Yahoo! JAPAN

震災復興…その先へ 小野共市長が初登庁 目指すは「力強い釜石」 16年ぶりリーダー交代

かまいし情報ポータルサイト〜縁とらんす


 11月12日投開票の釜石市長選で初当選した小野共氏(54)が20日、初登庁した。市政運営のスタートにあたり、職員を前に訓示。「釜石のためになると思うことを自由に思い切ってやってほしい。力強いまちを目指して市民と一致団結し、一直線に進んでいこう」と呼びかけた。

 小野氏は午前9時ごろ、職員らが迎えるなか登庁。拍手や花束を受けて本庁舎に入った。市長室のいすに座り、心境を尋ねられると、「市民の大きな負託にこたえる責任の重さが体の中から湧き上がる。身の引き締まる思い」と姿勢を正した。

市長室の執務机のいすに座った小野市長


 訓示は市役所議場で幹部職員ら約40人を前に行われた。東日本大震災後、これまでの12年間は復興事業の推進が行政の役割だったとした上で、「この先は自治体間の競争がし烈を極める。勝ち抜くための取り組みが必要だ」と指摘。さまざまな重圧の中で震災復興というまちづくりを進めた経験を持つ市職員らの力を高く評価し、「首長の役割は責任を取ること。細かいことは言わない。子どもや孫に最高の釜石を残すという自覚とプライドを持って仕事に臨んでほしい」と求めた。

市役所議場で幹部職員を前に初めての訓示


 4期16年務めた前市長の任期満了に伴う市長選は5日告示され、小野氏は新人同士の一騎打ちを制して初当選を果たした。掲げた公約は▽地域医療の充実▽産業振興▽子育て支援▽教育の充実―の4つ。「各部署、幹部の声を聞きながら慎重に進めたい」とした。選挙戦となったのは20年ぶりだが、投票率は52.01%と過去最低だった。

 小野氏は釜石・唐丹町出身で、米サフォーク大学院修了。商社勤務などを経て2007年に釜石市議に初当選した。1期目途中の10年に県議補選で初当選し、連続4期。21~23年には副議長を務めた。市長の任期は18日から4年間。

おすすめの記事