【動画】9月10日までは断水せず 40%節水が前提 中川幹太上越市長「依然厳しい状況」
新潟県上越市の中川幹太市長は2025年8月7日、記者会見を開き、水道水の断水について9月10日まで実施しないと発表した。引き続き40%の節水の実施が前提としている。
市によると、節水対象地域の配水量は、7月15日の節水要請前の1週間では1日当たり約3万6000立方mだったが、市民の節水の取り組みにより、8月7日時点では約2万4000立方mで約33%の縮減が図られている。また、正善寺ダムの貯水率は6日に一時10%を下回ったが、同日から7日にかけての降雨で、7日午後5時時点で11.4%に増加した。
中川市長は「雨などでダムの貯水率は増加したが、依然として厳しい状況で早期の回復は難しい」とした上で、消雪用井戸など新たな水源の活用と節水の継続により、9月10日までは断水を回避できるとの見通しを示した。
消雪用井戸の地下水など活用
新たな水源として工事が行われていた上越妙高駅付近の3か所の消雪用井戸から城山浄水場への配管工事は5日に完了し通水を始めたほか、上越教育大などの消雪用井戸から正善寺浄水場への配管工事も今月中旬には完了する見込み。このほか廃止していた南城浄水場の稼働に向けた工事が10日に完了予定となっている。
最低水位以下のダム水も利用へ
また正善寺ダムの水位低下を受け、通常時は使用しない最低水位以下のダムの水を水道水源として使用することを、ダム管理者の県と調整し可能となった。水量は約31万立方mあるが、水道水としての使用可能量や使用時期は未定。
発電所の水管破断は仮設的な工事に着手
ガス水道局によると、今回の渇水の大きな要因である県営高田発電所の水管破断事故からの復旧については、県が仮設的な管の設置工事に着手しているが完成時期は未定という。
中川市長は市民の節水に感謝した上で「大変なご不便をおかけし、誠に申し訳ない」と述べ、引き続き協力を呼び掛けた。