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​【刑部芳則さんの新刊「昭和歌謡史-古賀政男、東海林太郎から、美空ひばり、中森明菜まで」】 船村徹の台頭エピソードが抜群に面白い

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静岡新聞論説委員がお届けする“1分で読める”アート&カルチャーに関するコラム。今回は静岡新聞で「近現代学校制服考」を連載する日本大商学部教授の刑部芳則さんの新刊「昭和歌謡史-古賀政男、東海林太郎から、美空ひばり、中森明菜まで」(中公新書)。
中山晋平、西條八十が築き、古賀政男、古関裕而、服部良一の三大作曲家がその世界に広がりと深さを与えた「昭和歌謡」。本書は日本近現代史を専門とする1977年生まれの著者が、中学生の頃から研究・検証を重ねたこのジャンルの勃興から隆盛、終息までを、ほぼ時系列に解説したものである。

副題にあるような作曲家、歌手のみならず作詞家やレコード会社の関係者が、同時代の政治・経済・社会をどのように踏まえ、どのような楽曲を世に送り出したかを詳説している。

数多くのエピソードの中で、「演歌」を生んだ船村徹の存在感が際立つ。茨城出身の作詞家高野公男は栃木出身の船村に言った。「おれは茨城弁で作詞する。おまえは栃木弁でそれを曲にしろ。そうすれば古賀政男も西條八十もきっと抜ける」

これを機に生み出された船村の型破りな音の配置「破調」は、こぶしを入れた歌唱とともに、昭和40年代以降の「演歌」を形成する。巨人「古賀政男」の定型を破り、新しい音楽を生み出す過程の興奮が、生き生きと伝わる。(は)

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