「幻のアジサイ」今年も 庭にシチダンカ 名張の河野さん方
かつて「幻のアジサイ」と呼ばれたこともある「シチダンカ」が、三重県名張市つつじが丘南3の河野隆司さん(82)方の庭で見頃を迎えた。薄紫や赤紫のがくが10枚ほど星形に重なり合うかれんな姿が見る人を和ませている。
シチダンカはヤマアジサイの変種で、江戸時代に来日した医学者シーボルトが「日本植物誌」に収録していたものの、長年その存在が確認されていなかった。1959年に六甲山で発見されて以降、挿し木で各地に広まっていったとみられている。
河野さんは5年ほど前に栽培種を譲り受け、少し施肥をする程度の「ほとんど放ったらかし」だそうだが、丈は40㌢ほどに育っているという。四季折々の花が咲く庭を見つめながら、河野さんは「また今年も見られて良かった」と目を細めた。