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六本松で蕎麦前文化を広めてきた地域に根ざした町の蕎麦屋

UMAGA

蕎麦和

九大キャンパス跡地の再開発以来、次々と新しい店がオープンしている六本松界隈。中でも裁判所南側のエリアは最近「裏六本松」ともいわれ、UMAGAの編集長コラムでも街歩きレポートを紹介しました。そんな裏六本松から油山観光道路を挟んだ樋井川寄りにあるのが「蕎麦 和」です。オープンから16年目を迎え、今ではすっかり地元に根づいた町の蕎麦屋として愛されています。

店主の宮崎茂豊さんは長崎県五島の出身で、高校卒業後進学のために福岡へやってきました。たまたま近所でアルバイトを始めたのが、今回の特集でも紹介した手打ち蕎麦の名店「蕎麦 木曽路」。バイトとして働くうちに「蕎麦職人もカッコいいなと思いました」と憧れを持ち、短大卒業後そのまま就職。足かけ8年にわたって修業を積み、2007年に六本松で独立開業しました。
当時は九大キャンパス跡地がまだ更地だった頃。「きっと学生の街から大人が集まる街になるのでは」と考え、六本松での開業を決めたそうです。今考えると、先見の明があったといえます。

16年前の開業当時から、蕎麦前が楽しめる店として打ち出していたのも先見性を感じます。ズバリ「蕎麦屋で酒をやる」と書かれたメニューには、定番から季節の限定料理まで30種類以上ものつまみが並んでいます。「さて、どれにしようか」と品定めしつつ、ふと壁に目にやると「本日のちょい飲みセット」の張り紙があるではありませんか! 迷わずこちらを注文しました。

「ちょい飲みセット」は日替わりのつまみ3品に、店主おすすめの日本酒か生ビール、ハイボール、ワインなどが1杯ついて1250円。この日は牡蠣の燻製、海老チーズ春巻き、生ゆば刺しに、日本酒は店主イチオシという山口県永山本家酒造場の特別純米酒「貴」でした。コップになみなみと注がれた日本酒をチビチビとやりながら、まだ明るいうちから楽しむ蕎麦前は最高です。

季節の食材を使った限定料理もあり、大好物の「秋刀魚とキノコのマリネ」(580円)を追加注文。空になったコップに、日本酒をお代わりしたのは言うまでもありません。

蕎麦は北海道からを取り寄せた玄そばを福岡の製粉所で挽き、「お酒を飲んだ後のシメに蕎麦を食べるお客さんが多いので、喉ごしを重視しています」という二八蕎麦。「もりそば」(780円)で食べると、確かに甘い香りの後のツルリとした喉ごしが楽しめます。つけ汁は枕崎産の本枯節と2種類の鯖節でとった出汁に、日田の原次郎左衛門醤油のかえしを加えた若干甘めの味つけ。「このへん(六本松)のお客さんは関東風の辛いつゆよりも、九州の醤油を使った甘い味を好まれますから」と、客の嗜好に合わせた味つけも地元で愛される由縁でしょう。

温かい蕎麦には、「丸天そば」(850円)や「ごぼう天そば」(880円)といった庶民的なメニューが揃っているのも嬉しいポイント。写真の「カレー南そば」(1150円)は、出汁にクミンやターメリック、ガラムマサラなどを独自配合したもので、スパイシーな香りがなんとも食欲をそそる一杯です。

ランチタイムには蕎麦に小鉢、だし巻き、海老天、いなりやミニ丼などがついたお得な「昼御膳」(30食限定1150円〜)もあり、「玉子丼」や「カツ丼」などの丼もの(660円〜)も豊富。夜は居酒屋使いからシメの蕎麦まで楽しめ、六本松の地元客に愛されている町の蕎麦屋です。

蕎麦 和(なごみ)
福岡市中央区六本松4丁目9−25 六本松ハウス1F
092-771-6116

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