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「宇宙船」400系電車や未来へのゲート・夢洲駅にミャクミャク(ワクワク) 鉄道ファン目線で「大阪・関西万博」を行く

鉄道チャンネル

夢洲駅の地下コンコースから万博会場へ向かう入場客(筆者撮影)

いよいよ開会しました。「EXPO2025 大阪・関西万博」(2025年日本国際博覧会)。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、会場は大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」、公式キャラクターは「ミャクミャク」、会期は2025年4月13日~10月13日の184日間です。

万博と鉄道……。鉄道会社のパビリオンはありませんが、鉄分多目に万博を楽しむ手は大いにありそうです。筆者は幸運にも開幕6日目の2025年4月18日、取材機会に恵まれました。

本コラムは、玄関口の地下鉄中央線夢洲(ゆめしま)駅や、大阪市中心部と夢洲を結ぶ宇宙船ライクな新星400系電車、さらには会場を走る一部完全自動運転のEVバス「e Mover」をリポート。〝未来デザインをつくる地元企業〟として存在感を示す、Osaka Metro(大阪メトロ)をご報告します。

(本コラムは2025年日本国際博覧会プロモーション局広報部の許可で取材しました)

鉄道ファンには400系もパビリオン?

大阪メトロのメーンラインの御堂筋線本町で中央線に乗り継ぐと、入線してきたのは400系夢洲行き。鉄道ファンばかりでなく、一般市民にも話題の新型車両です。車内は一気に万博ムードがあふれます。

Osaka Metro中央線の新型「400系」電車。ヘッドライトは四隅のLEDで、車体デザインと完全に一体化しています(筆者撮影)

筆者は2024年7月、森之宮検車場で400系を撮影したのですが、乗車は初めて。何より特徴的なのが八角形の先頭形状です。

【参考】大阪・関西万博の来場者輸送、利用者の安全守る大阪メトロとスタートアップの挑戦【コラム】
https://tetsudo-ch.com/12998780.html

乗車前、枠のようなものが車体に取り付けられると思ったのですが、実際は後付けでなく車体と完全に一体化しています。

車内は一般的な通勤電車と同じ……ではなく、一部中間車(4号車)はクロスシートです。クロスシート通勤車はJRや私鉄にも多くありますが、400系で珍しいのはシートが一人掛けという点。大阪メトロの資料には、「パーソナルスペースの確保とワクワク感の演出」とあります。

もう一つ、400系には中吊り、額面(座席上)ともに広告スペースがありません。

車内は落ち着いたトーンのデザインや配色で、「見た目は派手でも中身は質実剛健」が400系の本質といえそうです。

筆者の採点は100点満点で98点。一方向固定のクロスシートが方向転換でき、広々した車内で逆に若干狭く感じられる客室窓がもうワンサイズ広がれば、「400系は21世紀に生まれた鉄道車両の究極の完成形」と断言できそうな気がします。

空港駅に似た印象受けた夢洲駅

出入り口を大屋根がおおう夢洲駅(筆者撮影)

万博会場玄関の夢洲駅。人・人・人であふれます。ホームは1面2線の行き止まり。地下2層構造で、B2がホーム、B1がコンコースです。16台ずらり一線に並んだ改札機を抜けると、脳内モードは万博に急変換されます。

私が似た印象を受けたのはJR東日本と京成電鉄の成田空港駅。地下ホームからやや長めのコンコースを通過して地上に上がると、一気に海外旅行ムードが高まります。

夢洲駅で印象に残ったのはデジタルサイネージ。改札口壁面と上部では、大型LEDがカラフルに歓迎のメッセージを発します。

コンコース壁面のデジタルサイネージ。インフォメーションのほか、企業PRも放映されます(筆者撮影)
夢洲駅改札。右端は顔認証改札です(筆者撮影)

駅にわざわざビジョンを見に行く時代は、多分やってこないでしょうが、夢洲駅はビジョンのほか折り紙デザインの天井、柱のない大空間など、400系と同じく21世紀の鉄道デザインの完成形になりそうです。

自動運転、走行中給電 未来に挑戦するEVバス

大阪メトロの話題が続きます。会場内の移動手段がEVバス。愛称名「e Mover(イー・ムーバー)」。電気自動車で、大阪メトロ、関西電力、ダイヘン、大林組が共同運行します。ダイヘンは大阪、東京の2本社制を敷く電力機器の専門メーカーです。

会場外周部を走る自動運転e Mover。前面には「自動運転実証実験中」と大阪メトロのマーク。車体に装備されたセンサーやカメラが特徴的です(筆者撮影)

EVバス、セールスポイントは自動運転と走行中ワイヤレス給電です。道路や天候などの条件がそろえば、一般道をドライバレス走行できるレベル4運転が可能です。周囲の自動車などの動きを高性能センサーやカメラで検知して安全運転します。人材不足が深刻なバス業界で待望される新技術です。

EVバスが走るのは夢洲の会場外周部。自動運転時、もちろん不安はまったく感じないのですが、e Moverは万博版で完成ではなく、進化の余地もあります。

門外漢の発想で恐縮ですが、未来の自動運転バスが例えられそうなのが、テレビのAI(人工知能)アナウンス。初期は若干の不自然さを感じさせましたが、最近はプロアナウンサーに負けないくらいのなめらかさで発声(?)します。

「停留所で待っていると、運転席に誰もいないバスがやってきた。乗車すると、まるでベテラン運転手がアクセルを踏み込むようになめらかに発車した」は、いつか現実になるはずです。

さらに、走行中ワイヤレス給電。ダイヘンがシステム開発して市場投入しています。

地上側(道路)に送電コイルを埋め込み、上を走るEVに非接触で電気を送る……。そういわれても、電気の素人には分かるような分からないような。いずれにしても、電力供給は次世代交通の大きなテーマ。自動運転も含め、「万博発未来行きバス」は確実に発車しています。

失敗もありました

続いて「お出かけ情報」。ゴールデンウィーク(GW)に、万博観光を計画中の皆さまもいらっしゃるでしょう。失敗談を披露させていただきます。

EVバス乗車には大阪メトロのシステムで事前の電子チケット購入が必要ですが、筆者はうっかり「購入完了」の段階で手続きを止めてしまいました。その画面をプリントアウトして持参したのですが、「Myチケット一覧」から券面表示しないと乗車できないそう。

あやふやな場合は、インフォメーションで確認することをお勧めします。

もう一点、万博で困ったのが宿泊です。大阪はインバウンド需要でホテルが取りにくいところ、万博が重なってほとんどが「本日満室」です。

筆者は結局、一般的なホテルはあきらめてインターネットカフェ滞在にしたのですが、窮すれば通ず。ホテルは大阪市中心部は最難関ですので、〝夢洲に通勤する〟つもりで一足伸ばし、神戸や和歌山で探すのも一つの手かもしれません。

「フランス館、宮崎駿監督と新幹線とTGVで三題噺」、「万博で鉄道点検をプレゼン!?」といった会場で見付けた鉄道関連の話題は続編でお届けします。ぜひご覧ください。

万博アクセスはメトロ車両だけにあらず。中央線と相互直通運転する近鉄けいはんな線7020系電車も夢洲にやってきます。写真は伊勢志摩をPRする特別塗装車(筆者撮影)

記事:上里夏生

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