とうとうむすめに『お母さんは漫画家なのでは…?』と言われる【御手洗直子のコマダム日記 #200】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#200
今回はお母さんと創作にまつわるお話です。
身バレがこわい(同人女的に)
とうとう娘たちに母の仕事が漫画家であることがバレた。
とうとう。というか、じわじわと『お母さんはもしかして漫画を描いているのではないか…?』とバレつつはあったのだ。っていうか、毎日の勉強の時間に家事ができるわけでもなく一時間みっちり監視しているだけなのもアレなので、コラムを書くくらいなら良いだろうと娘たちの机の横でコラムを書いたり、カットを書いたり、カラーを塗ったり、最終的には普通にペン入れとかをし始めてどう見てもお母さんは漫画を描いているのでは…?ということがバレたのである。いやそりゃバレるだろ。
今までずっと『出版社のお手伝いをしている人』を名乗ってきたのだが、横で作業している以外の事情もあってとうとうむすめに『お母さんって、漫画家なの…?』と聞かれたのである。おそろしい。心臓がキュッとする。ここで私が娘たちに堂々と紹介できるような漫画を描いていれば、そうなんだよお母さんは漫画家なんだよ!と言えるのだがなにぶん描いている物のメインが二次BLなのでそうだよお母さんは漫画家なんだよ!と言えないのである。ペンネームを知られてしまったら最後、検索一発で娘たちの大好きな鬼狩りやら吸血鬼の二次BL漫画でハッスルしているお母さんのXアカウントとかが出てきてしまうのである。おそろしすぎて想像しただけでふくらはぎがゾワゾワする。
直近で起きたことをネタにコラムを書いているため、最近ではチラチラと作業中のカットを覗いてきては『あ~!ソファのお話書いてる!じゃああの時のあれも書きなよ~!』とか『この前○○が○○だったからお仕事で書いていいよ!』と自分たちが登場するのを楽しみにしてくれているようではあるので、きっとたまひよから出させていただいた育児本を見せたら喜んでくれるのかなあと思うのだが本を見せるイコールペンネームがバレるので見せられないのである。同人女の業は深い。
せめてむすめが18歳になれば多少のBLが目に入ってもショックは少ないであろうと思うので、そこまではガンバりたいのだがあと7年もつ気がしない。絵柄は割れてるので時間の問題のような気がする。っていうか自分の中高生時代を思い出してもそんなの隠し通せるわけが無い。わかってはいるけどキトキトする。なんて説明すればいいんだよ。
という後ろ暗いことばかりの経歴の中で、やはりこちらで書かせていただいたコラムと育児本は唯一娘たちに喜んでもらえるのでは。という期待がある。怒られるだろうか…という懸念もあり、こればかりは娘たちにしか答えが出せないのでわからないが、私自身は私の絵と言葉で当時の娘たちのかわいさを描き留めておけたというのは本当に幸運で幸福なことであった。もし不本意であったなら印税全部とってあるのでそれで許してくれないか。そうか。いや、もとより全部渡すつもりではあるんだけど。
という、私にとっては代えがたい記録となったコラムも今回で最終回となる。
理由は200回ともなるともうホントマジでひきこもりだとネタが無いから…!
そんなような者のコラムをここまで掲載し続けてくださったたまひよの皆様、編集の皆様、ここまでお付き合いいただいた読者の皆様へ感謝をお伝えさせていただくとともに、またいつかどこかで何か楽しいものをお届けできるよう日々精進できればと思いまっす。
それでは皆様も、どうか幸福であられますよう!
(たまひよONLINE 編集部より)
いつもご愛読いただきありがとうございます。「御手洗直子のコマダム日記」もついに最終回(泣)。
次回は、卒業企画として人気エピソードのランキングと御手洗さんからのメッセージをお届けします!
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子X(旧twitter):mitarainaoko