ストレスが溜まると人はどんな反応を起こす?【眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話】
精神的な安定を保つ4つの反応
「ストレスが溜まったときの人間の反応」をまとめたものが、「防衛機制」というモデルです。「防衛機制」とは、不安やストレスなどの心理的な負担を軽減し精神的な安定を保つために、無意識的に働く心理メカニズムを説明したものです。
「防衛機制」には、「1分裂、否認、転換、妄想」のような未熟な反応から、「4感謝、ユーモア、昇華」といった成熟した反応までさまざまなものがあり、それぞれ下図のような行動をとります。
たとえば、人は受け入れがたいことが起きたときに、それを認めようとしないことがあります。これは、1の「否認」と呼ばれる反応です。大きな病気を宣告されても、自分は健康であると思い込んだり、恋人にフラれたのに、相手はまだ自分に気があると思い込むといったものが、これに相当します。
また、自分が手に入らないものを、「あんなものは必要ない」と言って否定するのも、よくある反応のひとつです。これは3の「合理化」と呼ばれる反応で、収入が少なくても「お金なんかいらない」と思い込むことで、お金がないことへのストレスを軽減するといったものがあります。
なお、ストレス軽減の反応としては、4の「感謝、ユーモア、昇華」がもっともよいとされています。ストレスに感じることがあったら、これらを心掛けてみるとよいでしょう。
「防衛機構」の心理メカニズム
①分裂、否認、転換、妄想
分裂:突然怒るなど多重人格的になる否認:ストレスが溜まっているということを自分で認めない転換:肩こり、手が動かないといった体の病気として出てくる妄想:被害的な妄想をしてしまう
②行動化、理想化、退行
行動化:怒ったり、殴ったり、買い物しすぎたりしてしまう理想化:何か素晴らしいものに傾倒する退行:赤ちゃんや子どものように振る舞う
③合理化、知性化、外在化
合理化:願望を不要なものにすり替える知性化:何かわかったフリをする外在化:「考えても仕方ない」と考える
④感謝、ユーモア、昇華
感謝:ストレスの原因のよい面に感謝するユーモア:笑いに変える昇華:社会に役立つことをやるんだという熱意に変える
ストレスに対する人間の反応は未熟なものから成熟したものまでいろいろある
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話 』監修:益田 裕介