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【八王子市】「命守る」地域で連携強化 情報共有アプリ、障害者も対象に

タウンニュース

緊急時に捜索しやすいよう、顔写真や本人の特徴などを登録しておくアプリ画面

八王子市は先ごろ、認知症の高齢者が行方不明になった場合にできる限り早く発見・保護する情報共有アプリ「みまもりあい」の対象に、新たに障害者も正式対象にすることを発表した。昨年起きた発達障害児の行方不明事件を教訓としたもので、市障害者福祉課の担当者は「アプリへの登録者数を増やしていくことで、地域が一体となって命を守る仕組みを整えていきたい」と話している。

これまで市では、認知症の高齢者が行方不明になった際、(一社)セーフティネットリンケージが開発したスマートフォンアプリ「みまもりあい」などを活用し捜索していた。事前にアプリをダウンロードし登録を済ませると、家族が行方不明になったときに「捜索依頼ボタン」を押すことで協力者に情報が届き、発見した人から連絡が入る仕組みだ。

昨年7月市内で障害児が行方不明に

昨年7月、市内犬目町の自宅から、発達障害のある16歳の男性が外出したまま行方不明になる事件が発生した。保護者から行方不明届が出され家族や市民による捜索が行われたが、6日後に遺体で発見された。

市内を拠点に活動している障害者の家族・支援者の会「くわのこの会」(新島紫会長)は、この事件を受け「障害者でも行方不明時に見つけてもらいやすいネットワークをつくりたい」と考え、動き出した。

同会はまず、今年7月31日に厚生労働省とこども家庭庁に対して8つの要望を書いた要望書を提出。障害の特性などの事情で家に帰れない場合でも、自ら家を出た「家出人」として扱われ捜索が遅れることについての是正や、電車やバスなどで広範囲に移動するケースも見られることから公共交通機関や商業施設との情報共有・連携体制の構築などを盛り込んだ。

こうした背景を受け、八王子市では今年8月から、今まで認知症の高齢者やその家族が中心だったみまもりあいアプリの登録者に、障害者も正式対象にすることを決定。市障害者福祉課では「市民の皆様にはアプリをダウンロードしてもらい、緊急時には捜索に協力するなど地域全体で命を守る体制を整えていきたい」と話している。

新島会長は、要望提出後に初宿和夫八王子市長と懇談。障害者が正式対象になった点に関して「市長や担当課の皆さまに真摯に受け止めていただき、大変意義深い一歩になったと感じる」と評価した。

障害のある子どもなどが家族にいる場合、その多くが障害の特性から本人が事故や事件に巻き込まれそうになった経験があるといい、「(今回のような)悲しい出来事が二度と起きないよう、命と安全を守る仕組みを広げていきたい」と展望を語った。

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