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レス夫と同性の婚外恋愛相手がついに対面! 背徳感と緊張に興奮した一夜のあとは… #3【不倫依存】

コクハク

先生への思いが強まっていく(写真:iStock)

これまでのあらすじ

【不倫依存~婚外恋愛を謳歌する男女】

 夫とのレスから女性に恋焦がれるようになった弥生さん(33歳主婦/子供ナシ)。お相手はカルチャースクールでK-POPダンスを教える美和子先生(31歳/独身)だ。

 最初こそ戸惑ったものの、不倫を楽しむ女友達の影響もあり、次第に美和子先生への思いが強まっていく。

 そんな中、美和子先生に予想外のハプニングがあり、2人は交際する流れに。幸せを噛みしめていた弥生さんだったが、ある日、美和子先生に「今度、弥生さんのお宅に行きたいわ。ご主人にも会ってみたい」と言われ、困惑してしまい…。

 前回までの話はコチラ→第1話、第2話

不倫相手を夫に紹介するなんて

彼女のマンションで甘いひと時(写真:iStock)

 弥生さんは語る。

「美和子先生との交際は順調でした。ダンスのレッスン後に食事をしたり、美和子先生の自宅マンションに行って甘いひと時を過ごしたり…。

 レッスン生の憧れの的である美和子先生が、私と肌を重ねてくれる…しかも、夫がしてくれないことをたっぷり丁寧に。忘れていた女の喜びを味わいましたね。

 でも、突然『弥生さんのお宅を訪問したい』『ご主人に会ってみたい』と言われて、正直、戸惑いました。家に呼ぶのは構いませんが、不倫相手の美和子先生を夫に紹介するなんて…」

 結局、美和子先生に懇願された弥生さんは家に招き入れた。

「主人には事前に『ダンスでお世話になっている先生を家にお招きしてもいい?』と聞きました。銀行員の夫は『ああ、構わないよ』とひと言。

 4歳年上の夫との寝室は別々です。もう女として扱われない虚しさや恨みがましさはありましたが、やはり罪悪感はゼロではありません。

 万が一、美和子先生との不倫関係がバレたら大問題ですし…。緊張に包まれながら当日を迎え、午前中から家の掃除や食事の支度に追われました」

 弥生さんは続ける。

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不倫相手と夫と3人で食卓を囲む⁉

よろしければご一緒に(写真:iStock)

「先生が訪れたのは、レッスン後の午後5時半ごろ。夕食は美和子先生の好きなパスタやチキン料理、温野菜サラダとワインです。

 スタイルを気にする彼女のためにグルテンフリーの豆粉パスタで作り、オリーブオイルはスペイン産の高級なもの。家に入るなり『おいしそうな匂い』と笑顔を見せてくれて、そんな時『やっぱり美和子先生が好き』と恋心を確信てしまって…。

 夫にはどんな風に紹介しようと気が気じゃないのに、彼女の顔を見ると不安が消えてしまう(笑)。不思議ですよね。

 テーブルで向かい合って食事を楽しみ、程よく酔ったタイミングで夫が帰宅したんです。一瞬、緊張が走りましたが、リビングに来た夫は、美和子先生に笑顔を見せ、『いつも妻がお世話になりありがとうございます。僕は仕事で構ってやれないんで、どうぞゆっくりしてください』と、丁寧に挨拶をしてくれました。

 美和子先生もイスから立ち上がり『初めまして。今夜はありがとうございます。弥生さんと仲良くさせていただいています』とクールな微笑。ほんの数秒でしょうが、私にはかなり長く、息苦しさを感じました。

 その上、美和子先生が『よろしければ、ご主人もご一緒にお食事しません?』と誘ったので、びっくりしてしまって…」

 弥生さんは「3人で食卓を囲むなんてありえない!」と肝を冷やしたという。だが、夫は『食事は済ませましたし、これからリモートワークなので』とやんわりと断って自室に向かった。

元カノへの復讐心? それとも…

「男」のものへの憎しみかもしれない(写真:iStock)

「ヒヤッとしましたが、夫が同席しなくて本当に良かった。私の動揺をあざ笑うように、美和子先生は『思った以上にダンディな旦那さまね。スーツが似合って、いかにも仕事ができるって感じ』とワインをあおって…。

 さらには『でも、まさか私たちが付き合っているなんて思いもしないでしょうね。知らぬが仏。ふふっ』と挑発的な笑みを浮かべたんです。

 この時、美和子先生の心の内が透けて見えた気がしました。男との結婚に走った元カノへの復讐心です。いえ、もしかしたら『男』そのものへの憎しみがいっそう強まったかもしれません」

 元カノへの執着を悟った弥生さんの心はざわめいた。

「美和子先生の言動に『せっかくだから、今日は泊まってほしい』と誘ったのは私です。いつまでも元カノの亡霊に心をかき乱されたくなかったのと、美和子先生と一夜をともにしたかったから…。

 これまでお泊りはNGだったので、スペシャルな夜にしたかったんです。夫に許可を得て、私の部屋に客用の布団を運びました」

一つ屋根の下には夫がいるのに

一日一日を大切に過ごしたい(写真:iStock)

 順番にシャワーを浴びた後、弥生さんの部屋で2人きりの時間が始まった。

「予感はしていましたが、すぐに美和子先生に抱きしめられました。ほろ酔いのままに倒れ込んで…私は声を出さないように必死に歯を食いしばりました。

 別な部屋とはいえ、一つ屋根の下には夫がいる。でも、拒むほどに困惑が興奮へと転化していきました。甘美さと背徳が振り子のように揺れ動いて…それは明け方近くまで続きました。

 以来、美和子先生は頻繁に泊まりに来るようになったんです」

 弥生さんは続ける。

心配は尽きないけれど

「夫に対して背徳感と緊張が入り混じった興奮は、言葉で表現できないほど私を恍惚に導いてくれました。美和子先生と愛し合っている瞬間は至福の時…ただ、別な感情もあるんです。

『妻を女として扱わなくなった夫への恨み』とも言えますし、美和子先生だって『元カノを男に奪われた悔しさ』は決して消えていないはず。

 幸せですが、心配は尽きません。いつか夫にバレるかもしれないし、美和子先生に捨てられるかもしれません。逆に、私のほうから彼女に別れを告げる可能性もゼロじゃない…でもネガティブ思考はダメですね。

 今は見えない未来など考えず、一日一日を大切に過ごしたいと思います。ダンスももっと上手になりたいですし」

 思わぬきっかけから同性と婚外恋愛になった弥生さん。

「見えない未来など考えず、その日を懸命に生きる」という言葉が強く心に残った。

(了)

(蒼井凜花/作家・コラムニスト)

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