登戸研究所資料館 明治大学 来館者10万人達成 山田館長らが祝福
今年で開館15周年を迎えた明治大学平和教育登戸研究所資料館(多摩区)の来館者が、10万人を突破した。10万人目は都内の私立高校に通う男子高校生だった。
明治大学平和教育登戸研究所資料館は、戦時中に旧日本陸軍が偽札や化学兵器などの秘密兵器を研究・製造していた「登戸研究所」の史実を伝える施設として、2010年に開館した。
来館者が10万人に達したのは5月16日。前日の15日に9万9995人となったため、スタッフらは「明日で達成する」と確信。16日は開館前から山田朗館長や大学の公式キャラクター「めいじろう」もスタンバイし、来館者を迎えた。
午前10時の開館と同時に来場したのは、校外平和学習のために訪れた都内の私立高校の生徒たちだった。スタッフは間違えないよう、来館者一人一人にパンフレットを手渡し、16日の「5人目」の分にあらかじめ付箋を貼っていた。
「おめでとうございます。10万人目です」
スタッフが祝福すると、男子生徒は驚いた様子だったが、山田館長と「めいじろう」が「祝来館者10万人達成」と書いたパネルを手に登場すると、状況を理解し、笑顔を見せたという。
登戸研究所が手掛けた兵器の一つに「風船爆弾」があるが、昨年11月から続く企画展「風船爆弾作戦と本土決戦準備-女の子たちの戦争-」が好評という。昨年5月、風船爆弾をモチーフにした小説が発売されヒットした影響もあり、来館者が明らかに増加したという。2023年11月の9万人達成から1年半で10万人達成となった。
山田館長は「これからも戦争と平和について多角的に、わかりやすく伝えていきたい」とコメントした。