ソディック社 2製品が「未来技術遺産」に 開発の形彫り放電加工機
大手工作機械メーカーの株式会社ソディック(本社・仲町台3の12の1/古川健一代表取締役)が開発した「形彫り放電加工機」2機種が今年度、「未来技術遺産」として登録された。
プレステ2、シンセも
「未来技術遺産」は、独立行政法人国立科学博物館が2008年度から毎年登録している。正式名称は重要科学技術史資料。日本の科学技術史の中で技術の発達や次世代に継承していく上で、重要な成果や意義のあるもの、日々の生活や社会、文化の在り方に影響を与えたものを選定し、登録している。
今年度が17回目で、新たに18件が登録された。これまでに登録された資料は381件に上る。
今回登録された中には、同社の2製品の他、世界初のDVD再生機能搭載家庭用ゲーム機として「プレイステーション2」や電子楽器の演奏データを機器間で転送・共有するための共通規格MIDIを搭載したシンセサイザーなども登録されている。
ものづくり日本の象徴
登録を受けたのは、同社が開発した日本初の実用形彫り放電加工機「JapaxtronD3」=写真上=と、現存最古級のマイコンNC搭載形彫り放電加工機「22―NC8000」=写真下=の2製品。
形彫り放電加工機とは、放電により非接触で金属の加工を行う機械のこと。精密加工に適しており、金型の加工などに使用され、日本のものづくりを支えてきた。
「JapaxtronD3」は、1954年に日本放電加工研究所(現ソディック)が独自の発想で開発した製品。日本の形彫放電加工機の歴史を開いた実用機として重要との理由で登録された。
「22―NC8000」は、76年に同社が株式会社牧野フライス製作所と共同開発した製品。マイクロコンピュータによる数値制御で、より複雑で精密な加工が可能となった製品で、現存する最古級ということから登録となった。
博物館で観覧可能
国立科学博物館=東京都台東区上野公園7の20=では、登録を記念したパネル展を9月29日(日)まで同館の日本館1階中央ホールで開催している。通常入館料は一般・大学生が630円。高校生以下、65歳以上は無料。17日(火)、24日(火)は休館。
なお同社の2製品の実機は、日本工業大学工業技術博物館=埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4の1=にのみ所蔵されている。同館の入場は無料。問合せは【電話】0480・33・7545。