水しぶきに笑顔広げる 釜石・根浜海岸で海開き 自然体感!夏の思い出づくり始まる
「海の日」(15日)を含んだ3連休。梅雨明け前にもかかわらず釜石市内では夏日が続き、開設したばかりの根浜海岸海水浴場(鵜住居町)は遊泳やマリンスポーツを楽しむ人でにぎわいを見せた。初日の13日に海開き。地引網体験や海遊びイベントもあり、子どもたちが自然体験を通じ、一足早く夏の思い出を刻んでいた。
海開きの神事を現地で行い、関係者らが海の安全を祈願。子どもたちは海に向かって駆け出し、打ち寄せる波と一緒にジャンプしたり水をかけ合ったりしながら歓声を上げた。砂浜に穴を掘る遊びに夢中な親子、ビーチボールで熱戦を繰り広げる若者グループなど思い思いに楽しむ姿が見られた。
地引き網体験では子どもから大人まで参加者全員で力を合わせ、海から伸びた2本の綱を引っぱった。「よーいしょ」との掛け声を数回繰り返して網が波打ち際まで来ると、跳びはねる魚がたくさん。トビウオやフグ、サバ、ウミタナゴなどがかかり、子どもたちは興味深そうに観察した。
釜石・小佐野小4年の越野杏音(あのん)さん、同2年の斗葵(とあ)さん姉弟は、お目当ての地引き網体験で多様な魚との触れ合いを満喫した。自転車競技バイシクルモトクロス(BMX)に打ち込み、週末となればレースや練習の日々という2人にとって、久しぶりの息抜きタイムになった様子。杏音さんは「水は少し冷たいけど、気持ちいい。海は楽しいから、また来たい」とはにかんだ。
海水浴場は8月18日まで開設。午前10時~午後4時に遊泳できる。期間中は監視員が常駐。釜石ライフセービングクラブの菊池健一代表(52)によると、東日本大震災の津波で失われた砂浜の再生工事が完了し全面開放での海開きが行われた2021年以降、開設期間中に事故は発生していない。
それでも、菊池代表は「ここの海は急に深くなるので、保護者は子どもから目を離さないよう、しっかり見守ってほしい。風の向きによっては浮輪やビーチボールが沖に流されることがあるかもしれないが、無理に取りに行かないこと」と注意を促す。安全に遊泳してもらうための声がけを積極的に行う考えで、「泳いでいて不安になったら、手を振ってアピールしてほしい。ルールを守って思いっきり楽しんでもらえたら」と海岸に目を向けた。