけど。挑戦してはいるんですけど、どこになるかはまだわからないので、私自身はどこでも行けるようにはします。いろいろなところができるような選手になるというのも監督から直接言ってもらっているので、それが少しでもチームの力になれればと思っています。
MF万力安純「英語はそこそこ」
-ボニータに加入した経緯は。
7月の終わりに合流しました。自分はアメリカの大学に行っていて、卒業が5月で、チームに広島時代からの知り合いの高島絢音がいて、「練習参加できんかねぇ」って聞いて、「いいよ」ってなって、練習参加しました。楽しかったので。
-どちらの大学を卒業しましたか。
クレイトン大学です。ネブラスカ州オマハ市にあります。
-それまではどのチームに所属していましたか。
中高はアンジュビオレで、高校(山陽女学院)を卒業してディアヴォロッソ広島に1年ちょっといて、アメリカの大学に行きました。コロナがあって1年くらい行けずに、2021年8月に入学しました。
-米国に行こうと思った理由は。
お母さんに大学に行けって言われて、自分は行きたくなくて、でもアメリカに旅行に行ってみたくて、普通にでは行けないじゃないですか。なのでアメリカの大学に行きました。勢いでしたね。
-4年間で学んだことなどは。
環境がよかったですね。どこも天然か人工芝があって、室内トレーニング場もあって、あとはスポンサーが付いていて、ナイキがチームのスポンサーだったから、ナイキから全部支給されていました。
アメフトがあればもっと環境はよくなるんですけど。アメフトがあればお金を稼げるからちょっと回ってくるけど、ないとサッカー部だけで頑張るか、学校で頑張るしかないです。
-英語は完璧に習得されましたか。
いやいや、そこそこぐらいです。コミュニケーションは取れました。1年目は同じサッカー部に日本人の4年生がいました。
-キック力が特長という触れ込みです。
シュートの威力だけはあります。空手をしていたからかもしれません。小学1年から6年までやって、初段でやめました。
-ポジションは。
ボランチです。ミドルシュートとか、できればいいかな。(ボニータに来てから練習試合で)ゴールはないです。アシストはしました。
-チームにどのように貢献していきたいですか。
点を決めるところは決めて、あとはたくさんチャンスメイクできればいいかなと思っています。