「地域に根ざす企業とスポーツの力」サーラグループが語る浜松共創の未来像|ブレス浜松応援インタビューvol.4
愛知県東部、静岡県西部を中心に事業を展開するサーラグループは、地域密着型の活動を重視し、地元浜松で活動する女子バレーボールチーム『ブレス浜松』のオフィシャルパートナーを務めています。
今季から形が変わった女子バレーボールリーグで、今季はVリーグに所属し来季以降のSVリーグ参入を目指すチームを支えることの意義とは?
今回のインタビューでは、サーラグループがブレス浜松を支援する背景や、地域との連携によってどのような成果を生み出しているのかについて、株式会社サーラコーポレーション浜松共創推進室 担当執行役員の仲野哲央さん(以下、仲野)に詳しくお話を伺いました。
サーラグループの歴史と地域密着への想い
ーーまずはサーラグループのことについてお聞かせください。
仲野)サーラグループは2024年で創業115年を迎えました。私たちはもともとガス灯の事業からスタートし、家庭用の台所やお風呂、空調など、暮らしの中で欠かせないエネルギーを提供してきました。今ではガス、石油だけでなく、電気の販売や発電事業にも取り組んでいます。最近ではバイオマス発電所や蓄電施設の建設も進めており、再生可能エネルギーの利用促進にも力を入れています。
また、エネルギー事業だけでなく、建築、土木、設備、住宅や車の販売、不動産、動物医薬品の卸販売など、さまざまな事業を展開しています。グループ全体では40社以上が存在し、地域社会と密接に関わりながら事業をさせていただいております。
「私のまちにSALA、暮らしとともにSALA」を2030年のビジョンとして掲げ、地域に根ざした企業として、暮らしや社会を豊かにする会社になろうとしています。
ーーサーラグループさんとして、なぜ地域密着がそれほど重要なのでしょうか?
仲野)私たちの事業は、地域社会に支えられています。インフラが整っていても、その街が活気づいていなければ、エネルギーは必要とされません。つまり、街が賑わっていることが私たちの事業の基盤であると言えます。
だからこそ、サーラグループは地域を盛り上げる取り組みを大切にしています。魅力的な街づくりには、スポーツや文化、芸術が不可欠です。スポーツや文化が豊かな街は、多くの人々を惹きつけ、そこに住む人たちの誇りや愛着にも繋がります。
株式会社サーラコーポレーション 仲野さん(写真左端)
ブレス浜松との出会いと支援の理由
ーー女子バレーボールチーム・ブレス浜松を支援することになったきっかけについて教えてください。
仲野)ブレス浜松が設立された当初、球団の関係者が地域の力を結集しようと熱心に活動されていました。その姿勢に大きな共感を覚えましたね。ちょうど私たちが浜松市の北部(浜北地区)で事業を広げていたタイミングでもあり、地域との繋がりをより深めたいと考えていた時期でした。地元浜松で唯一のプロバレーボールチームということもあり、ぜひ応援したいと思いました。
ーーブレス浜松の活動に共感するポイントは何でしょうか?
仲野)ブレス浜松の最大の特徴は「地域に根ざした球団づくり」です。これは他のチームにはあまり見られない、非常に素晴らしい取り組みです。特定の企業が単独で支援するのではなく、多くの企業や地域住民が協力し合いながら支えている。その一体感が、地域全体に活力を与えています。
また、ブレス浜松の選手は、競技に専念するだけでなく、企業に所属しながら働いています。サーラグループでも2名の選手が社員として働いてくれています。選手たちが職場で一緒に仕事をすることで、他の社員にとっても大きな刺激になりますね。選手の姿勢や努力に触れることで、勇気づけられることも多いですし、そういった繋がりが生まれることも、ブレス浜松の魅力だと感じています。
スポーツの持つ力と地域への貢献
ーー仲野さんはブレス浜松の試合をよく観戦に行かれていると伺いました。
仲野)仕事の合間を縫って、できるだけ試合会場に足を運ぶようにしています。やはりプロの試合は見応えがありますね。選手たちのジャンプ力や瞬発力、そして勝利への気迫は本当に素晴らしいです。近くで見ると、迫力が違います。
最近は勝利が続いていることもあり、チームの勢いを感じます。観客も増えていて、会場全体が盛り上がる光景を見ると、地域スポーツが持つ力を改めて実感します。
ーー試合会場では、どのような雰囲気を感じますか?
仲野)試合を観戦する楽しみは、単に競技を見るだけではありません。ブレス浜松の試合会場には、協賛企業の方々や地域の人たちが多く集まっています。久しぶりに顔を合わせる方や、新しい出会いが生まれることもあり、まるで「社交の場」のようです。
試合会場で、かつての同級生や子どもの幼稚園の保護者仲間に偶然出会うこともあります。地域密着のチームならではの光景だと思いますし、そうした繋がりが生まれる場があることは素晴らしいことです。
ーースポーツ支援が地域社会にもたらす意義について、どうお考えですか?
仲野)スポーツには地域課題を解決する大きな力があります。例えば、人口減少やカーボンニュートラルといった社会課題に対しても、スポーツを通じてアプローチすれば、子どもたちや若者にも関心を持ってもらいやすいんです。
実際に、私たちはジュビロ磐田と浜松市と連携して「デコ活(脱炭素活動)」という取り組みを行いました。選手たちに環境保護の宣言を書いてもらい、それを子どもたちが見て、自分たちも取り組みたいと思うきっかけにする。スポーツの持つ影響力やPR力を活かせば、地域課題への意識を自然に高めることができます。
ジュビロ磐田・浜松市と共同で行った『デコ活』の掲示
浜松の地域課題とスポーツの可能性
ーー浜松が抱える地域課題について、どう考えていますか?
仲野)浜松も人口減少や少子高齢化といった課題を抱えています。また、多文化共生も浜松ならではの重要なテーマです。外国人労働者やその家族が多く暮らすこの街では、地域全体で相互理解を深め、一体感を作ることが求められています。
スポーツは「インクルージョン(包括)」の力を持っています。老若男女、国籍を問わず、一緒に楽しむことができるのがスポーツです。スポーツを通じて、地域の人々が一つになり、多様性を受け入れる風土が育まれることを期待しています。
ーーブレス浜松に対して、今後期待することは何ですか?
仲野)一番の期待は、もっと多くの人に試合を見に来てもらうことです。勝つことも大切ですが、勝利のために努力する選手たちの姿にこそ、人は感動するものです。そういった姿を多くの人に届けるためには、地域全体で盛り上げていく必要があります。
来場者を増やすための取り組みは、球団だけではなく、私たち協賛企業も含めた課題です。地域の企業や住民が一体となり、試合を盛り上げる仕組みづくりを進めていきたいですね。
サーラグループとブレス浜松の未来
ーーサーラグループとして、ブレス浜松とともに取り組んでいきたいことはありますか?
仲野)すでにさまざまな活動に協力していますが、まだまだ試行錯誤している段階です。例えば、地域イベントや社会貢献活動において、もっと多くの人に参加してもらえるような工夫が必要だと感じています。
また、女性スポーツならではの取り組みや、スポーツを通じた多文化共生活動など、さまざまな可能性を模索していきたいですね。
ーー最後に、サーラグループがスポーツ支援を続ける理由をお聞かせください。
仲野)地域を魅力的にするためには、スポーツの力が欠かせません。地元にプロスポーツチームがあることは、生活に潤いや豊かさを与えます。そして、地域の人々が「この街で良かった」と感じるきっかけになると思います。
ブレス浜松が地域に根ざした球団としてさらに成長し、地域全体に感動や元気を届けてくれることを期待しています。
ーーありがとうございました!
写真提供:株式会社サーラコーポレーション