【京都・伏見】天下人・豊臣秀吉が築いた城下町に残る商店街を逍遥する
伏見といえば、天下人・豊臣秀吉が築いた城下町として有名ですが、その名残は商店街という形で現在も残っています。しかも3つの商店街がほぼつながっている形態も珍しいのでは。そこで今回は京阪本線の伏見桃山駅を起点にして、伏見大手筋商店街、納屋町商店街、竜馬通り商店街をハシゴする散歩に出かけてみました。
【画像】1996年に完成したアーケードは大手筋通に沿って東西に約400m続く
100年以上愛される晴れの伏見大手筋商店街
高いアーケードから陽光が降り注ぐ伏見大手筋商店街は、大手筋通に沿って東西に約400mの長さを誇ります。「大手筋」という名の語源は古く、1594年(文禄3年)に豊臣秀吉が伏見城築城の際に整備した道といわれています。その後、人口の増加や交通網の発達に加えて、桃山御陵御治定、酒造業の発展など工業地帯としての発展に伴い、1923年(大正12年)から伏見大手筋商店街と呼ばれるようになったそうです。
現在、商店街の店舗数は100ほどで、1日に約2万5000人の地元の方々や観光客で賑わっています。利き酒のできる酒屋や宇治茶をあつかう茶舗など観光客向けの店舗はもちろん、食器や家具、薬局など生活に欠かせないお店もあるので、まさに二刀流商店街なのです。私のイチオシは献血ルーム伏見大手筋。社会貢献した清々しい気持ちで、今日はどこで栄養補給しましょうか。
■伏見大手筋商店街 住所:京都市伏見区大手筋通 電話番号:075-601-0558(大手筋サービスセンター) アクセス:近鉄京都線「桃山御陵前」駅から徒歩すぐ、近鉄京都線「桃山御陵前」駅から徒歩1分 営業時間:店舗により異なる URL:http://otesuji.jp/
パリのアーケードを彷彿とする納屋町商店街
伏見大手筋商店街の西詰めから南北に走る納屋町商店街の歴史はとても古く、伏見城築城と同時に城下町として誕生しました。その当時は堀尾帯刀の邸宅があったことから、帯刀町と呼ばれていましたが、昭和初期の京都市との合併時に俗称であった納屋町になったそうです。かつての規模は伏見大手筋商店街をはるかに超える数キロにおよんだそうで、南の錦市場と称せられたとか。現在も営業を続ける鮮魚店などを眺めていると、往時の活気を偲ぶことができます。
約40軒のお店が並ぶ約400mの納屋町商店街を歩いていると、洋風の趣を感じるのですが、その感覚の原因はアーケードの形にあります。パリのアーケード “パッサージュ” をイメージしてデザインされ、ガレリア風の高い天井は、全ての人に安らぎと快い空間を演出しています。
■納屋町商店街 住所:京都市伏見区納屋町 電話番号:075-611-0118(納屋町商店街事務局) アクセス:京阪本線「中書島」駅から徒歩約8分、近鉄京都線「桃山御陵前」駅から徒歩約8分 営業時間:店舗により異なる URL:https://nayamachi.or.jp/
幕末の志士たちが駆け抜けた!?竜馬通り商店街
唯一アーケードがない竜馬通り商店街は、納屋町商店街の南詰めから南の立岩通までの南北約130mあります。かつては南納屋町商店街と呼ばれていましたが、寺田屋事件で有名な寺田屋が近くにあることから、竜馬通り商店街と1994年に改称。石畳舗装やガス灯風街路灯建設、和風の統一看板設置などを行い、幕末維新の風情を感じられる街並みになりました。
店舗数は約20店とコンパクトですが、他の商店街に比べて観光客向けのお店が多い印象です。個人的には京都府庁前から移転した本格イタリアンに行ってみたいです。他にもピッツァやクラフトビール、甘酒専門店などなど、新しい伏見の顔が見ることができるエリアではないかと思います。
■竜馬通り商店街 住所:京都市伏見区車町 電話番号:075-205-1102(竜馬通り商店街振興組合) アクセス:京阪本線「中書島」駅から徒歩約5分、近鉄京都線「桃山御陵前」駅から徒歩約10分 営業時間:店舗により異なる URL:https://ryomadori.com/
今回の「乙な京都」はいかがだったでしょうか。3つの商店街をハシゴするとなんと約1km! 伏見に観光名所はたくさんありますが、ぜひ商店街にも足を伸ばしてみてください。お気に入りのお店が見つかるかもしれませんよ。
TEXT by 乙な京都™