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VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』先輩・後輩の関係でもある、溜口佑太朗(ラブレターズ) と森もり(破壊ありがとう)が公演の魅力を語る

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(左から)森もり、溜口佑太朗

2025年10月7日(火)~10月12日(日)紀伊國屋ホールにて上演される、VISIONARY READING『三島由紀夫レター教室』。この度、出演者の溜口佑太朗(ラブレターズ) と森もり(破壊ありがとう)のインタビューが届いたので紹介する。

三島由紀夫の長編小説『三島由紀夫レター教室』は、5人の登場人物が交わす手紙で展開する、ユニークで風刺の効いた恋愛小説です。1960年代の空気感とともに、三島由紀夫のユーモアと知性が光る異色作として、今なお根強い人気を誇ります。
このたび、三島由紀夫生誕100周年を記念し、同作が朗読劇として上演されることに。総勢48名にのぼる豪華な声優・俳優陣が出演する注目の舞台です。今回はその中から、芸人として活躍する溜口佑太朗(ラブレターズ)と森もり(破壊ありがとう)のスペシャル対談をお届け。先輩・後輩という関係性ならではの掛け合いで、上演台本の魅力や朗読劇の奥深さについて、語り合っていただきました。

ーーこの物語にちなみ「恋バナ、お好きですか?」

溜口:やっぱ恋バナは盛り上がるよね〜。

溜口佑太朗

森もり:めっちゃ自己中なこと言ってもいいですか?

溜口:なに?

森もり:人の恋バナを聞くのは好きですけど、自分の恋バナはめっちゃ恥ずい。

溜口:自己中だな〜。あまり言いたくない?

森もり:言いたくないです。恥ずかしくなっちゃいます。

溜口:相談もしない?

森もり:できないですねぇ。

溜口:本当に?

森もり:相談できたらどれだけ楽だろう……と思います。

溜口:俺は逆だなぁ。色んな人に相談しちゃう。今の奥さんも外堀から埋めて。

森もり:えー!! そうなんですか!?

溜口:そうそう。奥さんの知り合いに相談して「いま俺のことどう思っているか聞いてもらっていいですか?」とか。なんなら「僕が好意を持っていることをやんわり伝えてもらってもいいですか?」みたいな。

森もり:すごい! そんな手段もあるんですね!?

溜口:そういうのやってたのよ。で、奥さんに意識してもらいつつ、そこから「溜口めっちゃいい奴だよ〜」とか言ってもらったり。そういう相談はすごくしていた。

森もり:……なんか格好良いです。

溜口:格好良くないよ。ストレートなやり方じゃないし。

森もり:でも、あらゆる手段を駆使して意中の人を口説き落としたい! みたいな勢いが格好良いなと思って。

森もり

溜口:いやいや、格好良くない!!(笑)。

ーー森もり演じる「丸トラ一(まる とらいち)」のこと

森もり:上演台本を読ませていただいて、登場人物全員がどうしようもない奴らだなぁ……という感想が。

溜口:はいはいはい。

森もり:僕、そういう小説めっちゃ好きなので。どうしようもなさの奥に人間らしさが潜んでいる……みたいな。

溜口:人間くささね。

森もり:そうです。特に僕が演じる丸トラ一は(公演チラシのイラストを指差し)顔も僕にそっくりなんですよ!

溜口:これ森もりだよね、完全に。

森もり:この「後ろから覗き込んでいる様子」とか、これ僕だ! と思って。トラ一は大学を三回留年しているのですが、僕も二回留年しています。彼は空想家で、僕もお笑い界でてっぺん取った時のことをよく考えます。

溜口:あはは、空想家同士だ。

森もり:本当に自分かと思った。

溜口:なるほどなぁ。

森もり:そのうえ食いしん坊だから、もう僕です、この人。さらっと台本を読んだだけで「……大丈夫、この役になれる」と確信しました。そのままの僕。

溜口:そんな感じか〜。

森もり:本当にどうしようもない奴で、作中で沢山怒られるのですが、まるで自分に言われているような(笑)。

溜口:ハハハ、反面教師だね、それは。

(左から)森もり、溜口佑太朗

ーー溜口佑太朗演じる「山トビ夫(やま とびお)」のこと

溜口:森もりはこのイラストにそっくりだけど、トビ夫は、この髭が……。

森もり:役作りします?

溜口:当日までに髭を蓄えたいけれど、実は脱毛しちゃったんだよ。だからイラストに寄せられないというか。

森もり:なるほど(笑)。

溜口:劇中のトビ夫は、あまり思い通りにいかないことが多いけれど、そういうところも、僕と通ずる部分がありそう。最後は幸せになれると信じてやってきたけれど、それが空回りしちゃったりとか。お笑いのショーレースで(仲間たちに)先を越されて決勝へ行かれたり、優勝する姿を見て、嫉妬に狂ったり。それから、僕もスケベなのでね。でもむっつりスケベだから、表立って相手に直接言ったりするのは苦手。なんか、逆に羨ましいかも。男の理想の立ち回り、という気もします。

森もり:表立って言えなくても手紙だったらいやらしいことが書けちゃう、みたいなこともあるじゃないですか。

溜口:あるね。一人で書いているうちに、どんどんスケベさが増しちゃう。

森もり:今となっては、手紙自体がちょっといやらしい気もしますし(笑)。

溜口:それはフィルターによるよ(笑)。

森もり:平成10年生まれの僕からすると、もう手紙ってだけでちょっと恥ずかしい。メールが当たり前で育ってきているから。

溜口:メールのフランクさと比べたら、やっぱり重みが違うよね。手紙でスケベなメッセージを送ることには、ちょっと憧れるがあるかもしれない。

(左から)森もり、溜口佑太朗

ーー朗読劇の出演経験は?

森もり:朗読劇、初めてです。

溜口:僕は一回だけ。それこそ声優さんとご一緒して。

森もり:どんな感じでした?

溜口:最初は「感情を込めて本を読めばいい」と思っていたの。でも、お客さんへ届けないといけないから、相手の声優さんが(台本から目を離して)お客さんの目を見て訴えたりして感情を揺さぶっている様子を見て、「あ、これをやらなきゃいけないんだ!」と。

森もり:うんうん。

溜口:ただの朗読だったら音声を流せばいい話で、そうか、こうやるのか〜と俺も真似したら、同じ台詞を二回読んじゃった。

森もり:あはははは。

溜口:慣れないことしちゃいけないなぁと反省した。

森もり:僕も小学校の国語の授業で同じことやりました(笑)。

溜口:小学生の森もりと同じことやっちゃったけど、でも確かに思いました。お笑いライブと同じで、稽古のままやらないですよね。お客さんの反応を見て、テイストを変えたり、間を空けたり詰めたりはよくあることで、それが大事なんだなぁと。

森もり:確かにその通りですね。

溜口:お笑いと通ずるものが結構あると思う。空気を読んだり、お客さんを見て調整したり。

森もり:僕は朗読劇も初めてですし、演劇もコメディしか出たことがないので、100%「人を笑わせる」目的で舞台に立ってきました。だから、人を笑わせることの先へお客さんを連れて行く、ことに挑戦するのは初めて。お客さんとそういうコミュニケーションをすること自体がすごく楽しみです。

溜口:そうそう、感情の揺さぶりだよね。

溜口佑太朗

ーーお互いの出演回、観たいですか?

森もり:はい、観たいです。

溜口:本当に?

森もり:もちろん。

溜口:絶対声優さんの回を観た方がいいよ。

森もり:だって溜口さんのトビ夫、観たいでしょ。

溜口:まあ……、正解なんてないからね、どの回にも。

森もり:そうですよね。でも溜口さんがちょび髭とか付けるのであれば、その姿を見たいじゃないですか。

溜口:そんなもん紀伊國屋(ホール)じゃなくても見せてやるよ。

森もり:(笑)。

溜口:そんなものの為に来るなよ。もっと朗読の内容を観て欲しいんだよ! 俺は。

森もり:顔がお若いから、ちょび髭を付けたらどんなテイストのおじさんになるか? が気になります。

ーー出演に向けて、意気込みを一言

溜口:笑いを取ろうとすると、その裏側に「……滑るかも?」という気持ちがあったりするし、結局滑ったりもする。それを三島由紀夫のせいに……。

森もり:あははは。

溜口:僕は相方(塚本直毅)に書いてもらっているんですけど、基本その精神でネタをやっています。うけたら僕のテクニック、滑ったら作者のせい。

森もり:そっか〜。三島由紀夫のせいにできるのかー!

森もり

溜口:逆に三島由紀夫の本でうけたら、時代を超えて三島由紀夫さんと分かり合えた! タッグで笑いとったぞ!! となる。

森もり:三島さんの言葉で滑ったら、なんかバチ当たりそうですよね。大丈夫かな?

溜口:だから、三島由紀夫を笑わせたいです。

森もり:おお〜〜!!

溜口:トビ夫のキャスティングを見る限り、年齢もキャラクターも異なりますし、全ステージ違うトビ夫が見られると思います。なので溜口の回を、それこそ三島由紀夫さんが観て「もっとコイツにやらせる本を書きたかった!」と思ってもらえるような……。

森もり:いいな〜! 格好良い!!

溜口:……というトビ夫を目指します。

森もり:僕は、自分の生き写しみたいな役をやれることが本当に嬉しくて。丸トラ一は精神性が手紙に滲み出るじゃないですか。自分と重なる精神性が、三島由紀夫の言葉で格好良く演じられるなんてすごいことだし、そうすることで、客観的に自分を見つめられるかもしれない。自分に似た役を演じることが初めてなので、とっても楽しみにしています。

溜口:朗読劇って「ただ読むだけ」とか、取り付きにくいイメージがあると思うんです。でも、映像など含めて新しいアプローチを模索している朗読劇なので、この公演をきっかけに朗読劇の新しい面白さを知っていただけたら。僕もその手助けができるよう頑張ります。

(左から)森もり、溜口佑太朗

取材・文/園田喬し

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