市の天然記念物を地元の手で 吉高の大桜を守る会【印西市】
千葉県を代表する山桜・吉高の大桜。
地域の桜を守っていこうと2006年に発足した同会は、大桜の保護・育成と周辺整備を目的に活動しています。
印西に春を告げる一本桜
印西市の東部、旧印旛村地区にあり、自然あふれる吉高地区。
のどかな田園風景の中に「吉高の大桜」はそびえ立っています。
毎年約3、4万人の花見客が県内各地をはじめ関東近郊や遠く北海道や九州などからも訪れ、淡いピンク色で大きな盆材のような樹形が、見に来た人の心を圧倒します。
昨年秋に行われた樹木医の調査では、樹齢約500年と推定された吉高の大桜。
幹の太さは8.5m、木の高さは13m、枝を広げると最大27mにもなるそうです。
ソメイヨシノと比べると1週間ほど遅れて開花し、見頃はわずか2、3日。
吉高の大桜を守る会の事務局長の内藤幸一さんは「朝は二分咲きでも夕方には七分咲きの時もあります。
今年も暖冬なので、3月下旬から4月初めには満開になるかもしれない」と話します。
印西市のホームページで日々の開花状況を確認できるそうです。
今の美しさを守り受け継ぐために
「吉高の大桜を守る会」の会員は印西市や近隣地域の市民で結成された約15人。
活動内容は、月に1度の草取りや枝のコケ取り、肥料の散布、開花前には花見客の歩きやすさと根への負担軽減を考え印西市と共同で3t以上にもなるウッドチップを敷設、駐車場から会場までのごみ拾いもしています。
2019年の台風では直径30cmの枝が折れる被害もあったとのこと。
内藤さんは「枯らすことなく次の世代に伝え、100年、200年後も見る人に喜んでもらえるように手入れを続けていきたい」と語ります。
大桜は吉高地区で代々続く須藤家が所有し、豊作を祈願する氏神を祭っているため桜の根の周りにはしめ縄が張られており、桜の宮と名付けられた小さなほこらがあり、毎年参拝に来る人も。
開花シーズンは周辺農家さんのとれたて野菜やたけのこご飯、焼き芋、コーヒーなどの販売もあるそうです。(取材・執筆/紫みゆき)
問い合わせ
メール/night-sun@ac.auone-net.jp
吉高の大桜を守る会
電話番号/090-3593-8237 内藤
※開花情報などは「印西市 吉高の大桜」で検索