アートと緑に包まれて♪リニューアルしたJR灘駅『灘の森テラス』でひと休み 神戸市
JR灘駅・南口を出てすぐの場所に広がるのが『灘の森テラス』(神戸市灘区)。以前は少し殺風景だった広場ですが、2024年春のリニューアルでウッドデッキやベンチが設けられ、緑に包まれたアートな空間へと生まれ変わりました。
ミュージアムロードの中間地点という立地を生かし、気軽にアートを楽しめる空間として整備。展示作品は1~5年ごとに順次入れ替わる予定で、現在は9点が設置されています。
筆者が気になったアートを紹介。三松拓真さんの作品『Mothership』は、1971年の神戸市電廃止により広島へ移籍した582号をモチーフにしたもの。作家自身が車両に揺られて眠気を覚えた体験を「ゆりかご」のように捉え、長年にわたり人々を運んできた姿を母性になぞらえています。本作では、その“母”としての582号を起点に、路面電車の子どもの姿が表現されています。
武田真佳さんの作品『case』は、「入れ物」という概念をテーマにしています。ギターケースや棺のように中身に沿った形を持ちながら、中身がなくても存在し続ける点に着目。蝉の抜け殻のように残る“外皮”として、頭に浮かぶイメージの殻を形にした作品です。
こちらは吉田延泰さんの作品『sky bottle-Kobe-』。六甲山系から海へと水が巡る神戸の街をモチーフに、日本酒やラムネ、アップル、サイダーなどの飲み物を通じて、人と文化が行き交う「縁環(えんかん)」を表現しています。
そのほかにも、神戸市ゆかりの若手作家の作品や「神戸六甲ミーツ・アート」の出展作品が並び、待ち合わせや隙間時間に気軽にアートを楽しめる空間となっています。
ロータリーでは安全性を高めるため、停車帯を設けて車道を狭め、無秩序な駐停車を防止するとともに車のスピードを抑える工夫がされています。
さらに、対面通行を一方通行に変更し、横断歩道を短くすることで、車の流れがスムーズになり、歩行者も安心して横断できるよう改善されました。
中心部には木材を使ったベンチや日除け屋根、四季を感じられる植栽が整えられ、誰もがくつろげる空間に。夜にはライトアップが施され、安心で美しい夜間景観を演出しています。また、段差の多かった広場はスロープ化され、駅とまちをつなぐ見通しやバリアフリーも向上しました。
かつては通過点にすぎなかった同エリアが、いまでは憩いの空間に♪暑さがやわらぐ季節になれば、木陰のベンチでゆったり過ごすこともできそうです。
場所
JR灘駅南駅前広場~灘の森テラス~
(神戸市灘区岩屋北町7)
開放時間
24時間