高校生の交流の場に 「みんなの寄り道BASE」新井駅の自習室がリニューアル
新潟県妙高市のえちごトキめき鉄道新井駅にある学生専用自習室が、地元高校生の手によってカラフルな内装にリニューアルした。「みんなの寄り道BASE」と名付けられた明るい空間に生まれ変わり、勉強に限らず学生同士の交流の場となることを目指す。
《画像:お披露目イベントで四季をイメージした壁の塗装について説明する高校生(右)》
自習室は、県立新井高校生徒会の提案を受け、改札脇にあった会議室を開放する形でトキ鉄が昨年設置した。しかし、外から室内が見えず入りにくい雰囲気があるなどの理由で利用者が増えなかったことから、高校生の居場所作りに取り組む同市がリニューアルを発案。呼び掛けに応じた高校生40人が参加し、今年10月にアイデアを出し合い、それを基に地域住民も参加して椅子の塗装やカーテン作りなどを行った。
《画像:お披露目イベントでリニューアルオープンを祝った》
12月15日に開かれたお披露目イベントには、高校生をはじめ市やトキ鉄の関係者、住民が参加し、生徒たちがリニューアルのポイントを説明した。壁や天井はカラフルに塗り直し、壁は四季を表現して夏パートは妙高山をイメージした緑色に、冬パートは妙高にとって親しみのある季節のため、冷たくなりすぎないよう灰色に黄色やピンクを混ぜて暖かさもある色合いにしたという。住民から集めた古布で作ったパッチワークのカーテンは、窓の途中までを覆って外から室内が見えるようにしたほか、閉校した小学校の備品を使い、椅子や机をポップな色や模様に塗ったり、三角定規を机の仕切りにしたりと、アイデアあふれる空間に仕上げた。
《画像:リニューアル前の自習室(えちごトキめき鉄道提供)》
《画像:1人ずつ仕切りがある学習スペース》
《画像:廃校となった妙高高原南小学校の椅子や跳び箱、スピーカーなどをインテリアにリメイクした》
市によると、今後は勉強だけでなく学生の交流の場として、市の魅力発信に取り組む高校生団体「MYO高校部」の活動拠点にするなど活用の幅を広げたいという。
参加した新井高校2年の女子生徒は「殺風景だった自習室が華やかになった。絵を描いたり歌の練習をしたり、皆の好きなことができる場所になってほしい。色んな学校の子にも利用してもらい、浸透してくれたら」と期待を寄せた。
《画像:新井駅の1番ホーム改札脇にある》
本事業のプロジェクトリーダーで市企画政策課の吉田涼さんは「活動を通して、高校生が地域の方と交流し、市に愛着を持ってほしかった。高校生には気軽に立ち寄ってもらい、色んな人と出会ってほしい」と話していた。
開設時間は平日午後3〜6時。