これをやったから「中学合格」! 算数解き直し・朝の15分漢字勉強…〔難関校合格伴走ママ〕が激白!
「中学受験伴走(サポート)」について、教育ジャーナリスト・佐野倫子さんの体験記。今回は、長男くんの伴走時に「合格するためにやってよかったこと」「やらなくてよかったこと」を伝授。(全1回)
【中学受験】教育ママライターが「入試当日の服装・持ち物」リアルグッズを完全公開教育ジャーナリストの佐野倫子です。「中学受験伴走」連載、今回は長男の伴走の経験から「これはやってよかった、効果があった」と思うものと、取材で聞いた「正直いらなかったかな?」と思うものを、忖度なく紹介していきます!
(全1回)
【やってよかった!①】ランダム算数解き直しノートを作る
まず、いい習慣だったと思っているのは「1日1問、間違えた問題を解きなおしノート」です!
これは長男のときに通塾していた「フォトン算数クラブ」で教わった方法なのですが、塾のテキストやテストに、初見で間違えた問題に付箋を貼っておいて、後日ノートに解き直すというもの。ただそれだけなのですが、効果は絶大!
ポイントは、過去に間違えた問題を溜めておいて、間違えた直後だけでなく後日解き直すことで定着を図るというサイクル。
10分ほどで終わる復習勉強ですが、長男にとってはとても効果があり、算数が伸びたと実感しています。
【やってよかった!②】学習漫画を部屋に置く
小学校の宿題もiPadでやるこのご時世。それでも長男のときはガジェットを勉強で使うことは少なかったのですが、次男は時代の流れもありそうもいきません。しかしタブレット学習だと、地理学習アプリをやっているのか、YouTubeを見ているのか、母には区別がつかない状態に……。
すると読書の時間が減っていることに気がつきました。そのダメージは思いのほか大きく、国語の成績、とくに漢字問題に影響が(涙)!
そこで、まずは気分転換を本や漫画にして、活字に慣れてもらおう! と久しぶりに学習漫画をリビングに並べました。経験から、学習漫画を読む時間を取る、というよりも子どもが自由に、何気なく手に取ってパラパラと読む、というほうが効果的です。
おすすめなのは王道ですが、歴史学習漫画『講談社の学習まんが 日本の歴史 全20巻』。
『講談社 学習まんが 日本の歴史(1) 列島のあけぼの』著:寺沢大介、監修:若狭徹(講談社)
電子書籍もいいですが、やはりここは紙で揃えておくのがおすすめ! のんびりパラパラめくるその時間が学習タイムになります。
【やってよかった!】③朝15分の計算&漢字練習
塾に通い始めると、特に5年生くらいから、とにかく時間が足りない! と感じるように。正確には、時間の使い方によって勉強量に大きく差が出るようになります。
塾の復習の時間はなんとか確保できても、それとは別に自主的にやる必要がある計算と漢字の練習。漢字と計算は、一朝一夕にはいかないもの。
そして子どもにとってめんどくさいこの2つを、1日15分でも習慣化できるかが6年生で勝負を分けることに! これは長男の伴走(2024年)で痛感したため、伴走2周目の次男に現在導入しています。
開始してまだ3日ですが(笑)、身につけばゆるぎなく合格率を高めてくれるはず!
【やらなくてもよかった①】親子で30以上の学校見学
次は、取材したご家庭からのやらなくてもよかった談です。
「学校説明会や文化祭は、張り切って2年生のときから、親子で30校以上見に行きました。結果、子どもは最初に見た学校の印象が強く、手当たり次第見に行っても次第に飽きてきて、反応が薄くなってしまい……。子どもを連れていくなら、親が候補を絞ってから、一緒に行くことをおすすめします!」(2025年伴走終了母談)
これは私も同意です。もちろんたくさん見たほうが、大事にしたいポイントが自然にわかると思いますが、説明会は移動を含めると少なくて3時間~半日は費やします。
特に6年生になると土日は模試や特訓講座で予定がびっしり! 子どもを連れて学校を見に行くなら4・5年生のうちに10校程度がおすすめ。勉強とのバランスを見ながら時間を有効に使いましょう。
【やらなきゃよかった②】受験直前期に塾を移った
写真:Trickster/イメージマート
「6年生の夏休みが終わったばかりの9月。『第1志望は受からないと思う。校風が似ているこちらの学校に変更してはどうでしょう』と、それまで通っていた大手塾の先生から言われました。それに対して家族中で大反発! 塾に信頼感が持てなくなり、他塾や個別指導、合格請負人を掲げる家庭教師などに片っ端からあたり、『今からでもがんばれば合格できる!』と言ってくれた塾に転塾することに。
そこは個人経営の塾だったのですが、そこと、さらに個別指導塾、家庭教師を組み合わせて最後の4ヵ月を頑張るという方向に舵を取ることに。
結果はというと、辛いものになりました。受験から1年が経って冷静に思い返してみると、最初の大手塾で言われたことが正しかったんです。耳に痛いことを遠ざけて、直前期に塾を変えたり、増やしすぎたりするのは、慎重にすればよかったです……」(2024年伴走終了母談)
6年生の受験直前期は、考えられないような行動をとってしまうことがあるというケースでした。悩んだときはいったん冷静になること。そして子どもの様子をしっかり見るというのが大切です。
4・5年生のときに大手塾から他へ転塾した、というご家庭はたくさんいますが、6年生の夏以降に衝動的に移るのは避けるとよいですね。それまでに塾の先生と信頼関係を築いておくことをおすすめします。
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我が子の中学受験は、それぞれの子に1回ずつ。それだけに保護者は少なからず選択をせまられ、プレッシャーを感じてしまうものです。
だからこそ、冷静に情報を取捨選択し、毎日の積み重ねを大切にすること、そして子どもの表情や状態をよく見ること。それさえ大切にしていければ、多少選んだ方法が異なってもきっといい結果につながっていくと思います。
どんと大きく構えて、心配しすぎずに。私は現在2周目ですが、一緒に伴走、頑張りましょうね。
取材・文/佐野倫子