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真夜中の破水から緊急帝王切開に! その後の心と体は…

たまひよONLINE

5歳と3歳の娘の育児に奮闘中のママライター、清野ともかです。不妊治療の末、30歳で長女を妊娠。つらいつわりを経て、快適な妊婦生活を送っていました。あとは陣痛を待って普通分娩で出産という予定が、想定していなかった「緊急帝王切開」での出産となりました。
今回は、自分が思い描いていたものと全く違う出産になってしまった時の、私の気持ちと体の様子についてお伝えしたいと思います。

つわりも終わり快適な妊婦生活


つらいつわりが続いていた妊娠初期は、食欲旺盛だった私がフルーツ以外ほとんど食べられなくなり、体重も激減しました。

通勤電車、職場、街中…どこにいても食べ物の匂いがしてくるような感覚で、とにかく気持ち悪さに耐える日々を送っていました。そんな日々を経て妊娠中期には心も体もスッキリ、快適な毎日を送れるようになりました。

妊娠7ヶ月になるまでフルタイムで働いていましたが、出産を控えて長年勤めていた会社を退社。その後は家族で沖縄旅行へ行ったり、産院でマタニティヨガやマタニティビクスに通ったりと、アクティブな妊娠後期を過ごしていました。

大きなトラブルもなく、すこぶる健康妊婦! といった生活が続いていた私は、このまま無事出産し、特に問題もなく子育てが始まるのだろうと思いこんでいました。

真夜中の破水、そして予想外の緊急帝王切開


あれは、出産予定日を過ぎて3日目のこと。健診で医師と相談し、翌日に入院して陣痛促進剤を使って出産を促すことが決まりました。

「ついに明日出産だ!」と心の準備をしていたその日の夜遅く。ベッドで横になっていると、尿漏れのような…緩やかに何かが漏れている感覚が太ももにありました。

破水=ドバっと大量に出るものと勝手にイメージしていたので、尿漏れかもしれないと思いましたが、自分で判断できるものではないので病院に連絡しました。

病院で調べてもらうと、やはり破水。出産に向けて心の準備をしていたところ、突然、激しい陣痛が! 陣痛の間隔はとても短く、パニックになるほどでした。

それでも子宮口はほとんど開いておらず、しばらくこの痛みに耐え続けるのかと愕然としていると、何やらブザーが鳴りました。助産師が駆けつけ、指示通りに体勢を変えるとブザーは止まったのですが、数分後再びブザーが鳴ってしまいました。

「赤ちゃんが苦しい状態なので緊急帝王切開になります!」と告げられ、あっという間に手術室へ。ひんやりとした真夜中の手術室の光景は、今でもはっきりと覚えています。

生まれてすぐ、ママの声をわかってくれた


麻酔を打ってもらうと、激しかった陣痛がどんどん和らいでいきました。切開を開始してからはグイグイと強く押されるような感覚がしばらく続き、途中で麻酔の効きが弱くなり、薬の追加など小さなトラブルもありましたが、帝王切開により無事、女の子を出産することができました。

助産師さんが抱っこして私の顔の近くまで娘を連れてきてくれた時、泣いていた娘に声をかけるとぴたっと泣き止み、まだ見えない目をキョロキョロとさせていたことを思い出します。

「おなかの中で聞いていた声だから、ママの声だってわかるんだね」と助産師さんに言われ、じわっと涙が溢れました。

予想外の帝王切開と気持ちの整理


出産後2日間は痛みとの闘いでした。そして「自然分娩できなかった」という悔しい気持ちと、これからの育児への不安などから気分も沈みがちに…。

担当医から、赤ちゃんが酸素不足で苦しくなり、本来は出産後に出る胎便が私のおなかの中で出てしまい、羊水が混濁していたと聞きました。その時、助産師さんは私の気持ちに寄り添い、「お母さんがすぐに病院に来てくれたから赤ちゃんも助かったんだよ」と励ましてくれました。

落ち込んだ気持ち、痛む体…。今までに経験したことのない気持ちになり、自分でも驚くほど不安定になっていた私でしたが、一人の助産師さんの優しい言葉でどんどん前向きな気持ちに変わっていったことを今でも鮮明に覚えています。
退院前にお手紙のやりとりをさせてもらったのですが、その助産師さんからのお手紙は今でも私の宝物です。

順調な妊婦生活を送ってきただけに、「どうして普通分娩できなかったんだろう…」などと考えたこともありましたが、赤ちゃんを見ているうちに、どんな出産の形であれ、無事健康に生まれてきてくれただけで良かったと、「普通分娩してみたかった自分の気持ち」に折り合いをつけることができました。妊娠40週の時に、体重3172g身長50cmで生まれた長女。5年経過した今では、元気に育ってくれているだけで幸せを感じられます。いつ何が起こるかわからない妊娠・出産。身を持って知ることができた経験でした。

[清野ともか*プロフィール]
おてんばな2歳差2人姉妹の育児に奮闘中のママです。不妊治療の末に授かった長女は、緊急帝王切開。次女も帝王切開と予想外の出産も経験しましたが、子どもたちは元気に成長中! 私の経験を皆様の情報のひとつとして届けられたらと思い、記事を書いています。

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。

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