Yahoo! JAPAN

発達障害息子、2歳イヤイヤ期から小5反抗期まで切れ目なし!別人のように落ち着いた!?中2の今

LITALICO発達ナビ

発達障害息子、2歳イヤイヤ期から小5反抗期まで切れ目なし!別人のように落ち着いた!?中2の今

監修:室伏佑香

東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科/名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程

小学校卒業まで、イヤイヤ期から反抗期まで切れ目なし!?

子どもが2歳頃になると、自我が芽生えることで『イヤイヤ期』が始まると言われています。「あれをしたい、これはイヤ」などの自己主張が強くなり、強い抵抗や癇癪も始まるイヤイヤ期。赤ちゃんの頃とは違った形で手がかかるようになり、大変な思いをされる保護者の方もたくさんいらっしゃると思います。

そんなイヤイヤ期は一般的に3歳から4歳にかけて落ち着いていくそうですが、コウは自己主張が強くなりだした2歳頃から小学校を卒業するまで『イヤイヤ期』と『反抗期』の切れ目がないような状態でした。

現在中学生のコウ本人がこれまでを振り返って「僕は小さな頃からずっと反抗期みたいなものだからね」と言うほど長く続いた彼の反抗は、地味に大変なものでした。

コウのイヤイヤ期&反抗期は、怒って暴れたり駄々をこねてひっくり返ったりするような見た目の派手さはありませんでした。基本的に泣いたり反論し続けたりするような感じで、激しいときでも癇癪を起こして床を叩く程度だったので、反抗の程度としては大人しいほうだったかもしれません。

ただ、その『泣いたり反論し続けたり』がすごいのです。息が吸えずに顔色が真っ青になるまで泣きますし、「何で? 〇〇は□□のハズなのに!」と混乱からパニックになっていくこともしばしばでした。

それに加えて、反論はコウが納得するまで長時間に渡り続くこともありました。対応している私としては、精神的につらいのはもちろんのこと、長く時間がとられることにも負担を感じることがありました(私はグッタリと疲れ果てながら「説得の千本ノックみたいだな……」と思っていました)。

今のコウは、当時を振り返って「あの頃はねぇ、あらゆることに『納得いかない!』って思ってた」と言っています。その『納得いかない!』の暴風雨にコウ本人も周囲の人も振り回された、嵐のような時期だったと思います。

小学校6年生から少しずつ現在のコウに近くなってきました

そうしてイヤイヤ期から反抗期までを過ごしてきたコウは、小学校6年生から少しずつ落ち着き始めました。周囲の様子や事情が見えるようになり始めたことで、「理不尽だ! おかしい!!」と思うことが減っていったのだそうです。

また、クラスメイト同士の関わりを落ち着いて見るようになったことで、「自分の感情表現は周りに比べて激しすぎるのかな?」と気づいたのも大きかったと言います。それにより、コウは感情表現の仕方を意識的に調整するようになったそうです。

周りを見ることにより0-100思考も少しずつ和らぎ、「まぁいいか」と言えるようになったことで、パニックも減っていったようです。

その流れは中学校に入ってからも続き、今では滅多にイライラすることはなくなりました。コウ本人も「思春期に入って自分や周りを見るようになってきたことで、イライラが減って情緒が安定してきた」と言っていました。

幼児の頃から今までを『反抗期みたいなものだった』として振り返りつつ、コウは「自分としては反抗期だとは思っていないところもある」と言います。詳しく聞いていくと、以下のように話してくれました。

・保育園や小学校の頃は特に反論しまくっていたと今なら分かるんだけど、疑問や納得できない点をそのまま言っているだけで、自分としては反論しているつもりはなかった。

・納得できない! おかしい! と思うことはよくあったけど、反抗的な気分ではなかった。人に対してではなく、『納得できないこと』に向かってイライラしている感じ。

・先生や親に対して反抗しようと思うほど、人のことを見たり考えたりしていなかったと思う。自分のことだけって感じ。でも、結果的に反抗的と取られる言動をしていたってことも今は分かる。

このように思っていたことを話してくれたコウは、今では別人のように落ち着いたと言われることもあります。ですが、私は「実は内面はそれほど大きく変わってはいないのではないかな?」と思ったりします。

コウのこれまでを振り返ると、今のコウも言葉や態度がマイルドになっただけで、納得を求めて疑問を投げ続けるようなところは変わっていないと感じるからです。

それでも、納得できない気持ちを「おかしいよ!」ではなく「それはなぜ? 自分はこう考えたんだけど」と表現できるようになったコウは、確かに変化しているのだと思います。

コウの調子の悪い日は納得するまで『説得千本ノック』が始まることもありますが、私に対して疑問を飲み込まずに投げてもらえる内が華なのかもしれません。「今日はコウのボールを受け止められそうかな?」と、心身の余力と相談しながら可能な範囲で対応していきたいです。

執筆/丸山さとこ

(監修:室伏先生より)
コウくんの幼児期から小学生までのご様子を、コウくん自身の言葉も交えて共有くださり、ありがとうございます。
疑問や納得できないことをとことんまで納得しようとする姿勢、ご本人もご家族も本当におつらかった時期があったことと思いますが、ついつい自分を甘やかしてしまう私からすると、尊敬の気持ちでいっぱいです。

また、それを客観視して表現の仕方を自ら変えていかれたことも素晴らしいと思いました。その姿勢ゆえにストレスや苦悩を抱えてしまうこともあるかもしれませんが、誰にでも真似できることではありません。

また、コウくんのその疑問やイライラに向き合ってこられた、さとこさんの忍耐強さも決して簡単に真似できることではありません。さとこさんのその大きな愛情の中で、コウくんは安心して疑問、そして感情をぶつけることができ、少しずつ自身を客観視できたのかなと思います。
次の記事も楽しみにしております、時々コウくんのお言葉も聞かせてくださいね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 【熊本市中央区】歩行者専用信号の赤信号が残り半分だった場合、待つか地下に行くかどっちが早いか検証【鶴屋前】

    肥後ジャーナル
  2. 【tower】いい買い物でした!ごちゃごちゃな洗面台が美しく変わるスーパー収納が超優秀♪

    ウレぴあ総研
  3. 【京都一周トレイル④】東山~北山コース突入で琵琶湖眺望!日本屈指の修行の場☆比叡山延暦寺

    キョウトピ
  4. 体重317キロ超、オムツで母に8年介護されていた33歳男性 臓器不全で死亡(英)

    Techinsight
  5. 大人も子どもも夢中になる!「atelier京ばあむ」にてバームクーヘンの焼き上げ体験がスタート

    anna(アンナ)
  6. 「ホットケーキミックス」があれば勝ち確。【森永公式】の食べ方が困るほどウマいんだが

    4MEEE
  7. 【ニトリ】朝の4分はかなり大きい…!邪魔にならない「スーパー収納」使ったら時間が増えた話

    ウレぴあ総研
  8. もっとも大切なのは「嘘をつかない」こと。ぼくが子どもとの信頼関係を育むために気をつけている“3原則”

    saita
  9. 新しい学校のリーダーズ、ファンクラブツアー初日の福岡公演にて、自身最大規模となる全国ツアーの開催を発表!チケット発売開始!

    WWSチャンネル
  10. 考えた人、ただの天才じゃん。【モランボン公式】の「餃子の皮」の食べ方が最高にウマいよ

    4MEEE