洪鐘祭絵巻が完成 26日から28日 江の島で展示
2023年10月に円覚寺と江島神社が行った「洪鐘祭」の行列を描いた絵巻が、このほど完成した。制作は多摩美術大学日本画研究室の学生が授業の一環で行った。
円覚寺の梵鐘の鋳造に成功したことを祝い、鎌倉時代から続く60年に一度の祭礼。明治に行われた際にも絵巻物が制作されていた。同神社の「絵巻は燃えない限り残る。未来のある若い人の目線で祭りの風景を残したい」との思いからプロジェクトが始動。学生たちによる当日取材を経て、約2年で完成した。
長さは全長約20メートル。薄く強度のある雁皮紙と岩絵具を用い、当日の道中を鮮やかに彩った衣装や神輿、幟旗などを細やかな模様まで写実的に描いている。また、スニーカーや軽トラックなど、行列に登場した現代のものも描かれている。同神社の相原圀彦宮司は「個々のパートごとに描き方が少し異なるのも見どころ」という。
作品は5月26日(月)から28日(水)まで、江の島サムエルコッキング苑内UMIYAMAギャラリーで一般展示される。また、同ギャラリーでは27日(火)午前11時から完成発表会が開催され、制作した同大生と教員、仕立てを行った半田九清堂による解説と質疑応答を聞くことができる。