犬にとって『ストレス』になるNGお世話5選 飼い主の間違った行為が逆効果となることも…
知らずにやってる？犬のストレスを招くNGお世話5選
「ちゃんとお世話してるつもりなのに、なぜか最近元気がない…」そんなときは、日常のお世話の中に“ストレスの元”が潜んでいるかもしれません。
ここでは、多くの飼い主が無意識にやりがちな、犬にとって負担となるNG行動を5つご紹介します。
1.運動不足・長時間の留守番
犬は本来、走ったり探検したりすることが大好きな動物。運動や刺激が足りないと、体だけでなく心にもエネルギーが余ってしまい、イライラや不安行動につながります。
また、長時間ひとりきりで過ごす留守番も、孤独や分離不安を引き起こす原因に。「大人しいから大丈夫」と思っていても、内面ではストレスを感じているかもしれません。
2.飼い主の態度や家庭内の雰囲気の悪化
犬は、人間の感情の変化にとても敏感です。飼い主がピリピリしていたり、家庭内で怒鳴り合いがあったりすると、その緊張感をそっくりそのまま受け取ってしまいます。
「もしかして自分が悪いのかな？」と誤解し、不安に駆られることも。家族全体の穏やかな空気づくりも、犬のメンタルケアに直結します。
3.過剰なスキンシップや叱りすぎ
可愛いからといって、四六時中触ったり、抱っこを繰り返したりしていませんか？犬の性格によっては、こうした行為が“逃げ場のないストレス”になってしまうこともあります。
また、頻繁に強く叱られることも、犬にとっては大きなプレッシャー。コミュニケーションは、「犬のペース」を尊重することが大切です。
4.不衛生な環境・トイレや寝床が汚い
犬は意外と清潔好きな動物です。トイレが汚れていたり、寝床が湿っていたりすると、不快感から落ち着けなくなり、ストレスの原因になります。
さらに、食事場所とトイレの距離が近すぎるのも要注意。人間と同じで、食べる・寝る・排泄するという行動には、それぞれ快適な空間が必要です。
5.苦手な音や刺激を与える
雷、花火、掃除機、工事の騒音──これらは、多くの犬にとって“恐怖の音”です。こうした音が頻繁に響く環境や、突然の大きな音をわざと聞かせるような行動は、精神的なストレスを大きく高めます。
また、慣れない来客や家具の配置換えなども、警戒心が強い犬には大きな負担となる場合があります。
犬のストレスサインとは？すぐ気づくべき行動チェック
犬は言葉を話せないぶん、体や行動で「つらい」「こわい」といった感情を伝えようとします。
しかしそのサインはとても繊細で、見逃してしまうことも少なくありません。
ここでは、ストレスを感じているときに犬が見せやすい代表的な行動をチェックしてみましょう。
しっぽを巻く・耳を伏せる・あくびが増える
不安や緊張を感じているとき、犬はしっぽを内側に巻き込んだり、耳をペタッと伏せたりすることがあります。また、頻繁なあくびも「眠い」のではなく「落ち着かせようとしている」ストレスサインであることが多いです。
さらに、視線をそらす、体を震わせるといった行動も、不快な状況から逃げたい気持ちの表れです。
吠える・破壊行動・粗相が増える
ストレスが積もってくると、犬はより目立つ形で不満や不安を表現し始めます。急に無駄吠えが増えたり、家具やおもちゃを噛み壊したり、これまでできていたトイレを失敗するようになるなど、日常の中で「なんか変だな？」と感じる行動が現れたら要注意。
ただ叱るのではなく、「環境に問題がないか」「過剰な刺激を与えていないか」など、原因を探ることが大切です。
まとめ
運動不足、過剰なスキンシップ、環境の不衛生など、私たちの“良かれ”が犬にストレスを与えてしまうこともあります。その結果、吠えや粗相などの行動異変が現れることも。
犬の小さなサインに気づき、負担を減らす接し方を心がけることが、愛犬の安心と健康を守るカギ。お世話の「当たり前」を見直すことが、本当の思いやりにつながります。
(獣医師監修：後藤マチ子)