【追悼:ヴァル・キルマー】『トップガン』アイスマン役ほか名優のキャリアを振り返る【配信中作品多数】
追悼ヴァル・キルマー
米俳優ヴァル・キルマーが4月1日に亡くなったことが報じられた。享年65。『トップガン』シリーズでのアイスマン役をはじめ、『ドアーズ』や『バットマン フォーエヴァー』など数々の名作に出演し、映画界に多大な影響を与えた名優だ。
1959年に米ロサンゼルスで生まれたヴァル・キルマー。ジュリアード音楽院で演劇を学び、若くして才能を認められた彼は舞台から映画へと活躍の場を広げていく。そのキャリアは1980年代に本格的にスタートし、コメディ映画『トップ・シークレット!』(1984年)でスクリーンデビュー。そんなキルマーの名を世界に知らしめたのが、ご存知『トップガン』(1986年)だ。
『トップガン』でキルマーは、トム・クルーズ演じるマーヴェリックの好敵手アイスマンを熱演。冷静沈着で完璧主義のパイロットとして凄まじい存在感を披露し、大ヒットに貢献した。アイスマン役は彼の代名詞となり、続編『トップガン マーヴェリック』(2022年)でも病を押して再演し多くのファンの感動を呼んだ。
近年は喉頭がんとの闘病が報じられていたキルマー。病と闘いながらも映画への情熱を貫いた姿勢は永遠に語り継がれるだろう。ここでは俳優キルマーの冥福を祈り、その輝かしいキャリアを振り返るべく代表出演作を紹介する。
『ウィロー』(1988年)
ジョージ・ルーカス制作、ロン・ハワード監督の冒険ファンタジー。キルマーは物語の中心人物である自信家の剣士マッドマーティガン役を演じた。『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』や『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどが好きな人は必見。
『ドアーズ』(1991年)
オリバー・ストーン監督による伝記映画『ドアーズ』では伝説的ロックバンド、ドアーズのボーカル、ジム・モリソンを好演。彼はモリソンの歌声を吹き替えなしで再現し、その圧倒的な演技力で観客を魅了した。
『サンダーハート』(1992年)
ロバート・デ・ニーロがプロデュースを務めた実話ベースの本格サスペンス・アクション。インディアン居留地で起きた殺人事件の操背後にひそむ国家規模の陰謀を暴いていく。キルマーはスー族の血をひく刑事レイを演じた。
『バットマン フォーエヴァー』(1995年)
ジョエル・シュマッカー監督の『バットマン フォーエヴァー』でブルース・ウェイン/バットマン役に抜擢。マイケル・キートンからバトンを受け継ぎ、ダークヒーローとしての新たな一面を見せている。本作はジム・キャリーやトミー・リー・ジョーンズ、ニコール・キッドマンなど共演者も超豪華だった。
『ヒート』(1995年)
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロのW主演作『ヒート』では、デ・ニーロ率いる犯罪組織の一員として登場。白昼の銃撃戦は永遠に語り継がれる名シーンだが、そこで見事な銃さばきを披露したキルマーは主演2人と並び同作の顔となった。
『キスキス,バンバン -L.A.的殺人事件』(2005年)
ロバート・ダウニー・Jrと共演したクライム・コメディ。ひょんなことからハリウッド映画で探偵役を得た泥棒のハリー(ダウニーJr.)の初恋相手で幼馴染みのハーモニーの妹が不可解な自殺を遂げたことから、ミステリアスな殺人事件が幕を開ける。キルマーは、ハリーが役作りのために行動を共にする本物の探偵ペリーを演じた。