【ネタバレ】「アイアンハート」、映画『アイアンマン』と直接つながる重要展開が登場 ─ 新世代マーベルの向かう先は?
マーベル・ドラマ「アイアンハート」は、アイアンマンの意思を継ぐ存在として注目の若き天才発明家リリ・ウィリアムズの独自の物語を描くシリーズ。舞台はシカゴで、独立した世界観を持つ。一方で、劇中では伝説の第1作(2008)とつながるような展開も。
果たして、この意外なリンクが意味することとは?原作コミック設定と照らし合わせながら解説する。
この記事には、「アイアンハート」第3話「ヤバめのマント」のネタバレが含まれています。
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あのキャラクターの正体、実は……-->
この記事には、「アイアンハート」第3話「ヤバめのマント」のネタバレが含まれています。
(c) 2025 Marvel
マーベル・ドラマ「アイアンハート」第2話「トンデモAI」より登場した“技術倫理コンサル”ジョー・マクギリカディは、AIナタリーが見つけた闇市場の顧客の一人。近所だったリリ・ウィリアムズが訪ねてみると、彼は気弱そうで繊細な青年だった。ジョーは時おり陰鬱で、感受性が豊かなのか、なんでもないようなことで涙を流す。「一日二回は誰かに脅される」と言うジョーを、リリは「人に利用されてはダメ」と諭す。
ジョーは生体工学について、人殺しではなく人助けのために使うべきだと説いていたが、そんな彼のルーツが第3話「ヤバめのマント」で明らかになる。
自身とコンピューターチップを接続する実験中、回線がショートしてしまい助けが必要になったジョーの自宅を訪れたリリ。そのキッチンで袋に入った「白い粉」を発見するが、その粉はジョーの父の遺骨。袋に「オバディア・S」と書かれていたことから、ジョーの正体はオバディア・ステインの実息子エゼキエル・ステインであったことが判明する。
(c) 2025 Marvel
オバディアは『アイアンマン』(2008)のヴィランだ。スターク・インダストリーズの副社長として社の創設期から経営に携わったが、盟友ハワード・スタークの放蕩息子トニーに敵対心を抱き、やがて彼を蹴落とそうと企む。テロ組織テン・リングスにトニー殺害を依頼するが、パワードスーツと共に生還されると、これを模した自身専用の大型スーツ“アイアンモンガー”を製造。アイアンマンとの戦いに挑むが敗れ、最後にはアークリアクターに落下し、大爆発を起こして死亡した。
その後、オバディアの死の事実は隠蔽されており、リリは今なお彼が飛行機事故で亡くなったとのニュースを信じていた。ジョーは、父はトニーを殺そうとして死んだのだとの真実を告げる。父のことを「スーパーヴィランだった」と認めるジョーは、人生を通じて父のようにならないように必死で争ってきたのだ。技術倫理コンサルの職につき、テクノロジーを正しきことに使うポリシーを持つようになったのも、そのためだろう。
リリ自身はトニーと直接の関係を持たないが、トニーの発明に感化されてアイアンスーツを開発するようになったのは明らかだ。トニーとオバディアから、リリとジョー。かつての敵対関係が、次世代で友好に生まれ変わって再現されることになった……少なくとも、今のところは。
ジョーの本名であるエゼキエル・ステインは、原作コミックでは父から受け継いだ莫大な財産と知性を活かしてトニー・スターク失脚を目論んだヴィラン。スタークを直接攻撃したり、闇市場で手に入るスタークの技術をリバース・エンジニアリングして独自の開発を行ったりし、やがてスーツではなく自らの身体そのものをアップグレードするようになる。
今のところ「アイアンハート」のジョーは理性を保った人間だが、精神的に不安定な部分も見せており、何らかがきっかけとなってリリと対立する可能性もあるだろう。また、左腕に直接コンピューターチップを埋め込む自己実験は、原作コミックの設定を踏襲したものとなっている。
『アイアンマン』でトニーとオバディアは不幸な対立を演じ、最後は片方の死という最悪の形で幕を閉じた。テクノロジー愛を通じて友情を育みつつあるリリとジョーが、父親たちと同じような悲劇的な結末を迎えなければ良いのだが……。
なお、ジョー役を演じるのは『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で若きハン・ソロを演じたオールデン・エアエンライク。映画(2023)ではトニー・スターク役ロバート・ダウニー・Jr.と共演しており、そのツテでリリ役ドミニク・ソーンをダウニー・Jr.に紹介したという。
「アイアンハート」はで独占配信中。