「どっちも金持ち政党に見える」なぜアメリカの庶民は金持ちトランプを指示したのか?
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 2月10日の放送は、武田ダニエル氏との共著で『アメリカの未解決問題』を著した同志社大学大学院准教授 国際政治学者の三牧聖子氏を招き、現在のアメリカについて伺った。
大竹「三牧さんは『アメリカの未解決問題』という御本をお書きになりました。帯には『民主主義の真実とは?』、『メディアの偏見とは?』と書かれています。民主主義というのは、それぞれの国がいろいろ努力をしてる。だけど、資本主義は、民主主義を超えて世界経済の話になってきちゃってて、近頃はこのギャップも大きくなってきてますね」
三牧「アメリカは4年おきに大統領選があって、2年ごとに中間選挙があるので、ほとんど常時選挙期間なんですね」
大竹「なるほど」
三牧「アメリカの人たちは、今回インフレを大きな争点にしてトランプさんに票を入れたので、トランプさんとしても、何か国民に見せなきゃいけない。民主主義は尊いんですけれど、常に支持者を見て国民が喜ぶことをするのが民主主義の国のリーダーなんですね。
なので、例えば世界保健機構も「アメリカばっかりお金払ってるじゃないか」「アメリカ国民のために使うはずのお金をなんで国際機関や国際援助に使うんだ」と、今、アメリカでは、そういった対外援助の機関や公衆衛生の機関を削減する動きがあるんですね。それを突き詰めていくと、アメリカ国民を喜ばせたいという、ある意味、民主主義の問題でもあるので、難しいところがあります」
大竹「でも、アメリカは1%の金持ちと、それ以外の人たちみたいになっちゃってますよね。ロサンゼルスなんか見ると、かなり貧困層が増えてる気もするんだけど、全体としては、トランプを支持したわけですよね」
三牧「その疑問は全く正当です。なぜ「生活が苦しい、どうにかしろ」という人たちが、トランプさん自身もお金持ちで、さらに世界一のお金持ちであるイーロン・マスクさんと結託している政党に、庶民の生活を改善してくれと投票するのか。そこが未解決問題なんです。
そもそも民主党は、そういう「労働者や、貧しい人たち、頑張ってるのに報われない人たちのための党です」、「私たちは富裕層と戦っていきます」と、そういった人たちの支持を束ねて勝ってきたんです。
私たちにとって、マスクさんやトランプさんは分かりやすいお金持ちなので、どうしても共和党が金権政党というイメージがあるかもしれませんが、今回の大統領選で、超お金持ちからの支持は民主党にも相当あったんですね。
この政治を変えてくれる真の庶民の政党が欲しいんですけど、アメリカは二大政党で、ほとんど二択しかないわけです。今、多くのアメリカ国民の目には、どっちもお金持ちのための政党になっているように見えるんです」