猫に『首輪』は必要?あったほうがいい3つの理由 逆にダメなタイプとは?
1.脱走の際に帰ってくる可能性が高くなる
首輪のない迷い猫が1匹で歩いているのを見かけてもスルーする人がほとんどでしょう。犬と違い猫の場合は、野良猫や地域猫など飼い主のいない猫が外を自由に歩いているため、保護しようとする人が少ないのです。
ですが、首輪をしていたらどうでしょうか?
首輪をしている猫は、迷子と判断されて保護される可能性が格段に高くなると言われています。また首輪に連絡先の書かれた迷子札がついていると、保護した人が連絡をくれるかもしれません。
万が一のことを思えば、首輪と迷子札は必須とも言えるでしょう。
2.災害時に役に立つ
脱走時と同様の理由で、災害時にも役立つ可能性があります。迷子札がついていれば連絡をもらえる可能性が高くなりますし、首輪の色や柄などから身元の確認もしやすくなるでしょう。
問い合わせ時にも、首輪の特徴を伝えることで、スムーズに確認できる可能性があります。
また普段から首輪をしていると、災害時にリードをつける際にも役立つという声も少なからずあるようですが、リードをつけるための首輪は個人的にはおすすめしません。
リードをつけるためには、引っかかってもはずれない首輪であることが前提となります。しかしそのような首輪は何かに引っかかると身動きできなくなってしまい、パニックで怪我をしたり首を吊ってしまったりするため猫には危険なのです。
もしリードを使用したいのであれば、安全のためにもハーネスの利用を強くおすすめします。ベストタイプで抜けにくく、体をしっかりホールドできるものを選びましょう。
3.鈴つきなら居場所が把握できる
猫は音もなく近寄ってきて、踏みそうになった経験はありませんか?そんなリスクを減らすには、鈴つきの首輪が便利です。
鈴がついていれば、猫が動くたびに音がするので、居場所が把握しやすくなります。隠れている猫も身動きした拍子に見つけられるかもしれません。
ただし聴力の優れている猫には鈴の音がストレスになってしまう場合があります。大きな音のする鈴は避けて、嫌がっているようなら無理につけずに外してあげてあげましょう。
鈴つきの首輪をつけたい場合は、子猫のうちから慣らすと嫌がらずにつけてくれる可能性が高いです。
首輪がダメな猫とは?
猫も首輪をつけることでメリットがあることをお話ししてきました。完全室内飼いの猫でも万が一に備えて首輪に慣らしておくのがおすすめです。
ただし皮膚病や呼吸器疾患のある猫の場合は、首輪によって症状が悪化したり、負担になったりすることも考えられます。あらかじめ獣医師に相談して装着するかどうか検討してください。
また首輪の装着が猫にとってストレスになる可能性もあります。猫はストレスを言葉で表すことができないため、人間が気付かないうちにストレスを溜め、体調不良を招くこともあります。首輪を取ろうとする、首輪をつけると動きが鈍くなる、といった状況であれば、決して無理強いにならないようにしましょう。
安全な首輪を選ぶために知っておきたいダメな首輪の特徴
愛猫のためにも、安全でつけごこちの良い首輪を選んであげたいですよね。迷ったときには、以下のような首輪を避けると良いでしょう。それだけでも首輪の安全性が向上します。
✔力が加わっても簡単に外れない
✔装飾が多すぎ大きすぎる
✔サイズが合っていない
✔素材が革またはナイロン
✔素材が固い
✔重すぎて首の負担になる
とくに力が加わったときに簡単に外れない首輪はおすすめしません。引っ掛かった際に、宙吊り状態になり死亡する事故がおきています。
猫の場合は、力が加わったとき簡単にはずれるセーフティーバックルの首輪を選ぶようにしましょう。悲しい事故を防ぐことができます。
また装飾が多い首輪は破損した際に部品を飲み込んでしまうリスクがありますので、避けたほうが無難でしょう。
まとめ
迷子札や鈴のついた首輪には、脱走時や災害時に再会できる可能性を高くする、足もとにいることに気づかずに踏んで怪我をさせるリスクを減らすといったメリットがあります。
その一方で首輪には引っかかるなどの事故や誤飲・誤食、ストレスといったリスクも無視できません。首輪の部分が脱毛や皮膚炎を起こしてしまうこともあるので、首輪をつけたとしても時折外して皮膚状態を確認しましょう。
また人間から見てかわいらしくても猫には迷惑なだけかもしれないことも知っておく必要があるでしょう。
愛猫に首輪をとお考えであれば、安全さや快適さを最優先にして選んでいただければと思います。
(獣医師監修:唐野智美)