猛暑・ドカ雪・記録づくし!2024年を「天気」で振り返る【気象予報士が解説】
2024年も残すところあとわずかとなりました。皆さんは2024年の天気で何か印象に残っていることはありますか?
2023年に続き、春から秋にかけて気温の高さが目立つ一年でした。また、冬から春、秋から冬など、季節の移り変わりは一気に進みました。
私、HBCウェザーセンターの気象予報士・篠田勇弥が、2024年の天気を振り返ります。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
冬(1~2月)
札幌で初日の出
日本海側は、冬の間は寒気による雪雲の影響を受けやすく、初日の出を見られるチャンスは少ないです。
ですが2024年は、札幌で初日の出を見ることができました!
札幌で初日の出がみられるのは、2019年以来、5年ぶりだったようです。
局地的なドカ雪
このシーズン、道内全体の降雪量は平年のおよそ9割で少なめとなりましたが、留萌や小樽周辺などで、局地的なドカ雪に見舞われました。
留萌では1月の最深積雪が、およそ80年ぶりに150センチ超え。小樽では1月7日に69センチの雪が降り、記録的な大雪の中での成人式となりました。
春(3〜5月)
春は駆け足でやってきた
3月のはじめは強い寒気の影響を受けて、札幌では3年ぶりに3月に真冬日となるなど、冬の寒さが残っていました。3月の終わりごろからは、一気に春の空気に入れ替わりました。
特に2024年4月は観測史上一番となる記録的な高温で、サクラも2023年に次いで記録的なハイペースでの開花となりました。
一転、5月の大型連休明けは一時的な寒さの戻りで、道北やオホーツク海側で雪を観測しました。
夏(6〜8月)
2023年に続き猛暑に
2024年の夏は、熱帯の空気を運んでくる太平洋高気圧の勢力が強く、平年よりも気温の高い状態が続きました。
夏の間の平均気温は、統計史上、2023年に次いで2番目に高くなりました。2024年の道内の最高気温は、長沼町と東川町で観測した36.3度でした。
札幌では夏の間に、25度以上の夏日が68日を記録。過去2番目に多い日数でした。7月22日には、2024年最高の34.7度を観測しました。
札幌市の熱中症による救急搬送の人数も、2023年に次ぐ多さとなりました。
秋(9~11月)
日差しに恵まれた秋
2024年の秋は高気圧に覆われることが多く、暖かい空気も流れ込みやすかったため、記録的な日照時間の多さと気温の高さとなりました。
特に10月、道東の気温の高さが目立ち、釧路では10月2日に23.0度、10月16日には23.7度まで上がり、10月の最高気温の記録を2度も塗り替えました。
ただ、10月後半になると日々の寒暖差が大きくなりはじめ、札幌では7年ぶりに10月に初雪を観測しました。
冬(12月)
一気に本格的な冬へ
12月に入るとこれまでの気温の高さは一変。上空には真冬の寒気が居座り、日本海側を中心に一気に雪が降り積もりました。
特に、上川や空知、後志地方で積雪が多くなりました。
岩見沢では12月11日からのわずか一週間で168センチの雪が降り、バスの運行が数日できなくなるなど、大雪による交通への影響も発生しました。
寒さも厳しく、稚内では39年ぶりに、15日連続で最高気温が0度に届かない真冬日となりました。
2025年3月までの天気は?
なお、気象庁が12月24日に発表した3か月予報によると、2月にかけて冬型の気圧配置が強まる傾向で、日本海側では平年よりも雪の量が多く、各地で寒さが厳しくなる見通しです。しかし、3月になると気温は急上昇し、春の訪れは早まりそうです。
これからもHBCウエザーセンターの天気予報をチェックして、日々の生活に役立てて下さい。
2025年も、よろしくお願いします!
文: HBCウェザーセンター 気象予報士 篠田勇弥
札幌生まれ札幌育ちの気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。 気温など気象に関する記録を調べるのが得意。 趣味はドライブ。一日で数百キロ運転することもしばしば。
HBCウェザーセンターのインスタグラムでも、予報士のゆる~い日常も見られますよ。
連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」
天気予報のほか、天気に合わせた服装の選び方のヒントなど、HBCウェザーセンターの気象予報士が暮らしに役立つ記事をお届けしています。
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の情報は記事執筆時(2024年12月25日)の情報に基づきます