【秋のお出かけ情報】大人の美術館巡り②(上野公園界隈)
「上野公園」は正式名称は「上野恩賜公園」であるが、通称「上野の山」と呼ばれ、自然豊かな都会のオアシスとして親しまれている。広大な敷地には、美術館や博物館、動物園など文化施設が点在している。世界でもパリやアメリカのスミソニアンのように美術館が多い都市は数多あるが、ごく狭い範囲に方向性の違う施設が集まっている上野は世界的にみても稀だ。
国立科学博物館 特別展「氷河期展 ~人類が見た4万年前の世界~」 10月13日(月・祝)まで
現代よりもはるかに寒冷だった4万年前の氷河期は、人類やマンモスなどの巨大な動物たちが共に生きていた時代だ。その中には絶滅したものもいれば、生き残ったものもいる。本展では、この時代を生きた動物たちや人類について解説し、その命運を分けた氷河期の謎に迫る。氷河期を生きたネアンデルタール人とクロマニョン人(ホモ・サピエンス)その実物の頭骨が日本初上陸。氷河期を生きた巨大動物の大きさを体感できるまたとない企画展。閉幕間近、見逃せない!
【住所】東京都台東区上野公園7-20
【開館時間】10月10日(金)~13日(月・祝)は、9:00~19:00
【HP】https://hyogakiten.jp/
東京都美術館 「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」12月21日(日)まで
世界中で愛されるゴッホの生涯と作品の陰には、彼の死後、作品と業績を守り続けた家族の尽力あった。これまで多くのゴッホ展が開催されてきたが、本展はファミリー・コレクションに焦点をあてた展覧会。ゴッホの作品は、弟のテオが保管していたが、テオも兄の死後半年で後を追う。それを引き継い継いだのが妻のヨーと息子のウィレムだった。ウィレムはコレクションの散在を防ぐため財団を設立し、美術館の設立に尽力する。ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ゴッホが収集した他の画家の作品や日本公開初となるファン・ゴッホの貴重な手紙4通も展示される。
【住所】東京都台東区上野公園8-36
【開館時間】9:30~17:30 金曜は20:00まで
*土日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制。
【休室日】月曜、10月14日(火)、 11月4日(火)、 11月25日(火)
※10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)、11月24日(月・休)は開室
【HP】https://www.tobikan.jp/
東京国立博物館 本館特別5室 特別展「運慶 祈りの空間─興福寺北円堂」 11月30日(日)まで
運慶の仏像が安置される空間をそのまま伝える貴重な例である興福寺北円堂は通常非公開であるが、修理完成を記念して弥勒如来坐像が約 60 年ぶりの寺外公開となる。本展は、弥勒如来坐像、無著・世親菩薩立像に加えて、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王立像を合わせた7軀の国宝仏を一堂に展示し、鎌倉復興当時の北円堂内陣の再現を試みる貴重な展覧会である。国宝7軀のみで構成された至高の空間を堪能したい。
【住所】東京都台東区上野公園1-3-9
【開館時間】9:30~17:00
【休館日】10月14日(火)、20日(月)、27日(月)、11月4日(火)、10日(月)、17日(月)、25日(火)
【公式サイト】:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/unkei2025
上野の森美術館 「正倉院 THE SHOW―感じる。いま、ここにある奇跡―」11月9日(日)まで
宮内庁正倉院事務所監修のもと、巨大スクリーンに映し出される超高精細映像と、1300年前の正倉院宝物の姿を再現する「再現模造」を組み合わせた展示により、宝物の美に包まれることだろう。また、史上初の再現展示となる織田信長らが熱望した幻の名香「蘭奢待(らんじゃたい)」の香りや、「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」といった宝物の実物を奏でた音色などを通じ、正倉院が紡いだ1300年の奇跡を全身で体感できる展覧会である。
【住所】東京都台東区上野公園1-2
【開館時間】10:00~17:00
【休館日】会期中無休
【公式サイト】:https://shosoin-the-show.jp/tokyo/
東京藝術大学大学美術館 「藝大コレクション展2025 名品リミックス!」 11月3日(月・祝)まで
東京藝術大学は、その前身の東京美術学校の開校前から135年以上にわたり、学生の学びに役立つものを古今東西を問わず収集するという方針のもと作品や資料の収集を進めてきた。そのなかには、歴代の教員や学生の作品、教材なども数多く含まれており、現在では約3万件を超える充実したコレクションとなっている。
「藝大コレクション展2025」では、《絵因果経》や《小野雪見御幸絵巻》、尾形光琳《槙楓図屏風》などの古画の名品をはじめ、橋本雅邦《白雲紅樹》、令和5年度に修復を終えた高橋由一《花魁》などの近代美術の代表作、彫刻家・平櫛田中(1872−1979)が学生教育のために蒐集した「平櫛田中コレクション」、退任する教員が今後の教育・研究への貢献を願って寄贈した作品、そして収蔵後、初公開の令和の新コレクションが紹介される。
【住所】東京都台東区上野公園
【開館時間】10:00~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】:月曜日、10月14日(火)
※ただし、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)は開館
【東京藝術大学大学美術館 公式サイト】 https://museum.geidai.ac.jp
予告
国立西洋美術館 「オルセー美術館所蔵 印象派─室内をめぐる物語」 10月25日(土)~2026年2月15日(日)
印象派というと、戸外の景色を描いた作品が思い浮かぶが、本展では「室内」をテーマにした印象派のもうひとつの魅力が紹介される。マネ、ドガ、モネ、ルノワール、セザンヌらの優品が勢ぞろいする。特筆したいのは、ドガの代表作で室内にひそむ家族のドラマを描いた《家族の肖像(ベレッリ家)》が初来日する。あわせて、国立西洋美術館やフランス・シヴェルニーの印象派美術館のほか、国内外に所蔵される重要作品も一堂に展示される。
【住所】東京都台東区上野公園7-7
【開館時間】9:30~17:70(金・土曜は20:00まで)
【休館日】月曜、11月4日[火]、11月25日[火]、12月28日[日]-2026年1月1日[木]、1月13日[火] (ただし、11月3日[月・祝]、11月24日[月・休]、1月12日[月・祝]、2月9日[月]は開館)
【公式サイト】:https://www.orsay2025.jp