県民から見た、現在の新潟のお米事情 / 親戚の田んぼが水不足になっていて「マズいのでは」と思っていたけど…
日本人の魂、お米。今までは当たり前のように食べられるものだと思っていたけれど……昨年から頻繁に値上がりのニュースを聞くようになった。
スーパーからお米が軒並みなくなっている光景なんて、生まれて初めて見たような気がする。
昨シーズンは備蓄米が出回ったことでなんとか乗り切ったけれど、今年はいったいどうなるのか気になっている方も多いかと思う。
そこで本記事では、米どころである新潟県に住んでいる筆者から見た2025年10月29日時点でのお米事情を3つの項目に分けてご紹介させていただこうと思う。
・その1 スーパーのお米の値段
聞いた話によると都内でのお米の値段は現在、5キロで4300円~4500円ほどが相場だとか。た、高い……!
あまりにも価格が高騰しすぎて、自治体から補助券が出ている地域もあるようだ。こんなのサポートがないと買えないよ……
筆者の家では農家をしている親戚から直接お米を買い取らせてもらっているため、最近はスーパーをチェックしていなかったのだが……やっぱり新潟でも同じような値段なんだろうか。
ということで、ドキドキしながらスーパーを3店舗周って5キロのお米の値段を調べてみた。
結果としては、いちばん安い「一稲米」という商品で税込み3974円、いちばん高い「特別栽培南魚沼産コシヒカリ」で税込み6350円だった。
都内の平均価格と比べると多少は安いかもしれないけれど、それでも数年前と比べるとかなり高級品になっている。南魚沼産コシヒカリなんて、よほどのセレブじゃないと手が出せないんじゃ……?
なお、こちらの値段はあくまでも筆者が住んでいる場所周辺での値段だ。新潟県内でも地域によっては値段が違っているかもしれないので、その点はご了承いただきたい。
・その2 生産量を聞いてみた
続いて、農家をしている親戚に今年のお米の収穫量を聞いてみた。
以前連載していた「日々限界集落」でも描いたとおり、筆者たちが住んでいる地域ではこの夏本っっっっ当に雨が降らなかった。
あまりにも山すぎて水源を雨水や雪解け水に頼っているため、必要な時期に雨が降らないのは死活問題。
家の水を毎日田んぼまで運んだりして何とか被害を抑えようとしていたようだが、それでもやっぱり稲にダメージは入ってしまったらしい。
親戚の田んぼでは1反あたりの収穫量が約10%ほど減ってしまい、村全体の収穫量も10%~20%ほど減ってしまったそうだ。
しかし、水が確保できた他の地域では豊作になっている場所もあるもよう。
2025年10月10日に農林水産省から発表された「作況単収指数」というお米の収穫量を予想した数値によると、新潟県全体の収穫量は「過去3年の平均よりちょっと多い」ようだ。
目の前で稲が枯れていくのを見てきたので「今年もヤバいのでは」と思っていたのだが、この数字を見てちょっと安心した。
・その3 県内のイベントを見て
今シーズンの収穫が概ね終わった新潟県内では、今後各地でお米に関するイベントが開催されるもよう。
たとえば2025年11月22日・23日・24日の三連休に長岡で開催される「ながおか米の陣」。炊き立ての新米を食べ放題で楽しめるそうだ。
そして、南魚沼地域では「本気丼(マジどん)」という南魚沼産コシヒカリを使った様々な丼料理を食べられる企画が2025年10月1日から2026年2月28日まで開催中。
また、大阪の商業施設や東京の新潟情報館「The NIIGATA」でも新潟米をPRするイベントがあるらしい。
こういったお米をたっぷり食べられるイベントが開催されるということは、今のところ「お米が足りない!」という事態にはなっていないのでは? と感じた。
この勢いが、来シーズンの収穫まで続いてくれますように……!
・来年こそは
以上、新潟県民から見た現時点でのお米事情でした。
ただでさえ物価高で気軽に買い物ができなくなってきているのに、主食であるはずのお米すら手を出しづらくなっているのは本当にどうにかならないんだろうか……
麺類やパンももちろんおいしいけれど、個人的にはやっぱりお米が好きなので「これ以上お米が手に入れにくいものにならないといいな」と願っている。
気づいたら2025年も終わりが見えてきているけれど、来年こそはこの状況が少しでも改善されますように────!
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.